…屋上で瑠璃子さんは僕に言った。 「晴れた日は良く届くんだよ。」 「届く?…って何が?」 「………天パ。」 「…は?」 …天パ?…天パって…天然パーマなのか?晴れた日は良く届く?…何が?? 「長瀬ちゃんもわかるよね?…天パ。」 「…え、…あ、いや…その…」 「…わからないの?」 「い、いや…わ、わかるよ、わかるさ。」 ウソだ。サッパリわからん。つーか、台本だとココは『電波』のハズだ。 「…あ。」 「?…どうしたの、瑠璃子さん?」 「来た…。」 「来た…って、まさか…天パ!?」 瑠璃子さんは僕の言葉に肯定の意を示すと、何かに集中するかの如く両目を閉じた。 …ぱち…ぱちぱち…びり…びりびり… 大気が震え、瑠璃子さんの周辺の空間に紫電が走る! 「る、瑠璃子さん!?」 心配そうに声を掛ける僕に瑠璃子さんはスウッと目を細く開け「だいじょうぶだよ」と短く言った。 …ぱちぱちぱち……びりりびりびりびりり!!!… 放電現象はどんどん凄まじくなっていき、音、輝き、共に一層大きくなっていった。 呆然とする僕を前に、放電する瑠璃子さんは一言言った。 「…届いた。」 「と、届いた…?」 …ざわざわ……ざわざわ…… 「…!??………!!?…」 突如、瑠璃子さんの髪の毛が放電された紫電に呼応するかのようにざわめきだした。 その青い髪の毛は電流によって動いているように見えた。 ……ざわざわ…ざわざわ……………しゅうぅうぅううううぅぅ… そしてソレは…………天然パーマになった。 「瑠璃子さん…………そ、そのアフロヘアー…」 「似合ってる?」 「…え!?」 「似合ってるかな、長瀬ちゃん?」 「……………………………に、似合ってるよ…。」 「そう………ありがとう、長瀬ちゃん。」 ……神様、僕は嘘をつきました。ゴメンナサイ。