…ある日、オレは琴音ちゃんと会った。 「こんにちわ、藤田さん。」 「やぁ、琴音ちゃん。」 う〜ん、いつもながら眩しい笑顔だ。 「今日も良い天気ですよね。」 「ああ、そうだな。」 「そういえば、藤田さん。神岸先輩との間にお子様が出来たらしいですね?」 「…!!?…な!!?」 …何故にチミが知っとるの!? オレだって、あかりに「できちゃった。」って言われるまで知らんかったのに!! 「おめでたいですねぇ。」 「…は、ハハ…あ、ありがとう。ちなみにドコでソレを…?」 「フフフ…内緒です。」 ぐわ〜!き、気になるッ!! 「お、オレもさァ…楽しみで…」 「そういえば来栖川先輩ともお子様をお作りになったとか…」 「…!!!!???…?????な、ナにィィっっ!!?」 ば、バカな!何故知ってるんだ!?あかりも知らないのに!?オレだって先日聞いたばっかなのに… 「フフフ、みんな知ってるんですよ。保科先輩や来栖川先輩の妹さんにもおられるんでしょう?」 マ、マジかよ?何で、オレの最もプライベート、かつデンジャラスな部分を知ってるんだ!!? 「こ、琴音ちゃん…そ、そのコトは…」 声が震えてるのが自分でもわかる。…くうっ、なさけねぇ〜! 「わかってますよ。他の人には秘密にしておくんですね?」 「あ、ありがとう!」 オレには琴音ちゃんが神に見えた。マジありがとう!オレが将来天下とったらご褒美あげるよ! 「でも、何でそんなにお作りになったんですか?ずいぶんと絶倫なんですね?」 「いや…実はさ…」 …そう、実はソレが問題なのだ。オレはあかり達に対して全て外に出したのだ。 なのに、何故にみんな子供をこさえてしまうかね?こりゃこりゃ。 このままでは、オレは高校生にして3人の子持ちになってしまう。 半年後にはかわいいベイビーが4人も…。 「オレも不思議なんだよ…。」 「藤田さん。愛情を確かめ合うのもいいですが、避妊はちゃんとしたほうがいいですよ。」 「いや…だから…ソレはちゃんと外に…」 「藤田さん…避妊方法を甘く見てませんか?」 「え?…いや、甘く見てなんか…」 「いいえ、甘く見てます。気をつけて下さい。」 「ご、ごめんなさい。」 よくわからんが、反射的に謝ってしまった。 「いいですか?『膣外射精』は道具も不必要で手軽な反面、かなり確実性に欠けるんですよ。」 「そ、そうなのか…。」 「性交をする時は必ず複数の避妊方法を用意するのは常用手段ですよ!」 「は、はいっ!」 琴音ちゃんの説明にも力が入ってきた。 しかし、何故にこないに詳しいんや? 「たった一つの避妊方法で、しかも最も成功確立の低い方法なんて…信じられません。」 「わかったよ…オレ、今度から気をつけるよ…。」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 … 「ありがとうな、琴音ちゃん。」 「どういたしまして、藤田さん。」 「それにしても琴音ちゃんってこういう方面に詳しいんだな?」 「えぇ、勉強しましたから。」 琴音ちゃんは胸を張って答える。自慢されても困るのだが… 彼女を見ていてオレの中にある一つの考えが浮かんだ。 「なぁ、琴音ちゃん?」 「なんです?」 「琴音ちゃんってさァ…もしかして…辞書の下ネタ系の言葉をマーカーとかでチェックしてる?」 「………っ!!」 瞬間的に彼女の顔が赤くなる。 そして… 「藤田さんの…藤田さんの……ばか〜〜〜〜〜っ!!!もぉ、嫌い!!」 と叫んで行ってしまった。 オレは心の中で謝った。 それにしても……… 図星だったか…