…柏木耕一は悩んでいた。 …あ〜あ〜、気になるぞ〜!!いっくら考えてもわかんねぇ〜!! 朝からずっと(現在時刻午後九時)考えてんのに、サッパリさんだァ!! …思考中… ダメじゃん…20歳にしてアルツハイマーなのか、俺? 思い出したくても、思い出せない! なんてムズムズする感覚なんだッ!! 花粉症でもないのにこんな不快感を味わなくちゃいけねぇなんてッ!! あッ!そうじゃん!こんな時は、誰か他人に尋ねるのが一番じゃん! だって、わかんねーし。 「おっ!梓!…実はかくかくしかじか…なんだが…?」 「う〜ん、悪いね。わからないよ。」 「あっ、初音ちゃん!実はね…かくかくしかじかでさァ…?」 「ごめん、お兄ちゃん。それは知らないよ…。」 「楓ちゃん、君は知ってるかい!?」 「いいえ…。お役に立てなくて、すいません。」 …ぬぅ…誰も知らないとは……否!柏木家にはまだあの人がいる! 二十三歳なのに古いコトいっぱい知ってるあの人が!! 「千鶴さん!鉄腕アトムの近くにいるあのひょろ長い顔のヤツの名前を知ってる!?」 「え…?…ウランちゃんですか?」 「違う!ソレは妹!」 「う〜ん?」 「頼むよ、頑張って千鶴さん!千鶴さんだけが頼りなんだ!!」 「う〜〜〜?……………あっ!!コバルト兄さん!」 「あっ…!!そうか!コバルト兄さんか!コバルト!」 「そうですよ、コバルトさんですよ。」 「うっわー!ムチャクチャ影薄ッ!思い出せん!」 「良かったですね、耕一さん。」 「うん、ありがとう、千鶴さん!」 やっぱ古いコトは千鶴さんに聞くに限る! コレで今夜も快眠だ!