レディース・アンド・ジェントルメーン!あ〜んど、お父っつあん、お母っつあん! It’s ショー・ターイム!! 「楓〜っ、今週のメカのエサよ〜っ!」 叫ぶやいなや、千鶴嬢は手にしたネジ状の物体を楓嬢に投げる! …ひゅ〜…ぱくっ…ごくん… 「今週のうっとりねっちょりメカ〜!!」 今度は楓嬢が叫ぶ。…キノコでも食ったか!? …かくん…音をたてて、楓嬢の顎が外れ大きく開く。 そして口内の奥より生えてくるモノ…………梯子ッ!! わっしょい、わっしょい、わっしょい……口内より聞こえる小さな声。 わっしょい、わっしょい、わっしょい… 口より現われしは、ミニサイズの楓嬢。 ドコにそんなに仕舞ってたんですか?と尋ねたい程にわらわら出てくる。 しかも、全員、ネコ耳装着というラブリー状態。これでパパさん方は大喜び。 その後、数分にかけてミニ楓嬢達はささやかな芸をしてまた楓嬢の口内へ帰っていった…。 オレは客席から全てを見ていた。 鶴来屋の客寄せに会長自ら出陣と聞き見に来た。 でも、楓ちゃんも出てるなんて知らなかった。 つーか、楓ちゃん。キミは一体なんなのさ? 一緒に来ていた梓と初音ちゃんは、 「楓も上手くなったねぇ〜。」 「ホント。玉乗りが出来るのは知ってたけど、空中ブランコなんて初めてだったね。」 …なんて、さも普通に会話してるし。 オレはまた自分と柏木四姉妹との間の距離が開いていくのを感じた。 ああ、ちょっとだけグッバイ…楓ちゃん。