「…お兄ちゃん、お兄ちゃん」 「ん、なんだい瑠璃子?」 「…お兄ちゃん、1日は本当は24時間じゃなくて23時間56分4秒なの…」 「物知りだなぁ、瑠璃子は…お兄ちゃんは嬉しいよ。」 「…長瀬ちゃんが教えてくれたの」 「…そうか。…へぇ。長瀬君かぁ…。」 「…お兄ちゃん…長瀬ちゃん、嫌い?」 「そ、そんなこと無いぞ、瑠璃子。」 「…うんうん、仲良し……」 「………。」 「…兄さん殺し」 「………へ?」 「…兄さん殺し」 「…瑠璃子?」 「…覚え方」 「お、おぼえかた?」 「23・56・4…にぃ・さん・ご・ろ(く)・し…兄さん殺し」 「………瑠璃子…何か別の…」 「兄さん殺し…兄さん殺し…おもしろいね」 「………そ、そうだね……ちなみに…ソレも…その覚え方も…」 「………?…うん、長瀬ちゃんが教えてくれたの…」 「そうか………。」 「兄さん殺し…兄さん殺し」 僕は涙を堪えて部屋を出た……… ドアの向こうからは瑠璃子の楽しそうな「兄さん殺し」が耳に入ってくる… 「………なぁぁぁぁぁがぁぁぁぁぁぁせぇぇぇぇっっッッ!!!!」