「先輩、私、新しい同好会を作ろうと思ってるんです!」 「ぶっ!」 葵ちゃんがあまりに唐突にそんな事を言い出すもんだから、俺は思わず飲んでいたカフェオレを吹き出してしまった。 「ゲホッゲホッ・・・・・・な、なんだって?」 「だから、新しい同好会を作ろうと・・・。」 「ちょ、ちょっと待った!それじゃ格闘技同好会の方はどうなるんだ!?」 「もちろん、格闘技同好会はこれからも続けていきます。 大丈夫です。今度作る同好会は、休み時間とかに活動する事がほとんどですから!」 「あ、そう・・・・・・で?どんな同好会を作るんだ?」 「あ、はい。今度作るのはですね・・・」 「うん」 「カツサンド撲滅同好会です!!!」 「は?」 「先輩、私、前々から思ってたんです! カツサンドこそ諸悪の根元!カツサンドこそ私の敵・・・もとい、人類の敵であると!」 「あ、葵ちゃん・・・?」 「このまま、あれをこの地球上にのさばらせておくわけにはいかないんです! もしあれがこれ以上この地球上にいれば、地球は確実に滅びてしまう!」 「それは絶対にないと思うけど・・・。」 「だから私、思い切ってこの同好会を作る事にしたんです! あの諸悪の根元を、この地球上から消滅させるために!!!」 ゴウッ!!! ・・・いや、葵ちゃん、そんな事で背中から炎を出されても・・・。 一体どうしたと言うのだ葵ちゃん、何故そこまでカツサンドを敵視する!? カツサンドで何か嫌な思い出でもあるのか? ・・・ん? なんか・・・俺が関係してるような気が・・・。 気のせい・・・だよな。 「それで、先輩にお願いがあるんです!」 「な、何?」 「先輩もこの同好会に参加して下さい!」 「へ?」 「私、先輩がいれば、この同好会はきっと成功すると思うんです! 格闘技同好会だって、先輩がいたからこそここまでやってこれた、だから、この同好会にも是非参加して欲しいんです!」 ・・・おいおい、ちょっと待てよ。 みんな知ってると思うが、俺の昼食はだいたいパンだ。 あかりや葵ちゃんが弁当を作ってきてくれる事もあるが、そう毎日というわけにもいかない。 そんな時の俺のレパートリーが、カツサンドとウインナーロールというわけで。 このカツサンド撲滅同好会とやらに参加すれば、カツサンドが食えなくなってしまう。 それすなわち、昼メシが半分になってしまうという事なのだ! 食欲旺盛な俺にとって、それは耐え難い事だ。 ・・・え?それじゃ他のにすればいいだろって? だめだ・・・だめなんだよ、カツサンドがないと。 なぜなら俺は・・・・・・カツサンドが死ぬほど好きなんだよぉ! ああ、そりゃもう大好きさ!毎日食っても飽きない程に、これ食わなきゃ昼メシ食った気にならない程になぁ! 前に一度、カツサンドを食い損ねた事があったんだけど、その日は一日中落ち着かなかったもんなぁ・・・。 もしかしたら俺、カツサンド中毒になってるのかも。 ・・・まあそんなわけで、葵ちゃんには悪いけどこの同好会には参加できんな。 「葵ちゃん、悪いけど俺は・・・・・・うっ!」 断ろうとしたが、思わず言葉をつまらせてしまった。 だって葵ちゃん、凄くキラキラした目で俺を見てるんだよ・・・。 その瞳からは明らかに、 「大丈夫、先輩はきっと参加してくれる! 先輩は、いつだって私のやろうとしてた事を応援してくれたんだもん! 今度だって、きっと応援してくれるはず!いえ、絶対応援してくれる!」 という思いが読み取れた。 ううっ・・・・・・そんな瞳で見られたら・・・断れないじゃないか・・・。 でも、カツサンドがなくなるのは嫌だ・・・。 だが、葵ちゃんの期待は裏切りたくない・・・。 でも・・・、 「先輩・・・!」 だああっやめてくれぇ!その瞳で見つめるのは! 俺は・・・俺はどうすればいいんだ! 「先輩・・・・!」 だからやめてくれってぇ! ううう・・・どっちを取るべきなんだ・・・。 葵ちゃん・・・カツサンド・・・葵ちゃん・・・カツサンド・・・葵ちゃん・・・カツサンド・・・・・・。 「先輩・・・・・!」 「だあああああああああああああああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!!」 その日以来、俺は練習に出ていない・・・。 ============================================ イ「ちなみに俺は卵サンドが一番好きだな。」 M「また今回は唐突ですね・・・。」 イ「M、お前は何が好きなんだ?」 M「え?う〜ん・・・・・・やっぱりハムサンドですかね。」 イ「分かっちゃいないな・・・卵サンドこそサンドイッチの中のサンドイッチ!King of サンドイッチなんだあああああぁぁぁ!!!」 M「何わけ分かんない事叫んでるんですか・・・それより感想は?」 イ「おっと、そうだった。」 <追悼 上・下>R/D様 なんか・・・これから先現実に起こりそうな話ですよね。 矢島・・・いぶし銀のかっこ良さです♪ 悲しみを背負って、彼はこれからも生きていくんですね・・・。 しかし、この話読んでると、なんだか浩之がマルチと結ばれるのが凄く悪い事のように思えてくるんですけど・・・。(笑) M「ところで先生、闘魂秋吉様から後書きが長いのは問題ではないかとのご指摘を受けてるんですが・・・。」 イ「う〜ん・・・しかし言いたい事を言ってるとどうしても長くなってしまうんだよな・・・。会話形式にしてるから余計だな。」 M「要するに、先生に文章をまとめる能力がないんですよね。」 イ「じゃかあしいわ!」 M「それではみなさん、さようなら♪」 イ「また会おう!」