私の名は柏木千鶴。 実は今私は恐るべき秘密を知ってしまった。 この秘密は誰にも知られてはいけない。 妹たちにも、耕一さんにも。 そう、知られてはいけないの。 「・・・・姉さん」 む、楓! 「そこどいて欲し・・」 楓が言い終わる前に私は、 跳び蹴り。 腕ひしぎ十字固め。 とどめにフライングボディアタック。 「・・・・ね、姉さん?」 そう言うと楓は息を・・・もとい、気を失った。 ごめんなさいね、楓。 姉さんも好きでやってるわけじゃないのよ。 信じてね!! ・・・・・・やっぱり・・とりあえずスリーパーホールドもかけておこうかしら。 楓の細い首に手をかけたその時・・・!! 「ち、千鶴さん!!なにやってるんですか!?」 耕一さん!? 私は大慌てで手近な窓を破り逃走を図った。 知られるわけにはいかないの。 ごめんなさい。 俺は呆然とした顔で千鶴さんの後ろ姿を見送った。 何だったんだ・・・? いや、それよりも楓ちゃんだ。 「楓ちゃん!!楓ちゃん!!しっかり!!」 「う、うーん・・」 よかった、息はあるみたいだ。 だが何故千鶴さんがこんな事を・・・? 「耕一ーー、どうかしたの?」 騒ぎを聞きつけたのか梓がやってくる。 「ああ!!あんた楓に何やってんの!!?」 「へ?お、おい!!俺は何もやってないぞ」 「じゃあ、誰がやったって言うのよ?」 「い、いや信じられんだろうが・・・千鶴さんだ」 「千鶴姉?」 そう言うと梓は部屋の中・・・洗面所を見渡す。 「・・・あのガラスが割れたのも?」 「あ、ああ」 「ふーん」 梓はそう言うと部屋に置いてあった体重計をさわりだし、やがて何がおもしろいのか にんまりと笑いこう言った。 「謎はすべて解けた!!」 推理もんの読み過ぎか、こいつ。 「千鶴姉が太った!!」 「・・・・はあ?」 何を言っとんだこいつは。 「千鶴姉が太ったんだって!!」 「い、いやそれとこれと何の関係が・・・・?」 「証拠隠滅のためね!!」 証拠隠滅って・・おい。 「千鶴姉なら必ずやるわ。そういうことなら当分千鶴姉は帰ってこないわね・・・・ ラッキー、鬼の居ぬ間に洗濯って奴ね」 ・・・・いいのか?そんな風にすまして? 俺の腕の中で気を失っている楓ちゃんが気付くのは数刻後のことだった。 千鶴さんが俺のまえに姿を現したのは数日後の事であり、その間の事は 一切、触れられなかった。 ----------------------------------------------------------------------------- 学校のパソコン使ってるんでUPが遅いです。 でも当分続けるんで、読んでくれると嬉しいっス。