千鶴さん奮戦記 その2「仁義なき闘い」 投稿者:おーえす
耕一さん。
私より三つ年下だけど、私にとって一番大事な人。
ああ、
耕一さん。好きです
「俺は嫌いだよ」
ピシ
「いやだって、千鶴さん料理下手だし、って言うか、あんな殺人的な料理の腕
じゃあねえ」
そ、そんな・・・
「耕一」
「耕一さん」
「耕一お兄ちゃん」
あ、あなた達・・・?
「千鶴さん。さよなら」
へ?耕一さん?
「と、いうわけで千鶴姉。耕一はもらっていくよ」
「さよなら・・・・」
「千鶴お姉ちゃん。ごめんね」
ちょ、ちょっとあなた達、何言って・・・
あ、まって行かないで。ちょっと待って。おいてかないで耕一さん!!
何?足が動かない。
「はっはっは。四人の新たな門出に乾杯といきましょう」
って柳川さん。あなた何で私の足を掴んでるんですか!?
ああ。耕一さんが見えなくなっちゃう。
「耕一さーん!!かーむばーっく!!」

眼を開けると、そこはいつもの見慣れた私の部屋。
夢。
なんというか、ろくでもない夢だった。
枕元の時計は朝の五時。
私はふと、夢の中での耕一さんの言葉を思い出し、ある決心をした。
布団から出て私の目指した場所は・・・・

「で、作っちゃったわけなんですね。朝御飯。」
俺の前には、千鶴さん曰く『朝食』が並んでいる。
が、しかし何故ご飯が黒い。
他の料理はもはや、認識できないじゃあないか・・・。
俺は、上目遣いで千鶴さんを見た。千鶴さんは笑っている。が、目は笑っていない。
これは暗に『食べろ』と強制しているのだろうか?
そこで俺は、精一杯の抵抗を試みてみることにした。

まずはジャブ。
「梓は、どうしたのかな?」
「梓なら台所で掃除してますよ。そうそう、さっき凄かったんですよ。お味噌汁
作ってたら、壁が吹っ飛んじゃって」
「そ、そうなの・・・」
っていうか、お味噌汁ってどれ・・・?

次に右ストレート。
「じゃ、じゃあ楓ちゃんは?」
「さあ?何か急用ができたとかで、どっか行っちゃいました。あ、それよりこの
目玉焼き食べてください」
千鶴さんが差し出した料理は、それが目玉焼きだと仮定するなら、白身の部分は黄色と
茶色の斑で、黄身の部分は赤く、そして何の足か解らない足がその姿を見せていた。
俺は、思わず後ずさった。

最後のアッパーカット。
「そ、それなら、は、初音ちゃんは?」
「初音なら、梓の手伝いをしています。先に朝御飯食べなさいって言ったんですけど、
聞いてくれなかったんですよ。どう思います、耕一さん」
いや、それは当然だと・・・・。

だ、だめだ・・・。すべての抵抗はむなしく空を切ってしまった。
俺はこのまま、ここで朽ち果てる運命なのか!?
天国の親父ごめんなさい!!俺もすぐにそちらに行きます!!
だがそこに救いの女神(笑)が!!
「ちょっと耕一。何よ、この(笑)ってのは!?」
「い、いや愛嬌だって、梓」
「・・まあ、いいわ。それより千鶴姉」
「何?」
「今後、台所には近づかないでね。近づいたら全力でぶっ殺す!!」
「ええ、ど、どうして!?」
「どこの世界に、朝食を作るのに台所を吹き飛ばす人がいるのよ!!」
「ここに」
「うがーーーーーーーー!!やっぱり、ここで息の根止めたるーーー!!」
「おい梓。落ち付けって、ほらどぅどぅどぅ」
「わたしゃあ、馬か!?」
「梓。はい、にんじん」
「ちーづーるーねーえー。何を言ってるのかなあ?」
「え、梓、馬じゃなかったの!?」
ぶち
あ、破滅の音が・・・。

数秒後、そこは、戦場となった・・・・・。

次に俺が気づいた時、辺り一面はがれきの山だった。
立ち上がり、千鶴さんと梓を捜す。
いた。
何故か夕日をバックに、がれきの山に立ちそして、二人共肩で息をしている。
二人は笑っていた。
「腕を上げたわね。梓」
「いつまでも、負けてばっかってわけにはいけないんでね」
そして、どちらともなく笑い出す。
「でりゃあああ」
「でええええい」

電光のクロスカウウンター。

そして二人、共に倒れた。

「な、なんかベタベタやん。いいん?これで」
おれは関西弁で呟き、再び意識をなくした。



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ありがちなネタですいません。
その場のノリで書いちゃいました。

いいのかな、こんなの書いてて。