艦長 藤田浩之 4話 初戦 投稿者: 暁 千破也
「さっき千鶴さんが持ってきた物にちょっと細工をするか
 ふっふっ、これで大丈夫。開けた時はドカンや。
 これで千鶴さんを嫌いになるはず。こんな物貰うから悪いんやで藤田君」

ごくごくごく ぷふぁー
「そうか、艦長と副艦長はまだピンピンしてるのか。
 あれを食べてから1日経ったけど大丈夫なのか・・・変態だな。
 仕方ない、最後の手段といきますかねぇ」
 よっこらせっと

ドシャーン
「なに事だ?綾香」
「浩之、クーデターが起きたのよ!」
「ク・クーデター?」
「そうよ。浩之の態度によって艦内の古参兵が反乱を起こしたのよ。
 浩之、ブリッジにいる全員に第一級武装させるわよ」

( あの人達と戦わなきゃいけない、軍の秩序を守るために。
  だけど勝てるかしら。鬼に・・・             )

「いけー、ブリッジを押さえてこの艦を頂くんだ。
 千鶴姉一気に決着を着けるよ」
「藤田君 千鶴さんから通信やで。モニターへ出すよ」
「艦長ご機嫌いかがですか?そろそろそちらに遊びに行くのですが
 その前に降伏した方がいいですよ。人では鬼には勝てませんから」
「あなた達、艦長の態度が気に食わないのは私にも分かるわ。
 でも、あなた達は軍規を無視しているのよ。軍規に従って武装解除しなさい」
「軍規ですって? 規則で戦争なんかできないわ!」
「戦に必要なのは力だよ。力こそが生きる権利を勝ち取ることが出来るんだ」

ドガッ ドガッ
「これでもくらえっ」
「伏せろ!」
ピカー ドーン
キュィーン グーン
「いったいどうしたんだ? 何が起こっているんだ?」
「ワープよ 浩之。何とかならないの琴音?」
「駄目です。解除間に合いません」
「座標設定は?」
「駄目です。入っていません。このままだとランダムワープを開始します」
「ランダムワープ! そんな事したらどこに実体化するか分からないわよ」
「来栖川艦隊の本体の前に出てしもうたら蜂の巣やで」
「もしもどこかの惑星の都市に実体化したら・・・」
「あかり、どうしてそんなに悪い方に考える?
 もしかしたらリゾート地に行くかもしれないぜ?」
「浩之 あんたは・・・」
「10秒でワープに入ります」
「時空衝撃に備えなさい!」
 ・
 ・
 ・
「助かったようね」
「なっ、物事そんなに悪い事に転がらないもんだよ」
「藤田君 悪いけどエネルギー反応や。モニターへ出すね」
「あらぁ」
「来栖川帝国の偵察艦隊よ!」


「全艦隊攻撃準備して下さい」


「すべての攻撃回避は不能です。
 回避しようとすると10分以内に気絶します」
「緊急回線SOS発信や。これからどうするんや? 藤田君」
「どうする? 浩之」
「どうするの? 浩之ちゃん」
「耕一さんどこへ行くんですか?」
「このまま死ぬなら反撃する方がいい」
「耕一ばかりいい格好させられるか。千鶴姉!」
「敵艦突入ですね。フフッ 私達3人を止められるかしら?」

( さっきまで争っていたのに敵を目の前にして心を一つにする
  これこそLeaf連合の軍人よ              )

「みんな、私達がここで散るのは確実よ。でも駆逐艦トゥハートは
 来栖川帝国に最初に砲門を開いた艦として後世に語り継がれるわ」
「綾香、降伏するぞ!」
「浩之 今なんて言った?」
「降伏するんだ。今攻撃しても犬死だからな」
「軍人としての誇りはないの?」
「誇りなんてねぇよ。それよりも生きていた方がいいだろう」
「浩之、なにか考えがあるの?」
「なんとかなるさ」
「委員長、敵艦にお手紙送るから用意してくれ」
「了解」

( 敵艦隊を前にしてこの余裕。何か考えがあるのかしら?  )


「全面降伏ですか?」
「はっ、たった今通信が入りました 瑞穂提督」
「降伏ですか」

( まぁ戦わないんだったらそれもいいかな  )

「攻撃は中止、敵艦に打電。私達はあなた達の降伏を受け入れます。」
「何故です?提督」
「貴重な情報源になるかもしれないからです」

( 古い艦ごときをを沈めても香奈子ちゃんは帰ってこないわ。
  あの2人を追い詰めた藤田浩之という人を倒さなければ・・・ )

「そうですね」
「全艦の砲撃管制機能を本艦に接続、
 本艦の攻撃と同時に砲撃出来るようにしておいて下さい」


「みんな、相手が帰るまで手を出すなよ」
「あら、かなり壊れてますね。この宙域に一隻でいるのが分かりました。
 反乱が起きましたね?」
「おぅ、良く分かったな」
「貴方のような下っ端には用はありません。艦長は誰ですか?」
「俺だが」
「はぁ、貴方が艦長なんですか。それではLeaf連合の作戦命令書を頂きます」
「それを渡したら主力艦隊は全滅よ」
「こちらの命令に従ってもらいます。直ぐに準備をして下さいね」
「こんな形で主力艦隊の所在を知られてしまうなんて」

( とりあえず、あの女艦長を盾にしようかしら
 「綾香さん待ちなさい。やるならあの人達が帰るときよ。
  用が済んだら殺されるだけでしょうから」
 「仲間に入れさせてもらうよ千鶴姉」
 「千鶴さん、俺も入れさせてもらうよ。
  あいつらに鬼がどういうものなのか教えなきゃいけねぇからな」
 「みんな、ありがとう」                     )

「私達来栖川帝国の国民は戦う為に生まれてくるのです。
 戦いには降伏や撤退はありません。生か死かのどちらかです」
「そうか」
「勝利に導く心、それは愛と勇気と規律です。
 祖国を愛し、強力な武力を持ち、その力を束ねる軍規。
 これがあって勝利が得られるんです。
 あら、どうやら作業が終ったようですね」

(「よし、みんなやるわよ」
 「「「おう」」」
 「まてっ、あれを見ろ!」 )

「ちょっといいか? 土産にこれでも持っていけや。
 戦について少し教えてもらったからな」
「それでは頂いて行きます」

(「おぃ、あれってあれだろ?」
 「うん」
 「そのようですね」
 「艦長は初めからこれが狙いだったのかな?」
 「そんなまさか”浩之”がよ?」       )


「私達がブリッジに戻り次第攻撃です」
それにしてもこのお土産は何かな?
カパ
ドガーーーーーーン
「あれ、どうしたんだ? 敵旗艦が爆発してるぞ」

( なんで爆発したの?
  私が作ったのは食べ物なのに何故? シクシク

  千鶴姉の作った物がついに爆発するようになったのか
  ちょっと日にちが経つと爆発するとはね。耕一には食べさせられないな
  それにしても変な方向に腕が上がったな・・・

  私の時、爆発物は入っていなかったけど・・・
  よかったわ。あれがここで爆発しなくて

  あちゃー、火薬の量を間違えたようやね
  まぁ終りが良ければそれでいいんや                )


「砲撃管制システムが制御不能です。全艦 ぼ、暴走します」


「琴音ちゃん、早く逃げるぞ。巻き添えになるのは御免だからな」
「分かりました。心配しないで下さい。
 私が舵を握って意識を保っている限り大丈夫です」
「こちらの勝利だな」
「人のプレゼントを利用しやがってまったく、たいした艦長だぜ」
「この私ですらあの中身が分からなかったのに」
「え、あれってそうだったのか?」
「そうだったなんて 浩之!」
「まぁ、生き残ったんだからいいじゃねぇか」
「今回の反乱は止めにしますね」
「止めにって、千鶴姉!」
「梓、何か言いました?」

( 千鶴姉、等身大の狸のしらが焼きを片手で持って言うかよ
  ここは逃げないと殺られるかも・・・           )

「分かったよ、千鶴姉。」
「という事でこれからよろしくお願いします。
 綾香さん、耕一さんには近づかないで下さいね。
 不幸な事故が起きるかもしれないですから」


「セバスチャン、我が偵察艦隊がたった一隻の駆逐艦に
 撃破されたのは本当かニャ?」
「真実でございます」
「セバスチャンは正直でいい、志保は真実を語らないニャ」
「敵の駆逐艦はトゥハート、艦長は 艦長は藤田浩之です。
 まだ本人がどうか調べていませんが」

( 浩之さんですか私は会いたいな。タマもそうでしょう?  )

「浩之さんをこちらに連れてきてくれないかニャ」
「承知しました」
だが、芹香陛下が会いたいと正直に言う気にもなれんしな
藤田浩之、あやつを連れてくるのは骨がおれそうだ


「こちら駆逐艦トゥハート艦長藤田浩之少佐、我敵艦4隻撃沈す」

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