艦長 藤田浩之 2話 昇進への一歩 投稿者: 暁 千破也
「よくぞ志願を申し出てくれた工作員 月島、太田」
「来栖川帝国のためには命も惜しみません セバスチャン様」
「両名Leaf連合の主だった軍人は記憶していると思うが
 これを見ろ」
「これは賢治元提督ですね」
「そう、かつて銀河辺境地域で鬼の力を用いた戦い振りに
 我が帝国も一目置いていた武将だ」
「確か既に退役しているのでは?」
「ごらんの通りの年金生活だ」
「元提督がこのような生活を?」
「現在、Leaf連合は我が軍との開戦にそなえて兵力の
 増強に躍起になっておる。だが問題は士気の高さにある。
 軍人の末路とは哀れなものだとお前達はこの事実を世間に
 しらしめてくるのだ」
「はっ必ず成功させてきます」

 ピョーン、ピョーン
「賢治元中将転居先が不明のため年金支給が不可能です。
 至急転居先を確認して下さい」
「ええっ元中将? ほぉ」
「まぁ昼飯食ってからでも遅くはないだろう」
「それなら俺が持って行こうか?」
「そうだな。それじゃ藤田頼むぞ」

「はいお義父さん」
「いつもいつもすまないな。私が宇宙の塵か鬼の血に呑み込まれて
 いれば遺族年金で暮らせるのに・・・」
「心配しないでお義父さん。私達にはお義父さんがいれが十分です」
「楓ちゃん、初音ちゃん本当にごめんなさいね。
 転居通知は出ているらしいんだけどお役所仕事だから。
 本部に戻ったら直ぐこの住所に年金の手配をするからね」
「あかりさんいつも気をかけてもらってすみません」
「友人じゃない。それに私は世話するのが好きなんだから。
 叔父さまほど軍に貢献した人はいないのに政府は何を
 考えているのかな?」


 ガチャ
「いらっしゃいませ。どちらさまですか? ニコ」
( ああっこの天使の笑顔が・・・・ いかんいかん仕事をしなければ )
 ばさり
「んっ、Leaf革命毒電波戦線? なにそれ?」
 ぼそっ
「どうせテロリストでしょ」
「ちっ、この銃が見つかったのか?」
「ちがうよ。服装が怪しすぎるのと極めつけはそのナンセンスな口上よ。
 今時迷彩服装でそんなキチガイな口上じゃね」
「う、うるさい。これでもぶっ放してやる!
 ついでに毒電波もおまけだ。ちょっと苦しめ!」
「な、なにこれ?」
「え、きゃぁー、怖いよ楓お姉ちゃん」
「うっ、頭痛い」
 ズドドドドドッドド・・・・
「ふぅ、これで少しは静かになるだろう」
「俺には毒電波があるから太田この銃を持ってろ」
「月島先輩、人が集まってきたようです。
 そろそろ始めませんか?」
「そうだな、そろそろおっぱじめるか」


 はっ、 とりゃ、 せぃ、はぁぁぁぁぁ!
 ふぅ
 ピロリロリン ピロリロリン
「綾香大尉休暇中すみません。
 大至急出頭してもらいたいのですが」


「諸君、我々は誇り高き性愛を全うするLeaf革命毒電波戦線の
 同士である。同志達よ無益な戦争を直ちに止めよう」
「犯人に告ぐ人質を解放して直ちに出てきなさい」
「我々の要求はただ一つ。見よ!どんな宇宙の英雄だろうとも年を
 とれば軍は見捨てるだけではないか」
「これは酷い」
「直ちに一般市民に対する軍隊募集を取りやめ、Leaf連合を
 解散せよ!さもなければ人質の命の保証はしない」
「綾香大尉休暇の所申し訳ありません」
「まったく人が休暇の時によりによって・・・ で人質は何人?」
「はっ、賢治元提督とそのご令嬢2人、それと令嬢の友人あかり少佐
 の4人であります」
「奴らの要求はなんなの?」
「Leaf連合の解散と戦争放棄であります」
「それで何故突撃しないの?」
「それが、高性能爆弾らしき物を持っていまして」
「わかったわ」
 どこかあいつらの死角となる所はないの?
 あの屋根の上の通空孔からなんとかなるかしら
「綾香大尉、司令部の矢島参謀総長から通信が入っています」
「じゃ、つないで」
「責任者は誰なんだい?」
「私だけど?」
「うっ、綾香大尉ですか。冷静な判断の元、早急に人質を
 救出してほしいのだが」
「そんなの判ってるわよ」
「開戦を控えての大事な次期なんだ。頼むぞ」
「甘いな矢島参謀総長。人質を救出してLeaf連合は解散、その後は
 来栖川帝国の植民地になる事は目に見えてるぞ」
「だまれお前は人質がどうなっても構わないのか?」
「じゃどうしろと? お前は人質を助けて市民を犠牲にしてもいい
 というのか?」
「そんな事は言っていない!」
「ほぉ、確か人質には昔振られた彼女がいたな。
 まだ諦めきれないのか?お前も情に流されるとは くっくっくっ」
「そ、そんな事今は関係ないはずだ! 任せたぞ綾香大尉」
「綾香大尉そちらに任せたぞ」

( はぁ、任せたって事はなんでもやっていいって事だから久しぶりに
  暴れる事ができるわ。テロリストには手加減必要が無いからどんな技
  もかけられるわ
  待つなんて私の性に会わないし・・・ そうだ、あそこから単独突入しよう )

「そこの、この場はお前に任せるわ。私は通空孔から単独突入するから
 犯人の目をこちらに向けておいて。じゃ頼んだわよ」
「はっ了解しました。
 綾香大尉が侵入しやすいように犯人の目をこちらに向けさせろ」


( ふぅ、どうやら毒電波で高性能爆弾を所持していると思わせている
  のに成功したようだな。広範囲だと維持するなが大変だな        )

「いいか諸君、この世で大切なのは性愛だ!性愛こそ全てである
 決して外見なんぞに惑わされてはいけない。常に自分自信の内に
 性愛があることこそ宇宙の真理なのだ!」
「よしこのまま言わせとけ。綾香大尉の行動を援護するんだ。
 威嚇用に小型ミサイルを用意しておけ!
 んっそこの、貴様どこへ行く?」
「ああっ心配するな、俺は賢治元提督に年金を渡しに行くだけだ」
「貴様今がどういう事態なのか分かっているのか?」
「人質をとって立て篭もるなんざぁ悪ぃ奴だな。
 ということでちょっくら年金を渡してくるわ」
 これは何かの暗号コードか?もしやこちらの特殊工作員か
 まぁ、お手並み拝見だな。


「遅すぎる! いったい何時まで待たせれば気がすむんだ?」
「軍の解散は無理な要求だ。
 戦争を控えたこの時期にできる訳ありえん」
「あなた方、もしかして来栖川帝国の工作員じゃないんですか?
 工作員でなくても、こんな”せこい手”しか出来ないのなら
 下っ端の兵士ですね」
「貴様、下っ端とはなんだ!下っ端とは」
「落ち着いて下さい月島先輩」
「ここまで言われて黙っていられるか!」

( こっちには気づいていないみたい。
  姫川さん、あの技を使わせてもらうね。     )

「えいっ、 滅殺ですっ!」
「おっと」
「きゃっ!」
「ピカーーーーン」

( 姫川さん私にも使えたよ。これで私も・・・   )

「楓ちゃん、初音ちゃん早く逃げて!」
「でもお義父さんが・・・」
「老いたとはいえ、叔父さまは軍人です。さっ早く!」
「あかりさんも早く逃げなきゃ!」
「そこまでです!全員一歩も動かないで!! 大丈夫ですか? 月島先輩」
「ふっ、射程範囲外に逃げればたいした事ないな」
「でも、タンスが粉々ですよ。 月島先輩」

( はぁやっと部屋の上に来れたわ。でもここ凄いホコリ
  ストッキングも破けるし・・・って場合じゃなさそうね
  どうしよう今出ていっても無駄死にだし、機会を待つしかないわね )
 
 ピンポーン ピンポーン
「取り込み中済まないが、
 Leaf連合所属 藤田浩之だが年金を渡しに来たぞ
 ちょっと邪魔するな」

( あっ浩之ちゃんだ。助けに来てくれたのかなぁ
  ここは犬のような目で合図よ。ウルウル

  おや?どうやらやばい状況だな。あかりもいるし

  んっ浩之がなんでここに来るの?
  まぁ絶対ただで済むとは思えないから浩之が動いたらチャンスね
  とりあえずいる事を知らせておかなきゃ
  ピョコ ハロー浩之

  んっ上に綾香がいるみたいだな。じゃあ女の方に仕掛けるか   )

「あっどうぞ」
「賢治元提督ちゃーんと年金をお渡ししましたよ」
「すまんのぉ、助かったよ」
「ついでにゴミ掃除していくか はぁぁぁ」
 ゴス
「うっ、月島先輩」
「なにぃ」

( ちっ、銃を持っている太田を狙ったか
  こっちには毒電波があるんだ。絶対に負けん!

  どうやら仕掛けたようね。こちらも動かなきゃね  )

「これでもくらえ」
 すたっ
「はっ やっぱりハイキックは決まると気持ちいいわ」
「うぅ、他にもいたのか」
「浩之どうもありがとね」
「んー、まぁちょっと気に食わなかったからな」
「浩之ちゃん怖かったよー」
「よしよし」
「どうもありがとうございます」
「ありがとう」
「おぅ、俺に任せろや」


「で2人は藤田浩之と言って連絡を絶ったのだな?
 藤田浩之か調べてみる必要があるようだな。
 もし、あ奴なら厄介だな。
 かーーーーーー!! 私は芹香陛下に従うのみ
 たとえ誰が敵であろうとも!!」

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また、投稿してしまいました 暁 千破也です。
HPにて載せていたんですがやっぱり投稿します。
それでは失礼します。

http://www.cam.hi-ho.ne.jp/tihaya/