俺がこの隆山に来てもうどのくらい経っただろうか。
相変わらず暇な午後をもてあました俺は、駅前のゲーセンに行くことにした。
目当ては無論ストライキファイターだ。この前はあんな子供に不覚を取ってしまっ
たからな。再戦に向けて特訓あるのみだ。
だがこんな日に限って対戦相手は現れず、俺は、しかたなしにＣＰＵ戦にいそしむ
ことにした。まぁ、連続技の練習にはなるだろう･･･。

―――十数分後―――

「よしっ！」
俺は思わず声をあげていた。四天王の三人目を倒したのだ。
実は、俺はまだこのゲームを一度もクリアしたことがない。
人気があるのも理由の一つだが、終盤に入ると敵がインチキくさい程に強くなるのだ。
「うーん、今日の俺は絶好調だな。１ラウンドも落としてないし、今ならあの子供にも勝てるぞ」
そんなことを考えながらボス戦に挑む俺。
その時
「わたしは拳を極めし者・・・」
と、そんな台詞が流れたかと思うと、ボスの背後に突然女の子が現れた。
「？？？ お、女の子〜〜？？？」
俺が軽い混乱に落ちている間に、その女の子はボスを一瞬でＫＯして俺に向かってくる。
多少疑問が残りながらも、とりあえず臨戦体勢をとる俺。
するといきなり女の子の体が光ったかと思うと、ホバーしながら突進してきた。
「いきなり超必か？」
慌てて俺はガード体勢をとる。
だが、彼女のからだがこちらに触れた瞬間、画面が光に包まれ真っ白になる。
「えっ・・・？」
驚く俺を尻目に打撃音、そしてなぜか犬の鳴き声が立て続けに聞こえる。
画面が戻った時には、俺の操るキャラは無残な屍をさらしていた。
呆然とする俺に彼女の声が聞こえる。
「あの・・・滅殺です」
そして彼女の方につく二つの勝利マーク。
「ちょっと待て！体力まだ満タンだったぞ？
それにいまのアルティメットＫＯか？会社ちがうぞ？」
後半、意味不明のことを叫ぶ俺の前にはコンティニュー画面をすっとばして
黒い画面があるだけだった。

Ｇ Ａ Ｍ Ｅ Ｏ Ｖ Ｅ Ｒ


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はじめに・・・
ＳＳってのを書くのははじめてなんで、至らないところも多々あるとは
思いますがどうぞひらにご容赦を〜。

もし前に似たようなのがあったらすいません。