魅惑のお姉様方 投稿者:いち
男A「おっ、おい。アレ観ろよ!?」
男B「うぉ! すっげ〜、モデルかな? オマエ声かけてみろよ!」
男C「ええ! 俺かよ!?」

                     *** *** ***

シンディ宮内(以下シンディ)「かんぱ〜い!」
柏木千鶴(以下千鶴)    「かんぱ〜い!」
篠原弥生(以下弥生)    「...乾杯」

シンディ「こうしてみんなで会うのも久しぶりねぇ」
 千鶴 「ホントね〜。何年ぶりかしら〜」
 弥生 「2年と3ヶ月ね」
 千鶴 「そんなに? 電話はちょくちょくしてるのにね〜」
シンディ「それよ! いいかげん電子メール使えるようになりなさい、千鶴!」
 弥生 「そうね」
 千鶴 「でも〜、アレって設定とか大変だし、ボタン多いし、すぐ壊れるし〜」
 弥生 「壊してるのね」
シンディ「たくもう! 今の世界、アドレス持ってない方が貴重よ? 各種設定済みの
     私の古いノート送ってあげるから、勉強しなさい。ほら、住所書いて」
 千鶴 「ハイ、ハイ(儲かっちゃった、てへッ☆)」
 弥生 「シンディは仕事で?」
シンディ「そう。来栖川の研究所と次世代メイドロボの協同開発してるの。みんなは?」
 千鶴 「弥生は緒方さんのプロダクションで働いてるのよね〜?」
シンディ「ステーツでもオガタはノモの次ぐらいに有名よ。忙しいんじゃないの?」
 弥生 「やり甲斐は...あるわ」
千鶴&シンディ「へえ〜〜〜?」
 弥生 「どうしたの?」
シンディ「弥生って何でもソツ無くこなすけど、どこか達観したトコあったじゃない?」
 千鶴 「そ〜そ〜。山の上の仙人さまって感じで〜」
 弥生 「...(仙人?)」
 千鶴 「あッ、ごめんなさい。でも、弥生のそんな顔観るの初めてだから〜」
 弥生 「ふぅ...私はね、ダイヤの原石に出会ったの。その娘は、私とは正反対。
     自分で輝くことの出来る娘。そして、その光を妨げようとする輩を排除
     するのが私の役割...」
 千鶴 「んも〜、放っとくとどんどん闇と同化しちゃうんだから弥生は〜。
     ところで〜、ひょっとして、もうその娘のこと〜〜〜?」
シンディ「うんうん(ゴクッ)」
 弥生 「...二人が考えてるようなことはしてないわ」
 千鶴 「良かった〜。またいたいけな少女が、悪女の毒牙に──いひゃい!」
 弥生 「この口? さっきから、ひとこと多いのはこの口かしら?」
 千鶴 「ひょ〜はんひょ〜。ひゃをひゃひゃまひぇふひょ〜ふひゃひゃい〜
    (冗談よ〜。場を和ませるジョークじゃない〜)」
シンディ「てりゃ──────ッ!!(テーブル正面・千鶴側へ横っ飛び)」
弥生&千鶴「!!?」
シンディ「んも〜、やめなさい二人共。グラスがこぼれるトコだったじゃない。
     まったく、そこまで弥生を怒らすのって学生時代から千鶴ぐらいよ?」
 千鶴 「そんな〜、照れるじゃない〜」
シンディ&弥生「褒めてない、褒めてない」
 千鶴 「あッ! ところで、来栖川の研究所っていえば〜?」
シンディ「......(ギクッ)」
 千鶴 「確かあの〜...顔は思い出せるんだけど〜...馬瀬?」
 弥生 「長瀬」
 千鶴 「そうそう! あの先輩が居るんじゃなかったかしら〜?」
シンディ「...なんで、千鶴はこういう時だけ鋭いのよ〜、もう!」
 弥生 「研究室の先輩だったわね、きっかけは」
 千鶴 「噂を聞きつけた男の人なんか『キャンパスの華が──!!』なんてね〜」
シンディ「よく言うわ。ミスキャンパスの座は4年間保持し続けたクセに」
 千鶴 「あッ、アレはシンディが勝手に応募したんじゃない!」
 弥生 「...私まで」
シンディ「うふふ、ゴメンなさい。まさか、私達でお立ち台を独占しちゃうとはねぇ」
 千鶴 「んもう! ところで話を逸らそうとしてもダメよ。長瀬さんは〜?」
シンディ「(ふぅ、甘かったか)そうね...学生時代から変わってないの。全然ダメ」
 千鶴 「そうなの〜?」
シンディ「私の気持ちなんか、これっぽっちも気付いてないわ」
 弥生 「...言葉のわりには」
シンディ「ふふ...親友に嘘はつけないわね。変わってないわ、イイ所も、悪い所も」
 千鶴 「たとえば〜?」
シンディ「う〜ん、あの人の組む機械は暖かいの。それは間違っている事かもしれない
     けれど、でもね...私はそういうところが好きなの」
 千鶴 「へぇ〜」
シンディ「で、悪い所は部屋が汚いコトね。あれだけ掃除し甲斐のある部屋を造り出すのは、
     長瀬さんぐらいだわ。どんなに掃除しても3日で元通り。それともう一つ──」
千鶴&弥生「?」
シンディ「こんないい女を放ったらかしにしてることね」
 弥生 「そうね」
シンディ「ふふ。まぁ、気長に待つわ。ところで、千鶴はどうなの? 年下の彼」
 千鶴 「えッ? えッ?」
シンディ「しらばっくれてもダ〜メ! どんな感じの子なの?」
 千鶴 「...手の掛かる弟...かな?」
シンディ「なぁに、相変わらずお姉さんをやってるってワケ?」
 千鶴 「いいの! 耕一さんとはそれが一番自然なんだから、そう、今はね。それに──」
シンディ「それに?」
 千鶴 「二人ッきりの時は、た〜っぷり甘えちゃうんだから〜」
 弥生 「...気の毒に」
 千鶴 「なんか言った?」
 弥生 「いいえ、べつに」
シンディ「な〜んだ、結構幸せね、みんな」
 弥生 「そのようね」
 千鶴 「うふふふふ〜」

 男C 「ねぇねぇお姉さん、女の人ばっかで何話してるの? こっちでオレらと〜☆」
 弥生 「申し訳ありません。私は貴男達に話を聞かせる必要性を感じないのですが?」
シンディ「う〜ん。外と同じくらい、中もピカピカに磨きゃないとね、ボーイズ?」
 千鶴 「と、いう訳で、ごめんなさいね〜。またおととい来てね〜(てへッ☆)」
 男共 「し、失礼しました...(スゴスゴ)」

シンディ「あはは。二人とも調子出てきたじゃない?」
 千鶴 「学生時代を思い出すわね〜」
シンディ「そうそう。でも邪魔が入っちゃったわね。場所変えましょうか?」
 弥生 「ごめんなさい。明日早いから私はこの辺で...」
 千鶴 「(がしッ)なぁに〜? い〜じゃないもう少し〜」
 弥生 「.....千鶴? 千鶴...貴女...まさか?」
 千鶴 「なによ〜、私とじゃ飲めないっていうの(ヒック☆)」
 弥生 「貴女、これ...芋焼酎!? なぜ、このバーにこんな物が──はッ!?」
シンディ「学生時代から、千鶴は酔ってるかどうか判りにくかったわねぇ」
 弥生 「シンディ...図ったわね!?」
シンディ「バレたか(ペロ☆) どうする? こうなった千鶴に理屈は通用しないわよ?」
 弥生 「明日は朝から由綺のレッスンが!?」
シンディ「今日は徹夜か...タレントのマネージャーも大変ねぇ」
 弥生 「なッ!?」
シンディ「うふふ、こうなった私は理屈を無視するわよ。さぁ小腹も空いたし、
     まずはラーメンでも食べに行きますか!」
 千鶴 「いいわね〜」
 弥生 「ちょッ!? なに勝手に話をすすめて──」
シンディ「(がしッ)はいはい、観念しなさい。さ、行くわよ千鶴」
 千鶴 「ごめんなさいね〜、弥生。後でたっぷり謝るから〜(ズルズル)」
 弥生 「くッ、はッ(ジタバタ)...こッ、これだから貴女達と飲むのは!」
シンディ&千鶴「飲むのは?」
 弥生 「嫌だったのよ───!!(ズルズル)」
シンディ「あはははは」
 千鶴 「うふふふふ〜」

                                  (終)