祝ワールドカップ開幕 投稿者: いち
アナウンサー(以下、アナ)
  「さぁ、遂にこの時がやってきました。ワールドカップ決勝、世紀の一戦、
   実況は私『いち』と、解説はぶっきらぼうに話をさせたらこの人、世界
   の『藤田浩之』さんでお送りします。」
藤田浩之(以下、浩之)
  「なんだよそれ。ったく、しょーがねぇなぁ〜。」
アナ「まずはリーフのスターティングイレブンから紹介します。」

 選手
 兼監督 柏木耕一

 GK  柏木梓
 DF  HMX13セリオ HMX12マルチ HM12マルチstd
 MF  柏木千鶴 長岡志保 保科智子(委員長) 宮内レミィ 佐藤雅史
 FW  新城沙織 柳川裕也

 控選手 柏木楓 柏木初音 月島瑠璃子 藍原瑞穂


アナ「いや〜、藤田さん。ここにきて、リーフはベストイレブンを揃えてきま
   したね〜。」
浩之「予選前にコーイチさんと大乱闘して、柳川さんが瀕死の重傷を負ったと
   きにはどーなるかと思ったけど、さすがは鬼の回復力。」
アナ「3−5−2という布陣を敷くようですが、いかがです? 藤田さん」
浩之「んあ? いーんじゃねぇの、なんでも。」
アナ「(ぐっ...このヤロー)ピッチ上では試合前のセレモニー、リーフが
   誇るアイドル、森川由綺さんによる君が代が斉唱されています。」
浩之「いい娘だよな〜。カワイイよな〜。お付き合いしたいもんだぜ。」
あかり「浩之ちゃん....(怒)」
浩之「あ、あかり! なんでココに!?」
アナ「なお、神岸あかりさんがフィジカルコーチとして、食事面から代表をサ
   ポートしています。」
あかり「浩之ちゃん、ちょっとこっち(怒)」
アナ「神岸さん、手短にお願いしますね。さぁ、胸に輝く委員長バッチ、保科
   智子さんと敵委員長によるペナントの交換も終わり、センターサークル
   上には新城と柳川。まもなくキックオフ!!」


アナ「さぁ、リーフのキックオフで始まった、世紀の一戦。前半10分を迎え
   まして、ようやく解説の藤田さんが戻ってきました。ここまでは両チー
   ムとも静かな滑り出し。解説の藤田さんはここまでで、目に付いた選手
   などは?」
浩之「あかり、愛してるよ。そうだな。リーフで言えば、千鶴さんかな。」
アナ「あ〜なるほど。柏木千鶴、中盤を縦横無尽にあたふたしてますね〜。」
浩之「あたふたしてるな。」
アナ「どう考えても、機能してないような気がするんですが、何故、代表に?」
浩之「じゃあ、あんた、千鶴さんを代表から外す度胸ある?」
アナ「.......余計な詮索はやめにして、ゲームに集中しましょう。」
浩之「賢明だな。」
アナ「おっと! 無理な突破を図ったFWの柳川、敵DFにボールを奪われて
   しまいました!」
浩之「相変わらず、自分勝手だなぁ。」
アナ「観客席で見守る貴之さんにいい所をみせようとしたんでしょうが、これ
   はいただけません。敵DF、おお〜きく前線にロングパス。これはリー
   フピンチか!? おおっとぉ! オフサイドです。DF司令塔セリオに
   よる見事なオフサイドトラップ!」

マルチ「セリオさん、凄いですぅ〜。さすがですぅ〜。」
セリオ「いえ、当然のことをしたまでです。」

アナ「リーフDF陣、通称『HMライン』、大舞台でも落ち着いていますね〜。」
浩之「マルチは落ち着いてないぞ。まぁ、セリオは人工衛星まで駆使してるか
   ら、これくらい朝飯前だろう。」
アナ「さぁ、右サイドの佐藤雅史、さすがはリーフで一番のテクニシャン。ド
   リブルで一気に駆け上がっていく。」
浩之「本職だからな。」
アナ「深々とサイドをえぐって、チラリと中を見た。おや? 誰もいません。
   リーフFW陣、誰も佐藤のドリブルに気が付いていません。」

雅史「なんで誰もいないの〜?」

浩之「ワキ役だからな。」
アナ「そうですね。可哀想に敵に囲まれてます。さぁ、敵DFまたもや前線へ
   ロングパス。しかし、これはオフサイドトラップの餌食で...って、
   DFのマルチがコケてます! 緑の芝生に、緑の髪が鮮やかにコケてま
   す。慌てる姿が妙にカワイイ。オフサイドトラップ失敗!!」
浩之「ははは、マルチらしいぜ。」
アナ「さぁ、完全にGKと一対一、キーパーの柏木梓が飛び出した! 電光石
   火の勇敢な飛び出し!! 敵FWを吹っ飛ばして、ゴールを死守!!」

マルチ「あうう〜、私がいたらないばっかりに〜。」
 梓 「いいって、いいって。あたしにまかせときな! ほらこれで鼻拭いて。」
マルチ「ずびばせん〜。チ─────ンッ!」

アナ「マルチを慰めて、のっしのっしとゴールに戻ります。いや〜、守護神・
   柏木梓。なんという存在感。見事な男っぷりですね〜。」
浩之「あんた...殺されるぞ。」
アナ「.........おっと、ここでリーフMF長岡志保のファウルです。」

志保「き───っ、なんであれがファウルなのよ。一体ドコ見てんの審判!?」

アナ「長岡志保選手、なにやら賢明に抗議してますが、判定は覆りません。
   あまりのしつこさにイエローカードです。」
浩之「いいぞ。ナイス審判!」
アナ「さぁ、キッカーはバティストゥータ。大きな助走からシュート! 
   ゴール!!  バティゴォォ──────ル!!」
浩之「まぁ、これはしょうがねぇな。作者がバティのファンだからな。」
アナ「そうなんです。すいません。ここで長い笛、前半戦の終了です」

      〜澤倉美咲演出によるハーフタイムショー〜

アナ「さぁ、リーフ。1点のビハインドを追って、後半戦へ突入です。え〜と、
   選手の交代は、おや、柳川、佐藤両選手に代えて、月島瑠璃子、藍原瑞
   穂を投入ですね。」
響子「実況のいちさ〜ん。」
アナ「あ、ベンチレポーターの相田響子さん。どうぞお願いします。」
響子「は〜い。交代を告げられた時、柳川選手と耕一監督が一触即発の危険な
   雰囲気になりましたが『いつか殺す』と言い残して、去っていきました。
   ですが、それ以外は千鶴さんがお茶をブチまける程度で大した混乱もなく、
   ロッカールームの雰囲気は、明るくて元気な様子でした。」
アナ「そうですか。それにしても柏木耕一監督と柳川選手の今後が心配されます。」
浩之「っつうか、いままでも心配だったから、全然普通だけどな。」
アナ「...さて、ゲームに眼を移しましょう。1点を追うリーフ、早い段階
   で同点にしておきたいところですね。」
浩之「そうなのか?」
アナ「そうなんです!! おっとこぼれ球が月島瑠璃子の前に、あっ、この体勢は!?」

瑠璃子「みずぴー、いくよ。」
瑞穂 「ナイスパス! 時速150、回転速度2、湿度80、気温23、
    ゴールの距離40、相対速度45、明日の天気は雨、勝負は時の運!
    さおりん、パースッ!」
沙織 「よっしゃーいくぞー! イーンフィニティ──キィ────ック!!」

アナ「ゴォ──────ル!! 同点です。FW新城の強烈なシュート!!
   監督の選手起用がズバリ当たりましたね。」
浩之「みえみえじゃねえか。」
アナ「いいんです。リーフで球技となれば、このワザを出さないわけにはいけ
   ません。みえみえでもいいんです!(川平J風に)」
浩之「川平J、分かる人絶対に少ないぞ。」
アナ「い・い・ん・で・す。さぁ、同点になって、ますますゲームが白熱して
   まいりました。一進一退の膠着状態が続きますが、リーフでは中盤での
   長岡志保の貢献が光ります。敵エースをぴったりマークして、仕事をさ
   せません。敵もイラついています。さすがはリーフが誇るエースキラー。」

志保「見たわよ〜。あの時、一緒にいた人、奥さんじゃないわよね。腰なんか
   抱いちゃって、いい雰囲気だったじゃないの。その後、ドコへ行ったの
   かしら? 興味ある出版社、多そうね。あら、拳なんか握りしめちゃっ
   てどうしたの?」

浩之「敵さんも可哀想に...。」
アナ「今後、彼の心に大きな痕を残すことにならないか、敵ながら心配です。」

智子「ほらほら! みんなも長岡さん見習うて、シャキッとせんと! どうせ
   やるんやったら、勝たんとおもろないわ。ああもぅ、千鶴さん。そんな
   とこウロウロしとらんと、ちょっと、こっち、こっち!」
千鶴「え〜、なに〜?」
智子「あのな...(ゴニョ、ゴニョ)」

アナ「中盤の底では、委員長の保科智子が疲れの見えるチームメイトに活を入
   れます。後半も残りわずか、なにやら千鶴さんにアドバイスでしょうか?」
浩之「あの千鶴さん相手に物怖じしないトコは流石だな。」
アナ「ロマーリオを叱るドゥンガみたいなものですね。アドバイスの内容が気
   になります。 ここで選手の交代ですね。沙織、瑠璃子、瑞穂選手の雫
   トリオに代えて、耕一、楓、初音選手を投入です。」
浩之「柏木家総出演だな。」
アナ「息のあったところを魅せて貰いたいですね。おや? ピッチに倒れてい
   る選手がいますね。どうやら敵のようですが、VTRを見てみましょう。
   え〜と、千鶴さんが近寄って──?」

敵 「OH〜、日本ノ女性、ベリーキュートネ〜。」
千鶴「まぁっ、お上手! えいっ!(肘打ち)」

   ごスッ!!

アナ「........(汗)」
浩之「........(汗)」
アナ「保科選手のアドバイスはコレだったようですね。」
浩之「審判の見てないところでやるとは、流石すぎるぜ、千鶴さん。」
アナ「あっと、VTRの間に耕一選手、敵DFと激しく接触!! 起き上がれ
   ません。」
浩之「おかしいな? アレぐらいでコーイチさんが倒れるはずが...?」

初音「うわあああぁぁ〜ん。耕一お兄ちゃんをいじめるなぁ〜!!」

アナ「初音選手、敵DFに駆け寄って、ポカポカ叩いています。」
浩之「けなげだなぁ。」
アナ「けなげですねぇ。おっと、審判もそんな初音ちゃんにすっかり同情!
   ここでレッドカード! 敵DF退場です。」
浩之「(狙ったな、コーイチさん...あんた鬼や、勝負の鬼や)」
アナ「さぁ、遂にロスタイムに突入。柏木家の個人能力により生み出した数的
   有利を活かせて勝負を決めたいところ。
   おおっと、オープンスペースにロングパス!走り込むのは宮内レミィ!」

レミィ「ウフフ。狩りネ。狩りの時間がツイにやって来タネ!! 石のウエに
    も三年、待てば回路の日よりありネ!!」

アナ「もの凄〜い、スピードで左サイドを駆け上がる!!」
浩之「イッてるな。」
アナ「イッてますね。これは敵DFも止められないでしょう。狩られたら大変
   です。そのままのスピードで矢のようなセンタリング! 耕一さんの
   きょ〜れつなヘッド! ああ、惜しい!? ボールは転々と──!?」
浩之「あっ!?」

楓 「........(えいっ!)」

アナ「ゴ─────ル!! 柏木楓! ちゃっかりしてます。蹴り込むだけの、
   ごっつぁんゴール!! 抱き合って喜ぶリーフイレブン。訳の分かって
   ない柏木千鶴! そして、ここでロングホイッスル!! 試合終了、
   リーフ優勝です!!」
浩之「じゃ、俺、あかりが待ってるから帰るわ。」
アナ「それでは、興奮さめやらぬ、ここフランスは隆山スタジアムからの放送
   を終了します。なを、生放送をするにあたり、電波中継に協力いただい
   た長瀬祐介さんに、この場を借りて感謝します。それでは、さようなら〜」

                               (終)