Leaf K.O.F大会第十三回 投稿者:岩下 信


         Leaf K.O.F大会第十三回『それぞれの朝PART1』

朝日に気づいて、俺は目を開けた。
「朝か………。」
狩猟者として、夜の方が体調がいいのだが、贅沢も言ってはられない。
何しろ、この大会は、合法的に『狩り』を楽しませてくれるのだから。
「くっくっくっくっくっ……。」
知らずのうちに、笑いが込み上げてくる。
そうだ、もうすぐ『狩りの時間』が始まる。
今までの試合では、色褪せた"炎"しか、見れなかった。
だが、今日は違う。
柏木の者達を倒した奴等が相手だ。
しかも、拓也の宿敵でもある、長瀬を倒した奴等だ。
人間だとしても、すばらしい"炎"を持っているに違いない。
「ふふふふ………。」
笑いが込み上げ、血が騒ぐ。
もうすぐだ。
もうすぐ、狩りの時間が訪れる……。
「柳川さん、起きましたか?」
ドアをノックする音に続いて声がする。
「月島君か…。」
「はい、そろそろ、朝食の時間なので…。」
「分かった、今行く。」
俺は、込み上げる衝動を押さえつつ、答えた。

食堂に着くと、そこにはすでに月島と、橋本が、席についていた。
「おはようございます。」
「あぁ。」
月島に挨拶を返し、席につく。
そのまま、運ばれてくる食事に手をつける。
「柳川さん。」
俺が食事を取っていると、月島が話し掛けてきた。
「何だ?」
食事の手を止め、聞き返す。
「今日の決勝の事なのですが…。」
「あぁ、何かあったのか?」
「僕に、先鋒を任せてもらえませんか?」
「………いいだろう。君はあまり、戦っていないからな…。」
「それもありますが、彼らは、僕の玩具を壊してしまったので、新しい
玩具となってもらおうと思って……。」
「…まぁいいだろう。楽しみが減るがな…。」
「すいません。」
「気にするな。」
俺は短く言うと、再び食事に取り掛かった。

…口ではそういったものの、俺の獲物が減ることを考えたら口惜しかった。
月島の"電波"は強力で、三人とも倒してしまう可能性がある。
………その時は、月島でも狩ってやろう………
俺はそんなことを考えながら、食事を続けた。

                                                  続く……

=================================
  
    お久しぶりの岩下です。
    L,K97にはまっていて、原稿あげるのが遅くなってきました。
    さて、私のほうはいつも一回、一回が長かったので、
    今回からは分けられる所は分けながらやりたいとおもいます。
    ただ、作品の性質上長い場合(試合の時、等)が出てきて
    しまう場合もありますが、その時はご了承ください、m(_)m

     では、また、次回、『それぞれの朝PART2』で
     お会いしましょう 。