leaf visual novel K.O.F大会 投稿者:岩下 信


      leaf K.O.F大会 / プロローグ  
   
  とある夏の日、俺が夏休みをだらだらと過ごしていると,一通の手紙が俺のもとへ届いた。
  ただの封筒に“藤田 浩之様”書かれているだけの物だった。
  『なんだこりゃ。』
  俺はどこかの会社のD.Mかと考えたが、封筒のどこにも会社名は入っていない。
  俺はとりあえず中を見てみる事にした。
  中にはただ一枚のワープロ打ちされた紙が入っていた。
  内容は、
  “拝啓、いかがお過ごしでしょうか?
    さて、この度はleaf visual novel シリーズにおいて
    異種格闘技戦を開催する運びとなりましたのでお知らせします。
    
    時/xx年OO月−−日
    場所/隆山温泉特設会場
   
    ルール
         ・3人組みによる団体戦
         ・リーグ戦による勝ち抜き戦
         ・武器等の使用可
                                               以上
    参加お待ち申し上げています。
                                             leaf K.O.F大会
                                               開催委員会
                                                                       ” 
  「………………。」
  あまりの馬鹿馬鹿しさに俺はあきれて手紙をぐしゃぐしゃにして、ごみ箱に捨てた。
  のんびりと過ごしているところなのに、こんな馬鹿げたイベントに参加する必要はない。
  俺はそう思い、再び寝ることにした。
  ・
  ・
  ・
  ピンポーン、ピンポーン。
  「浩之ちゃーん。」
  ピンポーン、ピンポーン。
  ………何だようるさいなぁ…。
  「浩之ちゃーん。」
  ………あの声はあかりか…まったく『ちゃん』付けはよせって
  何度も言っているのにどうしょうもない奴だ。
  俺は窓を開けると、
  「開いてっから、入ってこい。」
  と一言怒鳴った。
  ドアの『ガチャ』と開く音と『たたたたた』と階段を昇る音に続いてあかりが部屋に入ってきた。
  「おはよー浩之ちゃん。」
  「なんだよ、うるせーな…なんかあったのか?」
  『うん』といった風にあかりはうなづくと俺に一枚の紙を見せた。
  その紙はさっき俺が捨てた『leaf K.O.F』の案内だった。
  「…それがどうかしたのかよ……。」 
  俺は面度臭そうにあかりに言った。
  「あの、これに参加しない?。」
  「……お前、暑さで頭、おかしくなったんか?」
  「えっそうじゃないけど…。」
  あかりは困った様に下を向いて答えた。
  俺はあかりに近づき、ぺちっとおでこを突ついてやった。
  「あっ……。」
  避ける事もせずにあかりは俺の攻撃を受けて小さく声を上げた。
  「あのな……どうやってこの鈍さで勝とうというんだよ。第一
   これじゃ怪我するのがオチだぜ。止めとけ。」
  そう言うとあかりは泣きそうになって俺に言った。
  「でも、私もう参加する事になっちゃったんだもの…来栖川先輩が参加申し込みを済ませちゃって………。」
  「えぇぇぇぇぇーーー。」
  「それでね、私に浩之ちゃんも参加するって聞いたから、私も参加する事にしたんだもん。」
  「………。」
  俺は言葉を失った。
  まったく、あの先輩も何考えているんだか…
  俺がため息交じりにそう考えた時、電話が鳴った。
  「あかり、ちょっと待ってろよ。」
  あかりにそう言うと俺は階段を降り、電話に出た。
  「はい、もしもし………あっ先輩、えっあかりから話しは聞いたかって?
    聞いたけどさ…何考えてるんだよ。
    ……はぁ占いによると、この大会に参加した方がいいって?
    …………先輩あのさ、電話じゃうなづいても分からないって……
    で、何?メンバーは俺とあかりと先輩だって!。」
  俺はあまりの驚きに大声を出してしまった。
  「…えっ何?占いの結果そのメンバーがベストだって言うの?
   ……よろしくお願いします…っておいっ………切りやがった。」
  俺は自分の部屋に戻ると、ため息を一つ、ついた。
  「誰から?浩之ちゃん。」
  「先輩から……あかり、俺も参加するぞ。こうなってしまったからには出るしかないだろう。」
  大きなため息をついて、俺は壁にもたれかかってあかりに言った。
  まったくあの先輩にも困ったものだ…
  「それはそうと、あかり。お前勝つ気あるのか?」
  俺はあかりに聞いた。
  「うん。大丈夫だよ。私には『くま』がいるから。」
  あかりはにっこりとして答える。
  「『くま』ってあのぬいぐるみのかぁ?あれのどこが役に立つんだよ。」
  あきれてあかりに言った。
  「大丈夫。来栖川先輩が力を貸してくれたから。」
  あかりは微笑んで俺に言った。
  「……………。」
  もう、好きにしてくれ………
                                             つづく
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  次回予告
 浩之はいやいやながらもあかりと、芹香に連れられて会場へと着く、
 そこには見慣れた顔や見知らぬ顔か大勢いた。
 そして、抽選の上での第一戦、浩之達は異様な相手に驚愕する。

  次回“壊れた瞳”
       「おいおい、本気かいっ!」(浩之)
                                                  お楽しみに
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・・・ついにやってしまった。   連載、間に合うのか?・・・・・・・