「初音のないしょ!!」 音楽というのは,一つの物語を,しかし無数にはらんでいます。 喜び,哀しみ,切ない想いや燃える想い・・・。 これは,「初音のないしょ!!」トラック29の曲から構想した物です。 それでは,意志は黒の解釈をどうぞ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「初音ちゃ〜んっ!」 大きな,でもとても柔らかい声の方に,私は目を向けた。 夕日に染まったその赤い人影が誰かは,すぐに分かった。 「耕一お兄ちゃん!」 私にかけ寄ってくるお兄ちゃん。 「初音ちゃん,今日は何の日かわかる?」 少し息を切らして,お兄ちゃんは言う。 「お誕生日,おめでとう!」 そう,今日は私のお誕生日。 耕一お兄ちゃん,それを言うために迎えに来てくれたんだ・・・。 「もう用意は出来てるよ。早く行こう!」 「うんっ!」自然と笑顔になっちゃう私。 うちの玄関では,梓お姉ちゃんが待っていた。 「あ・・・。楓〜,千鶴姉〜っ! ほら,耕一も・・」 お姉ちゃん達が集まって,私の前に並んだ。 「せ〜のっ! ハッピーバースデー,初音!!!」 新しい私を祝福する4つのクラッカーが……パァン! ・ ・ ・ 「うわぁ――」 食卓は,私の好きな物と,10・・・何本かのろうそくが立ってるケーキで, とってもきれいに彩られている。 「今日は初音の為に,私が腕によりをかけて作ったんだからね。 たくさん食べて,早く初音も大きくなりな」とは梓お姉ちゃん。うぅっ・・・ 「私も手伝うって言ったのに・・・」と千鶴お姉ちゃん。 そう言えば,今日はあのリゾットは無いなぁ・・・。 みんな苦笑いを隠して,ほんのちょっとだけ沈黙。 「とにかく,初音ちゃん,おめでとう!」 耕一お兄ちゃんが切り出して,私のお誕生会が始まった。 (ごめんね千鶴お姉ちゃん・・・) お姉ちゃんたちも,耕一お兄ちゃんも,風も,月も, 私たちのまわりのみんなが微笑んでる,そんな,素敵な時間でした。 でも,なんだか眠たくなっちゃったな・・・みんな,ありがとぉ・・・ …ん〜〜〜 ・ ・ ・ !っあれっ? 私,寝ちゃったの? 眼の前には耕一お兄ちゃん。 「初音ちゃん,一緒に遊ぼうか?」 「え・・・うん!」 私は立ち上がって,とてててっとお兄ちゃんにかけ寄った。 ここから先は,私たちだけの,な・い・しょ!! −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− こんにちわ。意志は黒です。ファンタジア二つ目です。 初音のないしょのメインテーマですね。 音楽に合わせて下さると,何で初音が寝たのか,多分わかります(笑) 「寝た」と言うことより,「っあれっ?」の「っ」が分かります(謎笑) 今度こういったものを書く時は,時間と音のタイミングにこだわらないで, 思った話をそのまま書いてみたいと思います。 その前に。。。次は感想,レスなど集ですね。色々有りますし。