過去の魂(2008/2)


2008/2/29(Fri)

 そう言えばカーシャンプーを切らしていたな、と、仕事帰りに近所のイエローハットへ寄った。
 俺が常用しているカーシャンプーはこの店では常に特価品であり、三百円弱のそれを、わざわざそれを買うだけのために車を走らせるのもバカバカしい話で、何かのついでに買いに寄る、というのが日常的な慣習ではある。
 さて、目的のものを手に、まずは気になっているタイアを見に行く。が、やはり高い。ので、見なかったことにしてオーディオ関連のコーナーを冷かす。
 俺の場合、ナビは結局宝の持ち腐れになることがはっきりしているので、あまり触手が動かない。かといってデッキを買い換える予定も物欲もない。とりあえず見るだけ見る、という通過儀礼の最中に、それは発見されてしまった。
 発見、などと言う言葉の語感はなんだか安っぽいが、そもそもこの場合の発見という言葉の使い方が間違っている。だからと言って発掘、などと表現するなどもってのほかである。しかも、発見されてしまった、などと隠し事が発露したことに苦渋の思いを抱いているかのような表現はどうなのだ。俺。
 まぁ要するに、ビーエムを買った頃に、新しいデッキが欲しいなぁと物欲に塗れてカタログに見入っていてあぁこれなんか良いんじゃないかでも別に今のデッキに不満はないしなぁいやでもやっぱり、などと果てしなく逡巡していた俺がこれ、と決めていたカロッツェリアのDEH-P520というモデルが安く叩き売られていたのを見て即座に物欲は沸点に達し、手はわななき、足は震え、こみ上げる笑いを噛み殺すために口をへの字に曲げて奥歯を噛み締めた顔は赤く上気し、もつれた足で陳列棚を蹴飛ばしながらカーシャンプーをワシっとワシ掴みにしたままレジのおねぇさんに「あれをくれいますぐくれくれくれくれ」などと頭のネジが緩んだ人のように伝えた結果、購入するに至った、という訳。
 という前置きはさておき、早速取り付ける。
 以前のデッキは、ポロの純正オーディオがラジオとカセットという前時代的なものだったために、安い1DINサイズのCDレシーバー、という条件のみでテキトーに選んで付けていたものを、寿太郎にポロを売るタイミングで取り外し、やはりラジオとカセットが標準装備であったビーエムに移植したのであった。



 ところが、機能的な不満は感じなかったのだが、ビーエムのインジケータ類はアンバー基調なので、夜間はデッキだけがやたら派手に見えて大人な俺としてはいささか気後れしていたのであった。なので、イルミネーションが車内の色調に合わせて変化させられる、という謳い文句のこのデッキに一時的ではあったが魅せられていたのだ。



 箱から取り出してみる。
 1DINサイズに複数ソースとアンプを内臓したカーオーディオの祖は、忘れもしないアルパインの7155Jであるが、当時(1984年)はランボルギーニが純正採用していた、という宣伝文句を礎に、売れに売れたモデルである。その頃から国産車のオーディオ・スペースは150mm×50mmという日本ならではの省スペースサイズから国際標準であるDIN(180mm×50mm)へと移行し始め、さらに2DIN(180mm×100mm)という広大なスペースがカー・オーディオのために用意されるのが当然になっていった。
 ところが、欧州車は未だに1DINが基本である。つまり、日本に於けるカー・オーディオ市場が特殊なものであるのかも知れない、という予想が成り立つ訳で。まぁ、四の五の言ったところで俺の車にはこのサイズのデッキが収まるだけのスペースしか与えられていないことになんら変わりはない訳で。



 付いた。
 以前のデッキを取り付けたときに配線は引き出してあったので、単に外して付け替えただけである。作業時間三十分。見た目は…あまり変わらないかな。たぶん、家族は誰も気がつかないだろう。まぁ、前のデッキはリモコンが標準装備だったのでそれを後席の使わない灰皿に放り込んであって、家族が後席からそれを使って操作していたので、リモコンがないことで気付かれる恐れはある。なので、リモコンは灰皿に放り込んだままにしてあって、操作しても当然何も起こらないのだが、電池切れとかなんとかテキトーな言い訳は通る筈。いや、なんでそんなことにココロを砕くのだ、俺。
 で、夜。



 ま、こんなもんだべさ。

2008/2/27(Wed)

 俺のような人間でも、苦悩などという人並みな感情に囚われることもあって、でも、部下の子達が各自に与えられた仕事に対して真摯に取り組む姿勢を目の当たりにするにつれ、俺の苦悩なんて実はどうでもいいことかも知れないなどと思ったりして、結局どうなんだと。
 これはもうつまりは、澱のような物なのかも知れず、そしてそれは、長い間ずっと自分の感情を押し殺していたせいなのだろうと思い至った訳で。
 その澱を排泄できるのか。他人から見たらくだらないことだけれども、それが今の課題。

2008/2/23(Sat)

 ビーエムの車検は無事に終わり、思っていたよりもだいぶ安く上がった。が、それでも国産車のそれの二割増しほどだが。
 ところで、このペースでこの車を使うとなると、次回の車検までにはタイアを交換する必要に迫られそうなのだが、フロントに225/45/17、リアに245/40/17という極悪なタイアを履いているので、ちょっとこれは大変なことになりそうだ。まぁ、それがわかっていて買ったのだから、文句を言う筋合いではないが。うーむ。あ、デミオの値段聞くの忘れた。

 会社の部下が引越すというので、春一番が吹き荒れる中、手伝ってきた。
 なので、腰が痛い。そろそろ年寄りを力仕事に借り出すのはご遠慮願えないものだろうか。
 同じように引越しを手伝いに来てくれた別の部下を引越し先の八王子から池袋まで送る必要があったので、帰り道に最近開通した中央環状線へ初めて車を乗り入れたのだが、これが非常に便利であるのだ。
 今回は目的地が池袋だったので西池袋で降りたのだが、例えば柏まで行くことを考えた場合、そのまま五号線に合流し、美女木で外環道、三郷から常磐道、というルートになる訳で、絶対に間違いなく渋滞しているC1を使わなくて良いという非常に喜ばしいことになる。所要時間の短縮は精神衛生的にも好ましい訳で、かつ、中央道方面へ足も伸びようというもの。もっとも、小仏トンネル、八王子バス停という二大渋滞ポイントは相変わらずなままな訳で、それを考えるとやっぱりね。

2008/2/7(Thu)

 デミオは継続使用中。ということは、ビーエムの車検がまだ終わらないということ。週末はまた大雪だというので、引き取りのタイミングが微妙なことに。
 で。ふとこの車を見ていて、エンブレムが現在のマツダのそれでないことに気がついた。



 調べてみると、どうも初代デミオの最初期ロットのみ、このエンブレムであるということのようだ。というのも、実は初代デミオのデビューが1996年。マツダのCIが現在の形になったのが1997年6月。つまり、この車のデビュー時にはまだ現在のエンブレムが存在していなかった、というのがその理由のようである。
 ついでにこの車をもう少しよく観察してみると、グレードは最上級グレードであった「1.5 GL-X」で、オプション設定だった助手席エアバッグに電動サンルーフまで奢られている反面、リアハッチは室内からしか開かず、インテリアはあまりにもあっさりしている。このグレードのオプション無しの価格が154.4万円とのことであったから、乗り出し価格は180万円前後だったのではなかろうか。うーむ。
 さて、1996年の初年度登録、ということであるので、今年で12年落ちの車である。それなのに、オド・メータは47,000Kmほどである。キミはこの12年間どこでなにをしていたんだね、と問いたくなるような走行距離だ。ただ、凹みなどは見られないものの、外装はスクラッチが目立つ。内装も薄汚れている。でも、車としての実用機能になんら問題はないのである。サンルーフもパワーウィンドウも元気に動作するし、ロールは大きめながらサスはまだ仕事をしているようだ。アクセルペダルに対するエンジンの反応も良好で、踏みシロは多目ながらブレーキもちゃんと利く。操作系に渋い動きも見られない。
 気に入ってしまったのである。というよりも、内外装をピカピカに磨き上げてさりげなく普段の足として使ったら格好良いんじゃないかと。
 とりあえず返却時に値段を聞いてみようと思う馬鹿な自分が、ここにいるのだ。

2008/2/3(Sun)

 雪にもメゲズ、ビーエムを車検に出してきた。
 いやもう千葉ではここ近年なかったくらいの大雪で、流石にチェーンなりスノウタイアが必要かと思ったのだが、なにせ雪の日に車に乗るという意識がすっかりアンドロメダ星雲あたりに飛んでしまっていたため、何も用意がない。とはいえ自宅のあたりは雪というよりは霙といった趣であったため、とりあえず出発。が、十キロほど走ったところで大粒の雪が落ちてきた。しかし、ここまできて引き返すのも悔しい。目的地まではもう十キロもない。しかも、そこから先は割と往来の激しい道路である。だが、その見立てが甘かった。



 普段であれば確かに行き来する車の多い道路ではあるのだが、この雪で車で出かけることを、いや、出かけることすら見送った人達が殆どであったのだろう。行けども行けども車はまばらで、道路に降り積もり、氷のレールとなった轍は深くなっていく。
 信号待ちの後の発進のたびにDSCのランプが点灯し、のろのろとしか走りだせない。乱暴にアクセルを開けるとそれでもリアが滑り出す。アタリマエの話だが、ABSの効いたブレーキは、ロックは防止するものの、絶対的な制動距離は乾路のそれに遠く及ばない。もういいや、ここに車を置いて引き取りに来て貰おう、と思ったところで目的地である店の看板が目に入る。だが、ほっとしたのも束の間。店の駐車場へと至る小道は未だ除雪されておらず、そこで停止してしまったが最後、そこから抜け出すのは困難であると予測できた。
 しかし、ここで諦める訳にはいかぬ。こんなことでいちいち挫折していては、ビーエムになど乗る資格はないのだ。いけ。いくのだ飛雄馬。

 という訳で、無事に車検に出すことが出来たのだが、代車として与えられた車が初代デミオであった。帰路に於いてもやはり雪は降り続けていたのだけれど、流石に前輪駆動は悪路に強い。何事もなく自宅に辿り着いてしまった。
 さて、デミオという車には初めて乗ったのだが、なにせ十年も前の車であるからして、あちこちから盛大にガタピシ言う音が聞こえてくる。とはいえ、普通の人が普通に使う分には不便なことはなにもなく、何も考えずに「これください」と言っても全く問題のない車であることは確か。
 そもそもこういう車を欲しいと思うことがないので、こういう車に乗る機会があるのは嬉しい。というよりも、自分が毎日乗るための車選びの基準というものが解らなくなってきているので、実際に乗ってみるまでは、つまり、カタログを見ただけでは何も判断できない訳で、他の人達は一体どうしているんだろうと。
 そんなどうでも良い事を考えた一日ではあった。



2008/2/2(Sat)

 さて、近所のイエローハットに行って色々見てきた。
 やはりH7のノーマルバルブは見当たらず。ただ、特売品を発見したので即購入。五分で取り付け。まぁ、向き不向きが使用環境に依存され易い商品だけに、どれを選んでも俺に絶対的な判断が無理なのは初めからわかっていた訳で。



 で、こんな感じ。



 どうなんだろうねぇ。って、比較画像がなきゃわからんわな。
 テンションの低さが敗因だな。負けた訳ではないけど。

2008/2/1(Fri)

 週末くらいは酒と葉巻をゆっくりと、ね。


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