荒川強啓デイキャッチ
放送日:2001-08-24
筆記:いとう
今週のゲスト:電波少年のけいこ先生(唐木恵子)
イントロダクション
…けいこ先生の、坂本ちゃんの合格体験の話につづけて…
宮台先生 :えー、先生が綺麗だからなんですよ。
けいこ先生 :宮台先生、私、先生の授業受けてるんですよ。駒場でサブカルチャーの、授業を(笑)。
宮台先生 :あー、僕ね、東大で教えてたことがあるんですよ。4年間ほど、そんなバカな(笑)。
けいこ先生 :驚かせようと思って、うふふ(笑)。
強啓さん :ちょっと待って、今日は、今日はなんか、ずーっとまわり見るとほとんど東大じゃないかい。
坂本さん :そうなんですよー。今日、東大に囲まれてるんですよ、私たち。
強啓さん :宮台先生、東大でしょ。けいこ先生、東大でしょ。うちのディレクター、東大でしょ。
宮台先生 :強啓さん、年間ね、4,000人も卒業生出すんだから、犬も歩けば東大に当たるんですよ。あのね、全然、・・・違うんだから。
強啓さん :なあーに、首絞めるよ、そういうこと言うと。
坂本さん :東大出た人がいう言葉ですよねー。
強啓さん :なー。
(略)
強啓さん :だけどさ、宮台さんね。もしも僕がね、坂本ちゃんの立場だったら、ダメだったね。僕、受験勉強できなかった、けいこ先生そばにいたら。
宮台先生 :そんなことないって。
強啓さん :絶対僕はね、ときめきのほうが先になっちゃうよね(笑)。
宮台先生 :そう、それでいいんですよ。家庭教師の効果があるのはね、異性を教える場合、男の先生は女の子、女の先生が男の子を教える場合の方が成績が上がりやすい。
強啓さん :どうして、どうして。
宮台先生 :たとえば自己啓発セミナーもね、要するに2人組でいろいろエクササイズすることがあるんだけど、必ず男女のペアリングにするんですよ。
けいこ先生 :なんかわかるような気がしますね。
宮台先生 :これは要するに、まあ、性的なインセンティブとか動機付けを、いろんなことを利用するんで、たとえばね、先生がさ、ただの野郎だったらさ、腹減ろうがなんだろうがさ、いいやと思うじゃない。
強啓さん :あっ、そうだね。これ、宮台先生に教えられるんだったら、逃げるかもしれない。やだとか行言っちゃうかもしんないね(笑)。けいこ先生だったら、僕も頑張ろうと、、、
宮台先生 :だから異性が困ってると、やっぱり結構痛いじゃないですか。
けい子先生 :宮台先生の授業もすごい楽しかったですよ。もう、たくさん出てましたもん、うふふ(笑)。
坂本さん :なんか、この関係が、、、
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10位 - 中学校の教頭が学校の積立金2,000万円を着服。22票
宮台先生 :まあ、これはねー、内部告発のすすめということで僕は去年からずっと言ってましたけれども、たぶんね、昔からこういう着服行為ってあったんでしょう。でー、たとえば医療事故も含めてね、もみ消し行為ってあったんでしょう。しかし昔はね、うって一丸となって隠すっていうことが可能だったんだけども、やっぱり今はね、えー、共同性もばらけてきているんで、えー、内部告発がありうるんですよ。だからね、まあー、社会のいたるところに、えー、いろんなことやってらっしゃる方いると思うんだけれども、昔のように隠し通せると思わないで欲しいですね。
9位 - 静岡県警の警部補が副業でキャバレーを経営。外国人女性を不法に雇い、逮捕。38票
強啓さん :何かアメリカの映画のような話ですけれどもね。
宮台先生 :しかも、生活保安課っていったら担当だよね、これはね(笑)。大笑いですね。昔ね、教員がデートクラブ経営しているっていう事件がありましたけどね、まー、要は教員だろうが、警察だろうが、まあ、肩書きとか、ま、役職だけでもう信用することができない社会になっているということなんですよね。
強啓さん :警察、警察庁ではですね、国民の安全と安心を確保するためには全国規模で警察官5,000人の増員を発表いたしまして、今後3年以内に1万人の大量増員を考えるという、、、
宮台先生 :ところが、そのー、警察庁の中のね、人員配分が、そのー、要するに刑事犯罪の捜査ではなくてね、その公安にあまりにも大きく配分されているっていう問題もあって、実はね、そのへんの、その警察の人員配分の、ある種の意図や目的もですね、ちょっとわかりにくいところがあるぞっていうことを申し上げておきたいですね。
8位 - 1等賞金232億円。アメリカの宝くじに一獲千金を狙う国民が大騒ぎ。39票
…けいこ先生の、宝くじを買ったことが無いけれども興味はある、という話に対して…
坂本さん :確率計算とかしちゃうと当たんないかなっていう気持ちになっちゃう。
けいこ先生 :いやー(笑)、そこまではしないですけど、、、
宮台先生 :いやそりゃね、計算すりゃ当たらないんだけども、、、
坂本さん、けいこ先生 :はっはっはっ(笑)。
宮台先生 :あのね、ただ、これは宝くじの楽しみは買うでしょ、で、万が一、事故に遭うように当たってしまったらどうしようって考える、、、だれにどうしよう、、、から、当たらなくてもいいっすよ。
けいこ先生 :宮台先生は買ったことある、、、
宮台先生 :ありますよ。
けいこ先生 :ほんとですか。
宮台先生 :もう大変でしたよ。いろいろ考えて、本当に。
けいこ先生 :はははっ(笑)。
坂本さん :えっ、たとえば、LOTO6で4億当たったらどうすんですか。
宮台先生 :あのー、僕はね、あのー、離島に御殿を立てて、
けいこ先生 :あっはっは。ちゃんと考えてるー(笑)。
宮台先生 :そこに隠居します、はい。
強啓さん :隠居しちゃうの。
宮台先生 :隠居します。
強啓さん :その若さで?
宮台先生 :そうですよー。
強啓さん :あらまー。
けいこ先生 :お仕事しないで何を?
宮台先生 :お仕事はね、好きなのだけやる。
けいこ先生 :あー、好きなのだけ。
強啓さん :いいねー、それね(笑)。
…けいこ先生の、もし大金が舞い込んできたらどうしようか考えたことがない、という話につづけて…
宮台先生 :僕やりたいな。お船を買うんです。大きなお船を買って、でー、1等の船舶免許を取って、船上に住むんですね。しかし、貧乏人としてじゃなくて大金持ちとして船上生活者になって、世界をまたにかける、、、
強啓さん :はい、、、はい。
けいこ先生 :はははは(笑)。
坂本さん :いなされてます(笑)。
7位 - 福島県のいわき市で18歳の家出少年を強盗殺人で逮捕。39票
宮台先生 :まあ、短絡っていうかね、優先順位がおかしいじゃないかってね、金盗むぐらいだったら、そこまでやる必要ないじゃないか、捕まった時のリスク大変じゃないかって思うかもしれないけど、やっぱりこの背景にはねー、あのー、けんかをしなくなったことが非常に大きいと思うんですよ。つまり、あの、暴力に対する免疫が無いので、たとえばこういう犯罪を犯すときもですね、異常な興奮状態になっちゃって、前後の見境がなくなり、その結果、冷静な計算ができないんですよ。つまり、利害損得の計算ができなくなってるわけ。僕はその、けんかっていうのは、もちろんけんかする自身は悪いこととも言えますけれども、けんかを通じてね、その、暴力をめぐる因果性、因果関係がどういうふうなことになっているのかっていうことについては、ある程度知っておくこともいいことなんですよね。でー、強啓さんなんて、昔けんかしまくってたでしょ。僕らの頃も、あのー、取っ組み合いってのは日常茶飯でしたよね。しかし、あのね、おもしろいでしょ。取っ組み合いのけんかも慣れてくると、まあ、ある種の興奮はするんだけど、あのー、だんだん慣れてくるとすごいけんかをしててもどっか冷めてるんですよね。どこでけりをつけようかって、落としどころを考えながらけんかするとかね、、、
…強啓さんの、若い頃にお金が欲しかったときはよりましな方法を考えた、というコメントにつづけて…
宮台 :あ、そりゃそうだね。だからー、やっぱり社会関係に対する、ある種の知識とか知恵もないんだね。
(略)
宮台 :だから広く言えばね、暴力の問題も関係の問題もやっぱ経験なんですよね。経験を通じて、その世界や社会がどうなってるのかっていうことをちゃんと学んでいないと、いろんな短絡や優先順位の混乱が起きると。
6位 - 黒磯市の女子児童連れ去り事件。藤田容疑者らは数日前から連れ去りを計画。48票
宮台先生 :まあね、あのー、誘拐っていうのはひっじょーに、あのー、刑期重いんですよ。でー、たぶんね、そういうことに関する計算もちゃんとできていないなっていう気がしますよね。あとねー、僕はそのー、ま、ここでも繰り返し言っていますけども、その刑事犯罪のね、その検挙率が下がるということは、それ自体がですね、実は犯罪を誘発する可能性が非常に高いので、あのー、検挙率っていうのは非常に重要なんです。たとでばですねー、日本は安全な国だっていうイメージがあるとなにかやっても捕まるだろうという非常に大きな抑止力になるんですよね。どうもそのへんね、たかが外れてきてる感じが僕は最近いたしますね。
強啓さん :今年上半期の刑法犯の検挙率が19% と過去最低ですからね。
宮台先生 :アメリカの3分の1ぐらいですね。犯罪の発生率から考えると日本はアメリカよりもずっと少ないんだけれども、ずっと少ないにもかかわらずその犯罪を検挙できないんですよ。これは日本の今の、つまりね、警察はしかし、すごく地道にね、証拠物件ないし、目撃情報から足取りをさぐってね、こうたどって、捕まえようと昔ながらの手法でやってる。でもここで繰り返し言ってるように、昔ながらの手法ではやっぱり捕まえられなくなったので、やっぱ新しいタイプの犯罪捜査手法を導入していただくしかないということですね。
5位 - 大阪池田小児童殺傷事件。校長が保護者に謝罪。54票
宮台先生 :まあ、日本の場合ね、心の問題についてのカテゴリー、ずいぶん混乱していますよね。たとえばですね、分裂症と分裂性人格障害って2つのカテゴリーがありますね。分裂症というふうに鑑定医が診断すると責任能力ない、、、憲法39条でね。しかし、あの、分裂性人格障害であれば、その、人格障害というのは正常ということですから、正常だけどもちょっと変というぐらいですから、これは、えー、罰することが出来るんですね。で、それで、世論も見ながらですね、鑑定医が、あるいは裁判官がですね、分裂症にしようか、分裂性人格障害にしようかなんて、考えてしまうぐらい、実はカテゴリーの当てはめが便宜的になっちゃってる。でもね、そういう難しい問題なんだっていうことをまあ、お分かりいただきたいなというふうにちょっと思いますね。
4位 - えーっ、学校の先生が予備校通い。57票
…けいこ先生の、日本では高校の勉強は大学に入るためだけのものになっているんじゃないか、というコメントにつづけて…
宮台先生 :たまたまね、僕、昨日教育テレビでね、あのー、僕が要するにMCをやったある番組を再放送してました。日本でもですね、やはり、えー、まあ、動機づけ教育ですよね。大学入るためじゃなくって、その将来何やりたいのか、そのためにどこの大学に入るのか、そのために何をするのかというふうに、えー、遠い将来のことを考えながら、動機を探索するってなことをやると、実は期せずして進学実績上がっちゃったりするんですよ。3倍、5倍上がったりすることがある。
けいこ先生 :で、やる気があがりますよね。
宮台先生 :そうですよね。これね、僕、このー措置、東京都教育委員会間違っていると思いますよ。これ、ここでも言ったことあるけれども、予備校っていうのはね、もう大学に入る、まあ、その動機がいいかどうかは別として、大学に入るという動機づけを持った人間が予備校を選んで行ってるわけですよ。いやになったらやめられるわけですね。だから動機づけのあるやつを前提にして教えてるわけ。だからある教員は一緒に受講した受験生の集中力に驚いたって当たり前だよ。金払って来たくて来てるんだから。日本の高校も同じようにすればいいの。来たくないやつは、全部来ないようにさせちゃえばいいんですよ。来たいやつだけを来るようにさせればいいんです。簡単な話。
強啓さん :いや、ですから、そういうふうに東京都の教育委員会も、まあ、都知事の意向も含めて学制を全部やめちゃって、えーもー、そういう学校に都立も行っちゃおうよと、方向転換したわけでしょ。
宮台先生 :だから、いや、あのね、要するに、教え方の問題っていうふうに考えちゃうとだめでね、やる気のあるやつだけ、生徒が来ていれば教え方がまずい先生は当然糾弾されちゃうわけ。えー、だからね、要するに、その教わる側の動機づけをいじるっていうシステムを作らないと、これ、教え方の問題だなんて考えてる限り、もうダメです、えー。
3位 - イチロー首位打者に返り咲き。67票
宮台先生 :かっこいいっすよね。武士っぽいっすよね。うーん、やることやってるから、でも、かっこいいんですよ。何もやらないやつが黙ってたらただの人ですから(笑)。
2位 -真紀子さん早くも新しい事務次官と対立。問題はひげが嫌いな局長の栄転。79票
宮台先生 :あのー、僕がねー、その周辺情報をいろいろ聞いた話だと、もう時間の問題で、その、加藤紘一さんにバトンタッチさせるシナリオが出来ているという噂がございますね。
強啓さん :外務大臣、、
宮台先生 :そうですね。
強啓さん :あの、加藤紘一さん、、
宮台先生 :そうそうそう、うーん。
強啓さん :へー、、どこ情報ですか、それは。
宮台先生 :いろんな情報の筋、、、
強啓さん :宮台くんは(笑)、いろんなところから情報を持ってるんですなー。
宮台先生 :えー、ただね、国民的な人気がある段階でー、首をすげ替えちゃうとー、これは小泉政権にとってダメージになるのでー、こっから先はおそらく小泉さん周辺のいろんな情報操作を行うんですよねー。
強啓さん、坂本さん、けいこ先生 :へー。
宮台先生 :そういうもんなんです。
1位 - 経済の危機に何もしないわけにはいかない。民主党が臨時国会の早期召集を要求。94票
宮台先生 :うーん、だから、会期が短いとね、いわゆる、あのー、法案通過国会といって、まあ強行採決でがんがんがんがん法案を通すというタイプの国会によくなるんですね。そういう意図でなければいいというふうにちょっと危惧いたしますけどね、うん。
デイキャッチ・テレフォン - テーマ「私は塾の先生にこぉんなにお世話になりました。」
…強啓さんの、けいこ先生の人気がすごいことになっている、というけいこ先生の紹介につづけて…
宮台先生 :僕がけい子先生の先生だったんですよ、みなさん。
けいこ先生 :あはは(笑)。そこで強調しておいて。
宮台先生 :それを憶えておいてください。
坂本さん :けいこ先生の先生として。
宮台先生 :はい。
坂本さん :また違うかたちで。
宮台先生 :はい。
…独学について…
宮台先生 :統計的にいうとね、2浪目からはね、むしろ、1浪目までは成績上がるんだけど、2浪目からはね、成績が極度に下がっちゃう。だから1人でね、目標を持ちつづけて頑張るというのは実はほんとは難しいです。
…受験のとらえ方について…
宮台先生 :いや、だからね、だからゲームだと思ってやったほうがいい。その、ゲームのプレーヤーとしての能力を上げるの。だから、これは事務処理能力とかね、集中力の非常にいい訓練になるわけですよ。だからそこで使った知識が使えるかどうかっていうふうに考えないほうがいいですね。
…ノートのとり方について…
宮台先生 :そりゃ、重要ですよ。僕はキーワードしか抜かないですね。っていうのはね、全部書いちゃうとだめなんですよ。キーワードだけ、抜いて、書いて、であとで自分でイメージトレーニングみたいにして、キーワードで文章を構成するっていうことを繰り返しやるんですよね。
(略)
宮台先生 :教育段階によると思うんです。ある程度ね、知識のある人、やっぱイメージトレーニングをやっぱやったほうがいいと思う。でー、数学もね、単に問題をたくさん解くっていうんじゃなくってねー、その、解き方のパターンを暗記しちゃったらですね、問題を見たら、うん、この問題は、あーやって、あーやって、解いたっていうふうに5 秒間ぐらいで、、、で次から次へと、そのー、頭に、この軌跡をやきつけていくんです、うん。
(略)
宮台先生 :いや、あのね、方法なんですよ。本当に良く言うけども、頭のよさじゃなくて正しい方法でやれば、たいてい大学に入れます。
けいこ先生 :私なんてF判定だったんですから。絶対無理だって学校の先生にも言われてたんですから。
強啓さん :あのー、集中力と、効率と、やる気、この3つはでも、これキーワードとして重いね。頭いいの良し悪しじゃないんだから、やる気ってのはこれは大きいな。うーん。そのやる気を起こさしてやる環境作りもまた大切ですね。
けいこ先生 :そうですね、それは私もすごい感じました。坂本ちゃんと。
宮台先生 :人生ですね(笑)。