ベネチアにて3

by  Kazuhiro SHIMOURA

Sep. 9, 2000

 

今日は、ベネチア帝国の跡をたどろうとサンマルコ広場まで行く。広場は海に面しており、ローマの遺跡を思い起こさせる。すなわち、ベネチアの船団はこの場所で神に誓いをたてて送り出され、成功すればここで市民の祝福を受けたのである。

 

当時としては世界に旅立つ船団は宇宙飛行士のような英雄であっただろう。失敗すれば、ため息橋を通って監獄いきである。ベネチアはドージェとよばれる大統領制を採用していた。広大な宮殿を巡ったが、ゴルフのハーフ程度は歩いたと思う。

 

宮殿はホワイトハウスに議会、裁判所を合体したような機能を持っていた。さらに国防省も併設していたようである。当時の航海技術の進歩と優れた統治機構がベネチアに繁栄をもたらせた。ニューエコノミーであった。マルコポーロもここから東方に旅だったのである。

 

ゴンドラはパケット通信を思い起こさせる。水路は光ファイバーのようである。ベネチアは来世紀には沈むらしい。水上バスから見ていると、今にも屋敷に水が浸入しそうであった。運河を通るには1番のバスに乗る必要がある。6000リラ。300円余り。

 

イタリアには青年親衛隊タイプがいないのは幸いである。釣り銭をごまかすタイプは多いが。