ピサにて2

by  Kazuhiro SHIMOURA

Sep. 11, 2000

 

ピサのカテドラルは入り口が祭壇のすぐ横になっている。塔があって本堂があって、礼拝堂があって、その横に博物館が付属するのは、日本の寺院にも似ているかもしれない。大理石創りですっきりした感じ。本来の入り口はカーテンをつるして空気の取り入れ口とし、壁面には鮮やかな絵画を展示している。

 

天井から吊されたガリレオの振り子は16メートルばかり。彼が脈で周期を計測したと言われるものである。周期は8秒程度と思われるが針金で留めてあった。メッカのカーバ神殿のごとく斜塔の周りを回りたかったのであるが、現在は傾斜防止の工事中で、太いロープで斜塔を支えている状況であった。

 

斜塔は8層構造になっており、それぞれ5メートル程度となっている。落下時間は3秒程度と推定される。各層が目盛りとなり、落下実験には適しているかも知れない。帰路、ピサ大学に立ち寄る。中庭には幾つかのプレートがあり、奥に原子炉を発明したエンリコ・フェルミのものもあった。

 

14時39分の列車でローマに向かう。ナポリに帰る大学生と同室。彼は新しく手に入れたパナソニックの携帯電話を見せてくれた。海沿いを走る。火力発電所が2カ所ほど目に入る。18時過ぎローマ着。イタリアの列車は言われているより時間に正確で快適である。