ミュンヘンにて2

by  Kazuhiro SHIMOURA

Sep. 5, 2000

 

ホテルダニエルには、他に数人の日本人、ドイツ語の間では、東京弁のイントネーションが田舎っぽくきこえるのは仕方のないところ。

 

会議では40歳前後で、1980年代から光通信に取り組んできた人々(光通信世代)が主役。その間、光通信の進歩は素晴らしいものであったため、「思えば遠くへきたものだ」、「我が人生に悔いはない」、と石原裕次郎のような心境を語るひとが多い。

 

海外旅行の良い点の一つは、生きるために頭を使う必要があり、生存本能が活性化される点である。この状態でこそ、新たな文化や考え方を理解することができるのだ。

 

ドイツの女性達は積極的で魅力的な人が多い。スタイルも良い。特に中年以降のおばさん達もおしゃれでテレビなどでも活躍している。最近の日本のように髪を変に染めたりするのは不自然で、魅力が損なわれるように思うのであるが?

 

ドイツのテレビ番組ではクイズ番組が人気である。アニメも多い。概して真面目なのが多い。大人向けの番組も大胆に人生の楽しみをうたったのが多い。映像的にも優れていると思う。

 

5日にはドイツミュージアムで歓迎レセプションが開催された。ここは自然科学、工学系の博物館で実物大の船や戦闘機、グライダーなどが展示されている。会議終了後、7時半から9時半までここを借り切って、ジェットエンジンの変遷などを眺めながら立食パーティーという趣向であった。

 

高度成長の反動が出ているのかも知れないが、今日の日本ほど科学技術が軽視されている国は無いのではないか?現在の繁栄をもたらしたのは科学技術であったにもかかわらず、である。工学部と理学部を統合し、科学史、文化史などと合わせて教育すべきであろう。要するに人類文明の変遷を教養として理解しておくべきであり、ドイツ博物館の目的もそこにある。

 

路面電車でホテルに戻る。切符のチェックもなく文字通り市民の足となっている。町並みにも調和して快適で便利である。