9/30(Sun) アムステルダム(ECOC2001参加)

(AM) Registration     (PM) Workshop (Metro & Access Network)

Nicolaas Witsen( tel. 001-31-20-623-6143, fax. -20-620-5113 )

 

部屋はホテル2階の15号室。朝、いつものように風呂にはいる。7時ではまだ暗く人の気配がしない。朝食は7時半から。すべてが合理的で過不足ない内容。その後テレビなど見て過ごす。9時にベルリンマラソンがスタート。高橋尚子が走る。ドイツ語のアナウンサーがナオコ・タカハシ、ヤパーニッシュと連呼している。天候は小雨。ドイツ人男性のエスコートをうけ世界記録を目指す。

 

 2時間後には赤いシャツを着たペースメーカーは脱落、独走となる。晩秋の並木道を走る。彼女は落ち着いている。彼女は自分のためでなく、人類の可能性のために走っているのである。自らの義務を果たそうとしているのである。レースは終盤に入る。

 

 男子はケニアの選手が2時間8分47秒で入る。1から3位までケニア。飛び跳ねるように走りきる。4位に日本人選手が入る。歓声のなか、2時間19分44秒。タカハシが世界記録でゴールする。彼女はやり遂げた。窓から光が射してくる。

 

 トラム4番でRAI Congress centerに行く。会場でECOCのRegistrationを済ます。持ち手がピンク色のチューリップになった傘をもらう。会場にはインターネットの端末が10台ばかり。府立大の勝山先生の姿も見える。Asahi.comで高橋の活躍を確認する。三菱電機の安井氏にも挨拶するが、長谷川先生は来られてないもよう。

 

 昼からPMDのワークショップを聴講する。PMDとモードカップリングによりファイバがマルチモードとなりパルスが拡がる、というジュネーブ大学のNicolas Gisin先生の説明は解りやすかった。PMDの補償はアクティブでなければ、というのもランダムプロセスによるエントロピー増大に抗するには当然だ。マックスウェルの悪魔の実現である。 

 

結局、人は対話の中から学ぶのである。対話をビデオ化すべきなのである。ヨーロッパではITバブルが適度に弾け、研究者の世代交代もすすみ、欧州統合の流れもあり、良い雰囲気となってきた。会議が研究者のもとに帰り、新しいアイデアや情熱が生まれ共有される。ここAmsterdamはその中心地なのである。

 

 ワークショップ終了後、住友電工の田中所長、平野氏に夕食に誘われ、昨日の日本レストランに案内する。江戸の地図が張ってある。運河の様子がアムステルダムに似ている。江戸もまた海を干拓して作った町であったのだ。江戸幕府とオランダ政府を結びつけた一因かも知れない。スキヤキ定食を食べる。

 

今日から10月である。7時になっても暗い。早朝の窓の外はオレンジ色のナトリウムランプに照らされ初冬の雰囲気である。(2001/10/01)