1996年2月
厳冬の北海道ドライブ 独り旅

注意!!

危険なので、決して真似しないで下さい。
これの真似をして、アイスバーンでの追突事故・車中泊による凍死など、
あらゆる事故についての一切の責任を筆者は負いかねます。
筆者は、危険に身をさらす為に雪中ドライブをしたわけでは決してありません。




――――――――――― 1/31(水) 晴れ ―――――――――――
 浜松IC 16:55
 厳冬の北海道へ!ギャランVR−4、おまえだけが頼りだ。
寒冷地仕様への変更も完璧。
 ●−35[℃]対応まで濃度調整をしたラジエータ液
 ●エンジンオイルは勿論5W−50(スーパーワイドレンジ)
 ●ワイパーも降雪専用
宿もフェリーも予約はしていない。気ままな旅。だが気を抜けない。予報によると北海道は大雪。
 「旅の終わりを求めて、旅人はまた新たな旅に出かける・・・」
 東名高速道路は吉田辺りで事故渋滞。東名はいつもどこかで事故が起きている。やがて首都高速道路へ。珍しく渋滞なし。クルーズコンピュータを80km/hにセット。月明かりが車内を軽く照らし出す。旅立ちの日には最高のムードだ。
 埼玉浦和料金所を過ぎ、蓮田SA着20:54。明日からの長距離に備えて今夜は早く寝よう。
助手席にベッドメイキング。
 (1)背もたれを倒し、可能な限りフルフラットにする。
 (2)次に足下や腰の部分に毛布などを詰めて凹みを少なくする。
 (3)最後に厚めの毛布を全体にかぶせて、下地の出来上がり。
もちろん、体の上にはおる毛布と羽毛布団は別に用意してある。そしていざと言うときの為の防寒寝袋。何と言っても真冬の北海道。防寒対策は万全だ!そして長距離を走り続けるために日々の疲れを残さないように睡眠をたっぷり取る。このベッドなら足を目一杯伸ばせて、しかも体もほぼ真横になるので疲れを取るに十分だ。
 明日は雪の東北自動車道路を北上する!
21:33 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
浜松IC 16:557345717:02
東京料金所19:5673682  −  
蒲田   20:0173690  −  
浦和料金所20:4273741  −  
蓮田SA 20:5473755  −  




―――――――― 2/1(木) 晴れ 気温−6[℃] ―――――――
 5:02起床
 蓮田SAを出発。まだ暗い東北自動車道を北上する。クルーズコントロールを110km/hにセット。川口から130kmの地点で降雪路面が現れる。ついに来たか!
 青森まで約600km、雪の高速を走るのか。
しかし、それを望んで来たからには・・・
 川口から170km、「これより‘みちのく’」の表示。降雪のためクルーズコントロールを90km/hまで落とす。天気もよく殆どの雪は融けて路面も乾きさえ見せている。このペースなら午後には青森に着けるか。だが岩手やその先は大雪との情報も。
 しかし、トラックのスピードが凄い!雪が積もっていても100km/h以上は出ている。命知らずか?
 川口から340km、ここが東北道の中間点。やっと半分?まだまだ走らなければ。
 津軽から石黒
この辺りは、猛吹雪きのため殆ど視界もなく、走行も50km/hになる。横から来る地吹雪き。前を走る車のテールランプしか見えない!!
 やがて青森IC着14:44、680km走破!
 さて、問題のフェリーは乗れるか?不安を抱きつつ青森フェリー埠頭へ。しかし・・・!駐車場はガラガラ。なんだ?冬なんて、こんなものか?フェリー乗船手続き開始16:30、出発17:00である。フェリー埠頭の食堂で夕食。雲が切れ陽が射す。
 16:20、雪が降り出す。
 17:00出港。18:30に凄い強風と吹雪の音!甲板に出たいが、そんなこと出来そうもない程の揺れ!
 20:48函館着、いよいよ下船。前方の閉じられたタラップが開く。同時にフロントガラスの融けた水滴が一瞬のうちに凍りつく!これほどとは!外気温は一気に氷点下9度まで下がる。今夜は函館フェリー埠頭で眠る。
21:25 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
蓮田SA      −        5:31
安積PA     7:2273944 7:28
菅生PA     8:5274059 8:57
紫波SA    10:517423111:01
石黒IC    13:3074398  −  
浪岡IC    14:3274423  −  
青森IC    14:4474434  −  
青森フェリー埠頭15:047444517:00
函館フェリー埠頭20:4874445  −  




――――― 2/2(金) 晴れ時々吹雪き 気温−13[℃] ――――
 5:09起床
 フェリー埠頭は粉雪。
 さて、ついにSNOWLANDへの旅が始まる!まだ薄暗い国道を北へ走る。薄明かりの中、何故か眩しい。何故だろう?
 大沼国定公園へちょっと寄り道。
雪の林の中を走る。ふと外気温度を見ると−24[℃]! 据えつけの水銀温度計の方も−23[℃]。間違いない。
 外へ出てみる。髪が凍る。息を吸うと肺が痛い。
 さて小樽へ向けて国道を走る!。
 12:05小樽着。
夏に来た時とはまるで違う。やはり美しい街。昼食を摂り、しばらくぶらぶらする。
 この後は浜益温泉を目指す。途中、猛吹雪きを何度も浴び、目の前が真っ白になりながらそれでも走る。とにかく今はそれしかない。日本海側から直に吹き付ける寒風!除雪が間に合わず新雪の積もる道をスリップを繰り返しながら走り続ける。止まれない!止まったら雪に埋もれてもう発進出来ないだろう。
ギアを2速に入れたままでもう40km近い距離を走っている。水温計が上がっている。まずい!オーバーヒート?ラジエーターに降り積もった雪が逆に保温作用を起こし、エンジントラブルを起こす。完全凍結で有名なWRCモンテカルロラリーで有名な現象だ。まったく、外は氷点下10度だってのに!止まってエンジンを冷やさないと、あでも止まれない!!今、停まったら100%スタックする!! うおぉーどうすりゃいいんだぁー!!
 やがて温泉!やっと着いた。温泉の駐車場は除雪してあった。水温計が下がる。よかった。温泉でくつろぐ。まさにオアシスだ。
 湯船の側の凍り付いた窓ガラスの外は相変わらず猛吹雪き。
 風呂上り。温泉の駐車場で寝る。
20:32 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
函館フェリー埠頭  −  74445 6:20
小樽      11:457467411:49
小樽市街    12:057469013:15
浜益温泉    15:5074791  −  




―――――― 2/3(土) 雪 風強し 気温−9[℃] ――――――
 4:02起床
 朝起きたらビックリ!車が半分近く雪に埋まってる!
やばい! そうか、一般道は夜間も常に除雪するが、ここは単なる温泉の駐車場。ドアを開ける。開かない! 雪を蹴り出す!なんとか外へ出たものの、これじゃVR−4は動けない。だか除雪をしている道までは約10メートル。よし、なんとか雪をかき分けて道を作るか!
 約20分の後、VR−4は雪の棺桶から抜け出した。ひゃーあせった!!
 さて、今日は最北端へ。とにかく吹雪き! 地吹雪! それしかないのか? 日本海側に面した国道を北上。
 途中、天塩でGAS補給。
 スタンドのお兄さん「どちらまで行かれるんですか?」
       りっつ「あの・・・宗谷岬まで」
      お兄さん「! 視界悪いですから、どうぞお気を付けて」
 サロベツ原野を走る。やっぱり、一度冬に来てみたかった。
 日本最大の雪野原!凄い!
 そして宗谷岬着11:17。
 この真冬に観光に来る人などいない。やはり最北端食堂でいくら丼を食べ、ここを後にする。
 南下し、14:05クッチャロ湖着。
湖と言っても単なる雪原である。しかし、それを分かっていて来たんだから、まあいっか。
 更に南下。サロマ湖着17:17。近所にある宿泊施設で入浴。そしてゆっくり・・・
20:35 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
浜益温泉    −  74791 4:28
天塩     8:5474983 9:02
宗谷岬   11:177509612:15
クッチャロ湖14:057517214:16
サロマ湖  17:1775401  −  




―――――――― 2/4(日) 晴れ 気温−6[℃] ―――――――
 5:18起床
 サロマ湖が青い。青く白く、暗い。
 北西側から先の切れ目まで歩いてみる。
誰も居ない。ただ1人。
アザラシ・海鳥・キタキツネ、北の野生動物が、僕の気配を感じて身を隠す。
サロマ湖を後にする。
 摩周湖へ。
 そして屈斜路湖、阿寒湖・・・ビバークは屈斜路湖の公共駐車場にて。
白鳥の鳴き声が「北」の気分を盛り上げてくれる。
さぁ、今夜は北海道に来てはじめての体験「エンジンを停めて防寒具だけで寝る」夜だ。
(真似しないで!! 死んでも責任持てません!!)
21:20 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
サロマ湖  −  75401 7:32
摩周湖 11:287558111:59
屈斜路湖17:3175741  −  




―――――――― 2/5(月) 晴れ 気温−16[℃] ―――――――
う〜、寒い〜、う〜、う・・・あ、そうか、昨夜はエンジン停めて寝たんだっけ、うー、ダ、ダメだこりゃ耐えられない、ちょっと、コンロ、コンロに火を入れよう、ガスボンベ・・・あ、あれ、中の液体が凍ってる! ダメだ、これじゃ火がつかない、う? あー、枕元に置いてあったウーロン茶のペットボトルが凍ってる!! ってことは、今、車内は氷点下ってこと? ヤ、ヤバイ、早く暖を・・・あ、なんだ? 手に力が入らないぞ(手が凍っていたのだった)・・・どうしたんだ、と、とにかライターを。「シュボッ!!」・・・あ、暖かい、手、手が復活してきた。し、室内温度は? マイナス8度!? ゲー!! よし、次は、体を使ってガスボンベを暖める・・・ううう、冷たい、まるで氷を抱いているようだ・・・でも微かにボンベが温かくなって来ている、もうちょいだ。お、内部が液体になってきた、これなら火がつくか? 「ボッ!」やった、微妙であるが火がついた。火がつくと、車内の温度がどんどん上がってくる、それにつれて、ボンベ内の燃料も融けて更に火が大きくなる・・・ああ、火って暖かい、暖かいってありがたい・・・
 6:40起床
 昨夜の、凍死寸前の状態が嘘のように、穏やかな朝(^^;)。
 白鳥達に朝のあいさつ。温泉の流れ込んでいる所へ集まって来ているのか。
 さて、南下する。
 昼頃に釧路着。
 釧路駅前の「和商市場」にてカニを探す。まぐろ・いくらの「北海丼」。
 この後は富良野へ向けて走る。
 夕方十勝岳のとなりの白金温泉にて入浴。鉄の匂いがする。でもどうせなら、十勝岳の吹上温泉につかりたい。暗い雪山道を登る。除雪をしていない。吹雪が強くなってきた。う、ヤバイかな。引き返した方がいいかな。ヤバイ、ヤバイ、止めよう!!下界に下りてくる。
 そして富良野の市街のパーキングにて眠る。
20:00 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
屈斜路湖     −  75741 8:47
釧路港和商市場11:367585512:25
池田IC   14:4375967  −  
十勝清水IC 15:2576018  −  
白金温泉   18:157614918:45
富良野    19:4476181  −  




―――――――― 2/6(火) 雪 気温−9[℃] ――――――――
 4:29起床
 朝、富良野駅にて写真を撮る。雪が強い。
 「北時計」で紅茶を一杯。
 「北の国から」のBGMが流れる麓郷に寄り、そして日高を目指して更に南下。
 途中の平取温泉で休憩。「木彫りの店」が目にとまる。コロポックルを買う。そこに居た女の子、どうもアイヌの末えいだろうか?顔が野性的である。が、とても愛らしくかわいい。だが、カメラを向けると、誰も彼もが後ろを向いてしまう。なんか、いけないことをしてしまった気分。別にアイヌだから撮りたかった訳ではない。木彫りの店と素朴な笑顔。それがピッタリで、つい想い出が欲しくなってしまったんだ。
 夕方に日高を通りがかるが、馬の放牧が見られない。天候のせいか?明日にかけよう。
 静内町の共同駐車場にて寝る。
19:47 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
富良野市街  −  76181 4:46
富良野駅  6:0776234 6:47
北時計  10:157625111:03
麓郷の森 11:507627912:11
平取温泉 15:227636116:03
静内   18:3676472  −  




―――――――― 2/7(水) 曇り 気温−6[℃] ―――――――
 7:10起床
 朝目覚めると、車はVR−4のみになっている。
 さて日高地方はサラブレッドの産地。馬が干し草をはむ風景が見れた。
 昼頃、支笏湖の道道でスタック!だめだ!抜け出せない。そこへ除雪車が通りかかる。
 おやじ「こりゃ、引っぱらないとだめだな」
 りっつ「お、お願いできますか!?」
 おやじ「ありゃ?浜松ナンバー?懐かしいなぁおぃ」
 ワイヤーを掛けて引いてくれた。脱出成功!ありがとう! おやじ「わし、昔な浜松に住んでたんよ」ラッキー。その後、温泉でゆったり。露天風呂、サウナ、最高ぢゃ。
 札幌へ向かう途中、seicoマート(コンビニ)が雪の重みで潰れているのを目撃!恐ろしや。
 夕方、札幌大通公園着。雪祭りだ。
 やはり自分の目で見るのもいいもんだ。
 今夜は道央自動車道の輪厚(わっつ)PAで寝る。
20:14 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
静内      −  76472 7:35
支笏湖温泉 12:207664913:46
札幌大通公園16:187669518:37
北郷IC  19:0276704  −  
輪厚IC  19:2176719  −  




―――――――― 2/8(木) 曇り 気温−6[℃] ―――――――
 6:21起床
 道央自動車道のPAで目覚め。
 んーよく寝た。この北の大地との別れが近づいている予感がする。道央道を南西へ向かう。終点洞爺(とうや)湖着。
 昭和新山は出来立て火山だ。ロープウェイで有珠山山頂まで。ロープウェイの客は自分一人。ガイドのおねえさんと二人きりになった。しかし彼女は、サングラスにヒゲ面の男の自分に緊張気味(そりゃそうだな)。それでも笑顔で観光の説明をしてくれる。
 さて函館へ。
 その前にトラピスト修道院へ。厳格な雰囲気。
内部説明のための写真は白魔術師の様な世界。しかし、瞑想中のそれは、まるで仏教の修行服(何故なんだ!?)
  夕方、フェリー埠頭着。
特に急ぐ必要もない。21:50発に申し込み。乗船手続き20:30から。そして25:40青森フェリー埠頭着。
26:17 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
輪厚PA      −  76719 6:54
蛇田洞爺湖IC  8:5076849 8:51
昭和新山     9:117686010:45
トラピスト修道院15:207707715:55
函館フェリー埠頭17:007710321:50
青森フェリー埠頭25:4077104  −  




―――――――― 2/9(金) 雪 気温−2[℃] ――――――――
 6:19起床
 雪の散らつくフェリー埠頭。今日はいっぱい走るぞ!
 雪の舞う中、青森IC着。東京まで700km!特に急がない。ゆっくり帰ろうぜVR−4。
 雪はすぐやみ、路面の雪も岩手を抜ける頃には消えた。
 夕方、首都高速へ。
 この日、始めてツインターボのブースト圧をプラス域へ!最後の難関だ。だが、この8日間、昼夜問わず回転を続けてきたツインターボは悲鳴を上げ、北の雪道を約5000kmも走り続けてすり減ったスタッドレスタイヤは虚しく路面をかきむしる!!そして港北PAへ。都内を抜けた。後は東名をただ西へ、西へ。
 やがて浜松IC着。終わった・・・浜北へ。自分のアパートへ。
 荷物を降ろす。8日間ありがとう、VR−4。やっぱお前は凄い!ゆっくり休んでくれ。シャワーを浴び、ベッドで大の字になる。ああ、帰って来たんだな・・・
22:17 就寝
地名到着時刻METER出発時刻
青森フェリー埠頭  −  77104 6:59
青森IC     7:1677114 7:17
中尊寺PA   10:467737210:55
那須高原SA  14:087763714:23
浦和料金所   16:207779416:30
東名東京料金所 17:497785317:44
港北PA    17:497786118:03
浜松IC    20:3378079  −  



総合データ:走行距離 4622km

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更新日:2001年9月11日