「美浜の会ニュース」 NO.52(1999.9.17)より


 MOX輸送船の高浜入港反対!

疑惑のMOX燃料は英国に送り返せ!

 高浜プルサーマル計画を中止に追い込もう!

 関電に抗議はがきを!

 MOX輸送船が高浜原発に到着しようとするこの時期に、燃料ペレットのデータ偽造が発覚した。プルトニウムを含むMOX燃料は、ただでさえ破損する危険性が高い。そのペレットの寸法が不確かとなると安全性にとって致命傷となる。

 国・関電は、何が何でも年内実施に向けて、国内外の多くの反対の声を踏みにじりプルサーマル計画を強行してきた。その最終局面で、関電は最大の窮地に追い込まれている。運動の焦点は、疑惑のMOX燃料を英国に返還させ、燃料装荷を阻止することにある。

 疑惑のMOX燃料は送り返せ!プルサーマルを中止せよ!の対関電抗議ハガキを開始しよう。全国から怒りの声を関電に集中しよう。

 輸送船の到着が予定されている9月27日、福井県民会議等の主催で、高浜原発前で、「疑惑のMOX廃棄!プルサーマル中止を求める若狭湾集会」が行われる。福井の運動と連帯し、11月開始予定の高浜4号プルサーマル計画を中止に追い込もう!今後全国の原発で予定されているプルサーマル計画の出鼻をくじこう!

MOX燃料でデータ偽造が発覚

 関電のMOX燃料を製造しているイギリスBNFLのセラフィールド工場で、来年高浜3号で使用予定の燃料ペレットのデータ偽造が発覚した。1ロット分3000個のペレットのうち、約200個を抜き取って直径の寸法確認を行う検査で、実際の検査を行わず過去のデータを流用していたという。この偽造が、200ロット中、なんと11ロットで行われていた。あきれるばかりの手抜き検査とずさんな管理である。

データのチェックでは、ペレット寸法は確認はできない

 BNFLは、輸送中の高浜4号用燃料に偽造はないと表明している。英政府の核施設検査局(NII)は、14日から工場の立ち入り検査を開始した。検査には2〜3週間かかるという。27日燃料到着予定を前に、関電と三菱重工(燃料の設計担当)は、急きょ社員を英国に派遣せざるをえなくなった。通産省も福井県も、高浜4号用の燃料の安全性が確認できるまで使用は認めないとして、検査データの調査を要求した。なんとしても年内実施をごり押しする関電には、紙の上のデータチェックだけで4号用ペレットは安全と言いくるめるしか道はない。しかし、紙に書かれたデータがウソでないとどうして証明できるのだろうか。

 9月16日、福井県民会議は、関電と福井県に対し、高浜4号ペレットの実寸測定をするか、できなければ全品返還するように申し入れた。まったくそのとおりだ。ペレットの安全性を確認するというならば、燃料棒のさやをあけて実測するしかない。

 関電と三菱重工は、今年1月と8月にイギリスに出向き、20個の抜き取り検査を行い、データ偽造は見つからなかったと弁明している。今回の事態によって、関電の抜き取り検査が、いかにずさんなものであるかが明らかになった。

 疑惑のMOX燃料は全て英BNFLに送り返すしかない。

「イギリスに出かけてチェックするから安全です」関電

 関電はこれまで何と言っていたか。福井県内の説明会でも、大阪での説明会でも、「私どもがイギリスに出かけてチェックを行うのでMOX燃料は安全です」と繰り返してきた。今まさに、これがまったくのデマであったことが明らかとなった。このウソだけでも、もはや関電にプルサーマルを行う資格などない。

燃料ペレットの検査を行わないのは安全上の致命傷

 MOX燃料は、通常のウラン燃料よりガスの発生が多く、規格どおりのサイズでも燃料が破裂する危険性が極めて高い。そのことは、フランスのカブリ炉の実験で実証されている。まして燃料ペレットのサイズが規格通りでない場合、燃料の安全性にとって致命傷となる。より大きいサイズであれば、早く被覆管に接触してそれを痛める。よりサイズが小さければペレットに熱がこもり破裂の危険性が高まる。こんな燃料を使われてはたまらない。みすみす事故を呼び寄せるだけである。

疑惑のMOX燃料は英国に送り返せ!の声を関電に集中しよう

 国・関電は、多くの人々の声を踏みにじり、何が何でも年内実施として、プルサーマル計画を強引に進めてきた。昨年10月には輸送容器のデータ改ざんが発覚した。それでも安全性に問題はないとして改ざん容器で輸送を強行した。白抜きだらけの安全審査資料でプルサーマルは安全としてしまった(昨年12月)。地元福井県に対しては、小浜線の電化費用負担と核燃料税アップを約束し、札束でねじ伏せた(6月)。海上輸送にあたっては、事前通告すら行わず、沿岸ルート諸国の強い抗議の声を踏みにじり強行した(7月〜)。敦賀2号炉事故では、原因も解明されていないうちから、高浜4号に問題なしとしてふたをしようとしている(7月〜)。

 この強引な国・関電は、最終局面で、最大の窮地に追い込まれている。反対運動にとっては、プルサーマル中止を勝ち取る最大のチャンスである。

 疑惑のMOX燃料は英国に送り返せ!プルサーマルを中止せよ!の関電あて抗議ハガキ行動を開始しよう。全国から怒りの声を関電に集中しよう。

 地元福井の運動と連帯し、高浜4号プルサーマル計画を中止に追い込もう!

疑惑のMOX廃棄!プルサーマル中止を求める若狭湾集会
 輸送中のMOX燃料は全品廃棄させよう!
 プルサーマルは中止させよう!
 抗議と反対の声を若狭湾に結集させよう!

 と き 9月27日(月)午前9時〜12時
 ところ 高浜町音海半島先端
 呼び掛け 原子力発電に反対する福井県民会議、外2団体

(開催は10月1日に変更)