◆こどものおもちゃ(小花美穂・作)


 古本屋で「こどものおもちゃ」全10巻が、かなりきれいな状態で並んでいたので買ってきました。通して読んでみて、今さらながら「こんなにおもしろかったんだ(゜゜;)」と、驚いています。
 小花美穂の作品は、「りぼん」掲載時のころもあまり読んでいなくて、「こどちゃ」も、まったく手を付けていませんでした(当時、少女月刊誌を何冊も購読していたが、パソ通やCG描きにハマって、だんだん未読が多くなっていった)。
 アニメの時も「りりかSOS」は見てて、その後番組でしたが、芸能界ネタは、あまり興味がなくて、4話まで見なかったのです(『銀英伝』と同じパターン。この書き方も同じか(^_^;))。5話を見て、羽山秋人というツッパったキャラがおもしろそうで見始めました。最初は、バビットや紗南の明るいキャラに、ギャグ満載の軽〜いコメディーだと思っていたけど、けっこう深刻で、マジなストーリーだったのですね。エラそうに大人ぶっているオトナこそ“こどものおもちゃ”になっている。
 原作は、基本的にアニメとほぼ同じ内容(当然か。いや、『チャチャ』の例もあるし(^_^;))。アニメでは、ニューヨーク編がオリジナルでした。加村直澄との関係をうまくまとめて日本に帰ってきた。ん、そういえば、紗南の父親は、原作ではとっくの昔に死んでいたけど、アニメでは、感動の対面と涙の別れのシーンがあったような・・・。
 羽山に関わる事件は、今読むと、学級崩壊や凶悪犯罪の低年齢化を予期したようなストーリー内容。後半3巻の展開は、「りぼん」読者には重すぎるテーマだと思います。アニメの方は、原作に追い付いてしまったためにあのような終わり方になったのでしょう。原作では、秋人をいびった千石先生との決着が着いてないのが画竜点睛を欠きましたね。

                              (2000/10/30)


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