解 説
またも古いものを引っ張り出してきました。おりしも、メディアファクトリーの「スケバン刑事」12巻が完結し、NHK大河ドラマ「源義経」放送と、それに便乗したのか、光文社文庫から「成吉思汗の秘密」新装版が発刊しました(私が最初に読んだのは、角川文庫)。私も、それらに便乗しての復刻です。
この「真説・神恭一郎白書」(今で言うところの研究本ですね)は、1983年秋か冬ごろに「ミンキーモモ」のパロディーを描いていたころ(内容は、ミンキーモモと信楽老の対決という、当時放送していたいろいろなアニメを交えたパロディー)、「スケバン刑事」を読み返していて、ふと神恭一郎は二人いるんじゃないかと思い付き、なんとかつじつま合わせをしようと考え抜いたものです。家庭用ワープロがない時代、手書きレポートという形で書いて、それこそ原作の「神恭一郎白書」仕様の綴じ表紙の体裁で、生意気にも和田慎二先生に送ったのでした(返事は来なかった(T
T;))。
コナン・ドイルが創造した名探偵ホームズものを年代順にして、事件を分析したり、作者が予期しなかった数々の矛盾を解釈しようとするホームズファンをシャーロッキアンといいますが、そういった楽しみ方で「真説・神恭一郎白書」を書いてみました。
年表は、和田先生の個々の作品の発表年月や作中での記載、ストーリーの流れから判断しました(作品中は『昭和』での記載なので、西暦は使わず統一して表記)。キャラクターの誕生日で、星占いは、どんな本を参考にしたかは忘れましたが、性格と星座は関係ないんだよね。
84年8月発行の『ロギア』という漫研の会報ロギア別冊5号に「神恭一郎の秘密」のタイトルで発表し、86年4月、個人誌「すく乱ぶれんど」(『スクールランブル』ではない(^.^;))に「真説・神恭一郎白書」と改題して収録。今回、ほとんど文章に手を加えずに載せました。83年5月発行の「和田慎二全コレクション」までのデータを分析したまでで、「アルカディア作戦」や「スケバン刑事if」、「Second」、文庫巻末での「メイキング」ネタなどは、入っていません。
いわゆる研究本の類いで「スケバン刑事」を扱ったものは、知りませんが、他に、年表を作ったりするような魅力的な(もしくは、揚げ足取りが楽しめる)作品はありませんね。「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」は、季節は巡っても進級せず、「サザエさん」状態じゃないのかなあ。
そういえば、「マリア様がみてる・薔薇のミルフィーユ」のあとがきで、作者が、『彼女たちが行った場所は実在しません』と言い切ってしまうのでは、夢がなくなります。熱心なファンにしてみれば、地図で探してみて推測したり、福沢家や小笠原邸、リリアン女学園の周辺の地理を考察したりという愉しみもあるのに、作者自らが否定してしまったら、身もふたもないですよ。
(2005/8/28)
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