アンテナ実験の続き
目的(背景)

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FT-817(1.9から430MHzまでのオールモード機)を購入したので、移動運用を目的とした21MHzホイップアンテナを作成する。


参考文献 : アンテナ・ハンドブック   CQ出版社 1993年11月20日 第14版発行
         トロイダル・コア活用百科 CQ出版社 2003年08月01日 初版発行

方法(課題)

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経緯(手法)

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完成した21MHz帯アンテナの概観

21MHz帯アンテナの回路図

4分割されたモジュール

マッチングボックスの内部

マッチングボックスの概観
結果

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  1. アンテナのインンピーダンスが実測で200Ω以上になった為トロイダルコアを使いで1:4のバイファラ 巻きで調整を行ったがVSWRが1.7から2.5以下に下がらなかった、可変コンデンサ(タイトバリコン(250PF))でも 調整不可能であつた。その為、トリファイラ(3線)巻きに変更し、1:2(インピーダンスを50−100)にし 特性インピーダンスを100Ω近辺にした。これは、アンテナインピーダンスの実測値が250Ω程度で、入力側は50Ωなので
    特性インピーダンス=√(250×50)=111.8(Ω)
    と成った事により変更した。

  2. 今回のカップラー部分(L型回路)は可変コンデンサーの挿入位置でアンテナのインンピーダンスマッチング をしている。コイルを挟んでアンテナ側、同軸側(トロイダルコア側)に挿入するかはアンテナのインピーダンスが同軸 の特性インピーダンスより高いか、低いかで異なるみたいである。(「アンテナ・ハンドブック:CQ出版」) 参考文献に対し私の理解不足かもしれないが今回は逆の現象でチューニングできた。

  3. トロイダルコアを挿入する事によりVSWRが1.7付近まで下がった。(可変バリコンを付けない状態) このまま、だけでも使えそうである。FT817内臓のSWR計は反応しなかった。(VSWRが2〜3あたりから表示バーが現れる) 出力が5WMaxなのでQRP用アンテナでは問題なさそうである。
    それから、コアーを挿入する事により中心周波数(21.2MHzでチューニング:VSWR1.2に調整し)SWR特性を調べたところ バンドエッジ付近でも中心周波数でも1.2〜1.3程度の変化であり一度調整すると全バンド幅に出れそうである。非常に滑らか な特性となった。(空芯コイルと可変コンデンサの調整だけでは急峻に変化した・・)

考察

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  1. 今回の実験及び試作アンテナは室内での測定及び調整であつたが実験はなるべく実際の完成イメージで調整、実験すべきだと 思った。微妙に引き回し線の長さがアンテナの特性に影響するので次回からは注意しようと思う。

  2. 給電部でマッチングを取ることにより受信感度、ノイズレベルが非常に向上した。(共振アンテナとして機能している)

  3. 今回の実験では最大出力5Wで行ったがハイパワー(100W)ではトリマコンデンサを高耐圧の物に変更しないと危険である。この場合 トロイダルコアー(インピーダンスマッチング用)と高耐圧の固定コンデンサで十分対応可能のように思われる。

  4. アンテナ部分(給電部)のSWR値はリグ及びアンテナのアースは取っていない状態で1.2以下には下がらなかった。この値を1.0にするには 至難の業のように思われる。(不平衡アンテナでアースを取らない状態ではこれが限界か?)