子供の遊び場は公園の種?

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子供にとっての遊び

遊びは「やってみたい」という気持ちになったとき遊びがはじまるということ。
ひとりが「やってみたい」と思ってやりはじめると他の人もそれをみて「やってみたい」と思いそこで人と人の関りがはじまる。
そして、やってみたいことをはじめると、できないこと、できること、状況を考えて工夫しなければいけないこと、あきらめること、気を取り直すこと、他の様子を観察すること、できない子に教えること、他のがっかりした人をなぐさめること等、人が生きていくうえで必要な全てをこどもが身に付ける機会に出会うことができるのです。
ですから幼児や児童の遊びは生き物としての自主的な行為であって、基本的に場所や形を選ぶ訳ではありません。
また「幼少時の自由な遊びが、その人の発想の豊かさ、個性を伸ばしてゆく方向の模索などに大いに役立っている....子供時代の自由で豊かな遊びの保証ということからはじめねばならない」と河合隼雄さんもいわれているように、遊びは幼児や児童全てに保証されるべき権利です。
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福祉社会における身障者への対応を考える

まちは多様な人々で構成され、多様な活動、多様な才能を通じて発展してきたのです。これからもその多様性は更に重要となっていきます。
そんな多様性が豊かなまちは、全ての人にとっての共有財産であり、多様な各個人が生きる上で経験せざるを得ないであろう将来の困難に耐える力を養う誇りともなり得るものです。
身障者を始めとする特定の個人のためだけではなく、社会全体の財産として、多様な人々の活動を尊重してお互いに交流しあえる場の実現のなかで、身障者への対応を考えるべきと考えられます。
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公園の遊具の設置の目的

遊具には利用者の気持ちを「遊びたい」とさそう効果があります。
どんな素晴らしい場も、利用したら楽しい施設も、やってみようとする人がいなければ、楽しさがわからづ、人が集まることもありません。
遊びには、うんていや鉄棒に代表される「挑戦」やブランコやすべりだいの「めまい」といった要素が魅力の中心であることが知られていますが、日常的な場では安全にそれらを味わえる場は少ないので、遊具に期待されるところです。 まづ人を遊びに誘うことが、交流の場として多様な利用者を受けいれる公園に遊具を設置する目的です。
また多様な年齢、多様な身体的な条件の利用者に、きめ細かく注意深く設計された遊具が遊び方の導入、手本を提示する役割も果たせることもあります。
知らなかった遊び方を見せることで、子供たちは創造性を働かせ、自ら新たな遊びを作り出すきっかけともなりますし、計画された遊び方の手本により安全な遊びかた、他の年齢や、多様な能力の利用者との交流の仕方も身に付けることができます。 人を「やってみたい」と誘いこむ遊具によって魅力的で安全な遊び場となり、交流がひとたびはじまれば、集まった利用者の交流自身が魅力となって、更に利用者が集まることになります。
遊び場で築かれた豊かな交流が遊び方や、危険への対処方法を伝えあうことになれば、メンテナンスの担当者や周囲の大人の関心や対処技術も高まり、より魅力的な遊び場へ発展することも可能になるのではないかと期待されます。
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身障者への対応における遊び場及び公園

人は遊びをとおして、自他と交流し行動様式を学習すると言われています。したがって子供の遊びの場所は本来限定されるものではありませんが、様々な現実的な制約のため(都市化による生活の場と経済的な場の分離、あるいは住宅事情、交通事情等...)、子供の活動の場(遊びの場)は程度の差はあっても制約されざるを得ないものです。
人の生活の場の全てを子供の遊びの場と重ねることができない以上、現実的な解決方法として、特定の場を遊具等で積極的に子供の遊びの場として整備することになり、成長の過程において他人との関係のなかで自己の位置を認識する社会性を育てる場として遊び場や公園が重要な役割を担うことになりました。
今までは社会性を育てるといえば、チームワーク等狭義の経済活動に必要と期待される行動様式を学習することのみ重視されることが多かったのですが、多様性により支えらる新しい社会の実現のために今後は、幅広い多様性を可能にする社会性を育てる場が必要とされることになります。
そのためには身障者を含めた多様な人が日常身近に利用している公園や遊び場を簡単に利用することが可能であることが必要となりますので、まづその配慮が公園へ至るまでの過程で当然なされていなければなりません。
身障者はそうでない人以上に多様ですが、遊びは各個人が自由に各自の方法で、客観的な達成目標などとは無縁に楽しむことが可能ですので、公園ではその多様な過程が新鮮な交流を生みだすことが可能となります。 したがって身障者への対応という点で特に専門施設でないかぎり、公園に特別な専用の施設を必要とする理由はみつかりませんが、特に多様な利用者を対象にする点で遊びの場における安全性について確認しておく必要があります。


さて危険には2種類あると言われています。
●危険を予測できて、回避しつつ実行するか、回避できないと判断して実行を取りやめるかいずれかの判断を選べる危険。遊びの魅力そのもので、もしこのような危険がまったく見当たらないとき、その遊び場の魅力はなくなり、活動的な利用者は公園の外に魅力的な危険を求めざるを得ないことになり、交通事故等更に大きな危険を誘発する恐れもおきてしまうかもしれません。

●予測できず遭遇する危険。ボルト等鋭利な角が飛びだしている、頭が抜けなくなる、かばんのベルトがひかかる、有害な塗装、不慮の落下時の高さ等の設計上の不手際や、床板が割れる等の破損をはじめとするメンテナンスの不備で起こるもので、特に注意深く取り除かねばならない危険です。
いずれも設置時だけでなく、利用の状況にしたがい変化し続けるものですので、利用者本人、家族等利用者の周囲、メンテナンスに関る者との間での密接な意志疎通と危険の水準がわかりやすく予測しやすいことが必要とされると思われます。


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遊具設置の基本方針

その場へ居合わせるだけでも気持ちをわくわくさせる遊具。
見る人にやってみようという意欲をおこさせたい。
今はできなくとも、いつの日か挑戦してみようという意欲を起こさせるもので、更にその場へ居合わせるだけでも、他の人が利用している様子を見るだけでも楽しくなる美しい造形でありたい。

能力とのバランスがとれた安全性を実現する遊具
やってみようという気持ちを誘うような見た目の難しさと危険回避に必要な能力のバランスがとれた楽しい安全さを確保していること。
利用者と管理者(遊具の設計者、公園の計画者を含む)の間での安全感覚、危険回避能力の情報の交換で安全な利用の幅を拡げたい。
幼児が登れない高さの梯子や鉄棒、危険ケ所へは柵等での分離等を織り交ぜて楽しい雰囲気で安全性を確保したい。
必要に応じ補助者のスペースがあれば手助けを得ての利用で、利用対象を拡げることが可能になることもある。
歩くだけでなく、寝ころがる、手を使って動く等多様な運動の可能な周囲の床野整備や、飛び降りた際の安全性をたかめるクッション材、他の活動的な遊びとの動線の交差の排除、外からのアプローチのしやすさ等総合的な安全性とのバランスも同時に満たしたい。

偏らず多様な能力をひきだす豊かな選択肢のある遊具
遊具の選択の際、大人の評価を優先すると、とかく教育効果を重視しがちで、運動能力をはじめとする限られた能力のみに関心が偏りがちになることが多い。 人の能力(子供の能力)はもっと幅広いものであるので、経済的な能力に直結する分野の能力が劣っていても他の面の能力は優れている場合は多いので交流のきっかけとしても大事にしたい。
社会の多様性を実現するためには、多様な能力を平等にひきだすことを計画的に実施したい。特に触覚は視聴覚のみが偏重されることの多い現実の社会生活では幼児期以外は関心をもたれることが少ないが、発生的にも視覚や聴覚の元でもあり、神経発育の基本となるもので、固有の能力を要求することも少なく最も基本的で重要な感覚であるといわれている。
触覚を含め形、色、音等幅広くできるだけ多様な能力で遊べる選択肢を用意したい。
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遊具を利用する環境計画


遊具の利用に限らず、公園は誰もが楽しみ、遊べる場であることが望まれます、 屋外で感じる風や木の葉の音も公園の魅力です。
ゆっくりと陽光を浴び、緑とふれあい、交流の場を楽しめるしつらえがあってはじめて、遊具も充分に楽しめる環境となるのは誰にも共通ですが、外へ出掛けること自体が難しい条件の利用者には特に環境の整備が重要です。
また、当然公園へ来るまでの道路等をはじめ公園施設においては通路、入り口、便所、ベンチ、テーブル等は充分気を配られている必要があります。

植栽設計
公園における植物の特徴は視覚的な面のみではなく、風にそよぐ葉や小枝の音、幹や葉の触感を味わえます。
触ると香りがある植物
ローズマリー、タイム、スギ、においひば類(コニファー、さんしょう(トゲ無し品種) ほとんど一年中楽しむことができます。
花に香りがある植物
ジャスミン、キンモクセイ、ギンモクセイ、クチナシ、 誰もが季節を感じる植物です。
車イスのままで触れる花壇
テーブル型の花壇、特に普通の花壇より視線が近く花の詳細まで見えるので、普段気が付かない花の魅力が楽しめ、修景面も効果的なものです。

休養施設、管理施設
公園はのんびり、ゆっくりと楽しみたいものです。
ゆっくり休める場所があって、気持ちのゆとりができると、挑戦する積極性もよびおこされ、ふれあいの機会も増えます。
特に夏季は日差しが強く、遊び場の環境は厳しくなるので、利用者のみならづ、介添え者にも、日陰を主とした休養施設の併設が望まれます。
水飲み、便所等の未整備が特に身障者の利用に重要な制限要因になることもあります。

さあ公園の種にふくらむかな

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出典

(C)出典
福祉都市環境整備指針(名古屋市民政局 平成3年11月)
もっと自由な遊び場を(遊びの価値と安全を考える会 平成10年)
こどものあそび環境 (仙田満 昭和59年)
臨床教育学入門(河合隼雄 平成7年)