『痛快!コンピュータ学』
坂村 健 著  集英社文庫

 パソコンの入門にはとってもいい本です。
 コンピュータの開発の歴史的な過程、情報理論についての根源的な説明、今後の情報社会の向かう方向などを、わかりやすく、興味深く論じてくれています。
 説明のために引く例が面白いのも特徴。ハッカーをジェダイの騎士、クラッカーをダースベイダ−に例えたり(ハッカーかっこいい!と思えてきます)、インターネットの通信技術「パケット交換方式」を、ゴルゴ13がライフルを仕事先の国に持ち込む時に、部品を分解して別々に持ち込んで、現地で組み立てることに例えたりしています。これを知ると、ネットでデータの配信が遅い時、「ん、ゴルゴ、てこずってるな‥」なんて思えて良いです。
 この本を読んでも具体的な技術は何も身につきませんが、コンピュータというものに以前よりぐっと親しむことができると思います。そういうことって、何かを始めるときには大事だと思います。