(1999/04/29更新)

ニッポンの風景 06 須賀利漁港



 紀伊半島東岸、複雑な海岸線を描いて熊野灘に突き出た半島の須賀利漁港。
 R42から県道202をずっと辿っていき、その行き止まりの素朴な漁港です。とりあえず道はここまで。現在先に続く道路の工事中ですが、いずれにせよその先は半島の先端。以前はここには陸路は通じておらず、船で行き来するしかなかったらしい。
 なんの予備知識もなく海岸沿いの道を細かく走っているうちに訪れたのですが、とても雰囲気のいい港でした。



所在地:三重県尾鷲市(R42-県道202)
撮影日:1999/01/17(日) 快晴
Camera:Canon EOS100QD + EF28-80mm F3.5-5.6 USM
Scanner:MICROTEK ScanMaker E6 Re-Touch:Jasc Software Paint Shop Pro 5



 須賀利漁港の少し手前、船越中熊の砂浜に抜けるトンネル。ここは海山(みやま)町。
 トンネルの暗闇を走っていると、はっとするような海岸の風景が迫ってくる。
 須賀利漁港の集落のとっつき。
 弓なりに伸びる岸壁と漁船の群。
 道は写真の左奥の少し先でお終い。この先、集落内はかなり細くなるのでここらに駐車したほうが無難です。
 ところで写真に写っているように、漁船は舳先を陸に向けて泊まっている。たいていの港では、ここと同じ方向に泊めるのですが、千葉県銚子の外川(とかわ)漁港では逆に、お尻を陸に向けて泊めています。漁船が港に帰ってくると岸壁の手前で綺麗にクルッと180度転回する。なかなか鮮やかなお手並みです。そういうのは全国的にも珍しいのだろうか?(能登半島の付け根、氷見漁港でもそうだった)
 ここは深く切れ込んだ入り江の港。山に囲まれ平地もわずか。
 写真の右手にも広い海が広がっているわけではなく、ぐるっと山に囲われているので、海というよりも、山のなかの湖のような印象です。
 隔絶された土地といった雰囲気。
 集落を抜けるメインストリート?
 ちょっと分かりづらいですが、右側の手前から奥に続くコンクリートの塀は港と集落を隔てる防波堤。この隣はすぐに岸壁です。
 レトロな矢倉がいい雰囲気。
 港のすぐ脇にある、なかなか立派な神社の鳥居と石段。
 家と家の間の路地を抜けると長い階段が伸びている。
 その上にあるのはお寺なのでした。
 上の写真の階段を上ったところ。
 お寺の入り口の左右は城壁のような石垣になっている。ちょっと変わっています。背が低く物々しくないところがいい。
 階段を上りきって振り返ると集落と港を一望の元に見下ろせる。須賀利漁港の特等席です。
 周囲をぐるっと山が取り囲んでいる。深い藍色の海が美しい。
 深く切れ込んだ入り江の風景。そして、こんな素朴な雰囲気の寺からの眺望も利く。
 須賀利漁港、気に入りました。




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