▲侘 寂 萌 インデックス


20万km

 こりゃあひどい、とエスクのオイルだだ漏れエンジンを一目見るなり工場のオヤジさんに呆れ返られた。
 車検を通すなどとんでもないと殆ど叱られるように懇々と諭されるが、地球3周分を共に(+前のオーナーとは2周)走った愛車を廃車にするに忍びず、なにより昨日新品に取りかえたばかりの4本のタイヤを産廃にして瀬戸内海あたりの美しい入り江をまたひとつ埋め立てるのも地球にも優しくない、ということでなんとか修理をお願いするが、10万円単位でかかりそうな修理費用にトボトボと帰宅。
 この予定外の出費を何とかするべくバーチャ日暮里方面にて解決手段を探し当てるも、ふと寄り道したおりに、青天ならぬ曇天の霹靂的ニュースに触れびっくり仰天。
 さて、どうしたものかと思案するも妙案浮かばず、さりとて無為に過ごすのも落ち着かず、無駄に日記を更新してお茶を濁すばかり。



8.6℃

 朝5時半に起きて膝を痛めて以来使っているトレイルランニングシューズを履き荒川の土手に向かう。
 ニョッキリ突き出した55階建てのマンションの向こうからちょうど朝日が昇った。振り返ると荒川を挟んで赤羽のマンション群の向こうに意外なほど近く丹沢山塊が横たわり、すぐ背後になだらかな円錐状の富士山が朝日を浴びて白い靄の中から浮かび上がる。
 七合目あたりまで真っ白な雪に覆われたその姿は8.6℃のひんやりした空気に磨かれたように、1週間前よりもくっきりと見えた。





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