[Cheshire's Telex Stories] [自己紹介に] [Macでロシア語インターネットTopページに]
From cheshire@spaceyideas.com Tue Sep 23 14:28:06 1997 Date: Tue, 23 Sep 1997 07:38:15 -0400 (EDT) From: The Cheshire Catalyst cheshire@spaceyideas.com To: "Colin R. Y. Gallagher"> Subject: Re: Telex info On Tue, 23 Sep 1997, Colin R. Y. Gallagher wrote: >テレックスの動作原理を教えてください? デジタル信号なのですか? >電話回線、それとも専用の回線で送られるのですか? >回線交換なのですか、パケット交換なのですか? Hi Colin, テレックスは、古いメカトロ式のテレタイプ装置を使っていました。 (父親の世代が仕事に使っていたものです。) 通信回線には、Western Union Telegraph Company (後でAT&Tに売却 されましたが)の専用回線を使い、その回線上で電圧を流したので す。フランスのエミール・ボードEmile Baudotにちなんで名付けられ た5-bitボーコードを使いました。
ボーコードは、2の5乗、つまり、わずか32文字しか表現できません。 巧妙なエミールは、そのうちの2つを使って、"Figureシフト"と "Letterシフト"を考え出しました。そのシフトに使う文字は以下の 通りです。
このblankというのは、全部スペース、つまり穴はひとつもあきません。 一方Letterというのは、全部マーク、つまり5つ全部が穴となります。 (スペース、マークというのは、デジタル時代となって、0と1を表現 するようになる前に、使われていたものです。Telex装置上では、数字 は、qwertyuiop (つまりタイプライター文字鍵盤の最上段の列)が 1234567890に対応していましたが、これもFigureシフトの信号を 出した後、そのキーが押された場合にそういう風に解釈されたのです。
テープを"鑽孔する"時に(通信速度のままで電文を送れるよう、紙 テープを使ってメッセージを作ることです)、間違ってタイプした 時(しかも、その場で間違いに気がついた場合)、テレックス オペレータは、紙テープを逆方向に戻し、LTRSキーを押して、 間違えて打った文字のビット全部を穴、つまりLetterシフトにして、 間違いを消してから、紙テープの作成を続けたものです。 これを送信すると、タイプの印字ヘッドが前に進まない信号が送られ るわけですが、それでもわずか数文字だけの通信コストの増加であり、 全文を新たに打ち直すよりもずっと効率的でした。
TTY (TeleTYpe装置を省略した業界用語です)の中には 、文字の活字 が入った二つの"かご"を持ったたタイプと、文字活字がついたシリンダを 持ったものがありました。各文字の信号が来ると、そのボックスは該当 する文字の所まで動き、ハンマーがその活字/シリンダの後ろを叩き、 文字が印字されたのです。Figureシフトを受信すると、タイプ活字が入った ボックスは物理的にシフト(移動)し、数字のボックスがハンマーの前 に来るか、あるいはシリンダが180度回転し、シリンダの裏側を使って 数字を打つようになっていました。
Letterシフトコードを受信すると、タイプライタの印字ヘッドが元 の位置に戻ります。時には、けれども、Letterシフトコードが正しく 受信できなかったり、あるいは本来のFigureシフトコードが無くなって しまったりするため、コードが本来のシフトでない違ったシフトで送信 されることがあるのです。優秀なテレックスオペレータは、この所を 把握して、本来のメッセージに復元していたものです。
"Figureシフト"で使われる活字の種類には色々なものがありました。 気象局には、独自の天気用の記号があり、株式仲買人には、1/4、3/8 といった分数活字がありました。従って、ピリオドとカンマ、更に あるいはパーセント記号だけが世界的に共通にすぎませんでした。そこで 最終的には、ITU(International Telecommunications Union-国際 電気通信連合)が、ボードコード用としてInternatonal Telegraph Alphabet #2 というものを制定しました。
その頃には、ITA #5(ASCIIコード- つまりAmerican Standard Code for Information Interchange)、および (パリティ用1ビット がある)ASCIIコード用TWX (TeletypeWriter eXchange)テレタイプ が、テレックス通信だけでなく、コンピュータ用にも入りこんでいま した。
分数はテレックスの普通の文字セットにはありませんから、分数を印字 する場合には、電報をどう送るべきかを決めた電報の規則に準じました。 "一か二分の一"というような表現は、 1-1/2という具合にして送られ ました。 テレタイプ装置ができる前、電報は手動のキーだけで、 ITA #1 コードによって送信されていたのです。 もちろん、このInternational Telegraph Alphabet #1は、つまりモールスコードでした。 今でも、コン ピュータ社会で大抵の人は、整数の後、分数の前にブランクスペースを (1 1/2のように)置きますが、電信技師たちも一体どんな数値が送られ るのか混乱せぬよう、実際に文字を挿入しておく必要がありました。 "ハイフン"文字(アメリカの電信技師の間では、"ダブルダッシュ"と呼ば れていました)が、その応急策でした。
Telex通信は常に、電話と同様の"回線交換"です。 大昔のように、紐式の電話交換台あるいは、回転式のダイアルを使って テレックス番号をダイアルするストロージャ式交換機なりを通して、 "呼"が確立した後、通信回線はその"呼"が終わるまで保持され、 どちらかの側が回線を切断するのです。
これでお分かりいただけると思います。私の思いつきだけで書いて いますから、後で多少推敲し、将来的には何らかの形でwebサイトに 載せたいと思います。このお答えが、答えというよりも、かえって わからないことを増やしていまうことになっているようであれば、 その旨お知らせください。補足説明させていただきます。私は、 このテーマについて知りすぎているため、いわば"おたく語"を十分に 英語でご説明できていない可能性があるといことは承知しています。
Keep Smiling, Cheshire Richard Cheshire http://spaceyideas.com/cheshire/ The Cheshire Catalyst mailto:cheshire@2600.com "I *must* be a 'Patron Saint' of hackers. Wired Magazine said so!" - The Cheshire Catalyst http://digital.net/~cheshire/#wired --- Florida has a State Sponsored Religion. It's main sects are the Seminoles & the Gators.