7月26日(月) 晴れ
 今日は、私の誕生日である。なんともめでたい。といっても、誰も祝ってくれやしない。なんたって、自分でCONTAXをかったくらいである。
 と言うわけで、私は、山に行ったのである。(なんのこっちゃ。)今、岳沢ヒュッテにいる。上高地から2時間ほどの登りである。河童橋から見ると前穂高の右下のところに赤い屋根が見える。そこが岳沢ヒュッテである。
 今日、6時に起き、八王子発7時30分のスーパーあずさ1号に乗って、上高地に来た。新島島からの道路は、混んでいなく、11時27分には、上高地に入れた。3年前の夏に来たときは、道路が混んでいて、上高地に入るのに随分かかった。バスのアナウンスでは、上高地に行くのに1時間10分かかるというが、一時間ほどで上高地に着いた。混んでいない。それは、河童橋のあたりでも、うかがえる。河童橋で記念写真を撮る人がたくさんいて、普通、人混みでなかなか記念写真が撮れないのである。ところが、今回は、ちょっと待てば撮れる。人は出てはいるが、それほどでもない。今回、感じたのは、全般的に混んでいないような感じなのだ。不景気のせいだろうか?

 河童橋をすぎて、遊歩道に沿っていくと、前穂の登り口が出てくる。河童橋から、一時間ほどで風穴に着く。ここは、冷気が出てくるところで、休むにはちょうど良い。休んで、水を飲んで、出ようとしてリュックを担いだら、水がざーっと出てきた。あれ、おかしいなと思って、リュックを開け、ポリタンを見たら、蓋が完全に閉まっていなくて、半分以上なくなっていた。中身のものを取り出してみたら、リュックのそこに水がかなり溜まっていて、このリュック、結構防水が利いているなと思ったくらいである。あれこれしているうちに、再び出発するのに10分ほど時間がたってしまった。岳沢ヒュッテまでの道は、整備されていてとても歩きやすい。今回の登山で感じたのは、道が本当に整備されている。これには、驚く。
 小屋には、14時22分に着いた。宿泊の手続きをして、天気が良かったので、濡れたものを干したりした。小屋の前のテラスで休んでいると、前穂から下ってきた登山者が下りてきては、もう大変な下りだという。

明日は、私、そこ登るのですけど。その中で印象に残っているのは、関西から来た親子3人づれである。父親、息子、娘の3人づれで、小屋に着いたとたん、もう、かんにんや、あーしんど、あと、おりるのにどれだけかかるねん、あー、おにいちゃま、サンダルとってんか、と娘は言うのである。(ほんまかいな?)感心したことに、兄は、優しい性格なのか、妹にサンダルを渡した。この兄妹、ほんと顔が似ている。父親の方と言えば、ここで大休止や、と言っている。今日は、天気が良く日焼けにはなるし、とにかく、下るのが大変であったというのであるが、ホントに大変だというのがこの親子からわかったのである。この親子、30分ほど休憩して、下っていった。しばらくして、今度は、韓国人のグループが下りてきた。中年のグループである。小屋の掲示にもハングルで立入禁止と書いてある。(どうしてわかるかというと、上に日本語で立入禁止とある。)韓国人の日本アルプスツアーが人気があるのだろう。ただ、東洋人だからなのか、それとも中年だからなのか、結構、うるさいのである。主におばさんなのだが、これが大声で良くしゃべるしゃべる。日本のおばさんグループと変わりはしない。ここに、静けさを求めて、山に一人で入っている人もいるのですけど。
 うるさいうち、日は暮れ、夜となり、いつしか、静寂につつまれるのであった。

7月27日(火) 朝、晴れ、すぐに曇り、風強し、後、雨。
 5時起床。外を見たら、はるかに乗鞍が見る。雲が上がっていく。朝食を食べ終わって外に出たら、ますます、雲が上がってきて、山の頂上は見えなくなった。
 5時50分に小屋を出発。確かに、下りはつらいかもしれないが、登りはそうでもない。8時には紀美子平につく。途中に、西穂に至る稜線が見えていたが、ついにガスのため見なくなる。紀美子平には、30人ほど人がいた。ここから、前穂を往復する。人が多いせいか、なかなか登れない。8時37分に頂上到着。山頂のところで、写真撮影の順番待ち。私も5分ほどまって、撮ってもらいました。頂上からは、ときたま、ガスが薄くなって、景色が見えそうになるが、すぐに、隠れてしまう。写真を撮るとすぐに下山。紀美子平でちょっと休み、吊り尾根を奥穂に向かう。奥穂に向かったのは、私を含めて、2,3のグループである。あとは、皆、岳沢に下った。この人たちの半分くらいは、奥穂から来たのであろうか。
 吊り尾根を歩いているとき、信州側からガスとともに強い風が吹き、帽子がとばされそうになる。めがねに水滴が付き、あまりよく見えない。11時に奥穂に着く。お宮のところで記念写真を撮る。頂上で、写真を撮っている人がいて、ガスが晴れそうになると、おおーとか、わーとか、大声をたてるのである。いや、驚いた。勿論、中年ね。頂上に25分ほどいて、それから、山荘に下る。

穂高山荘に下る最後の梯子のあたりで、ゴミを燃やすにおいがする。なーんだなあ、これじゃ、だいなしだね。小屋に12時18分に着く。ラーメンを作って食べて、珈琲を入れているときに、雨が降ってきた。大したことはないと思っていたら、激しく降ってきたので、小屋に避難。昨日、天気予報で、台風が九州の沖を通過して朝鮮半島に向かっており、長野地方は、晴れ時々曇りと言っていたが、この天気は台風の影響であろう。今日は、ここ穂高山荘で宿泊の予定で、明日、北穂を目指すつもりであったが、明日も天気は回復しそうもないので、帰ることにした。雨が小降りになったのを見計らって、涸沢に向かってザイデングラードを下りる。途中、警察学校の訓練若者たちが集団で下りていて、けっこう、じゃまなのである。普通、早い人はぬかさせるのであるが、全然、気にしていない。それに、ここで具体的には書けないけれど、この人たち、けっこう、ひどくて、聞いていたら、セクハラをへーきでやりかねない。あぶないね。
 小屋を13時15分に出て、涸沢小屋に14時30分に着く。最初、上高地まで下りようと思ったのだけれど、とても下りられないので、涸沢小屋に宿泊。小さな山小屋で、雰囲気は静か。夕食の時、おねーさんが登場して、食事の際の注意と明日の天気を言う。台風も朝鮮半島に向かい、明日は、晴れ時々曇りです。天気は良くなるでしょう、と言った。じゃーん、次の日に続く。

7月28日(水) 朝、雨のち曇り、時々、雨
 朝、起きると雨。昨日、おねーちゃんの言ったことと違うじゃんけ。あーあー、雨の中、下るのやだなー。まあーゆっくり出ればいいやとおもったのであるが、周りの人たちは、用意をして出ていく。しばらくして、雨がやんだので、小屋を出発。玄関で、靴を履いていると、老年の夫妻が、靴も履こうとせず、えんえんとどこを登るか議論している。これって、他の人が靴履けないやんけ。歳とると、こんなふうになってしまうの?小屋を出たのは、6時22分であった。横尾までゆっくり下りる。道は整備されていて驚く程良い。本谷橋付近で、警察学校の連中と会う。結構な渋滞。8時35分に横尾小屋に到着。そのまま、休まず、歩く。徳沢に9時30分。おなかが減ったので、食事をしようかなと思って、小屋に入ると、イワナ定食は要予約とある。しょうがないので、持っていたパンを食べる。10時30分に明神に到着。イワナ定食があったので、注文する。食べていると、雨が激しく降ってくる。昨日もそうなのだが、食事となると雨が降る。小屋にいるときなのでラッキーと言えば、ラッキーではある。イワナ定食、1600円であったが、イワナそのものは、いつも行く管理釣り場のイワナやヤマメの方が美味しい。これは、ぺけである。11時3分に明神を出て、とぼとぼ歩いて、上高地に11時43分に到着。上高地に行くにつれ、観光客が多くなる。ちょうど、12時10分の新島島行きがあったので、乗る。