第9位 T−series TRUCK
昭和6年登場のDA型から始まり、40年以上もの長きにわたってオート三輪を製造し続けた東洋工業。その歴史の最後を飾るモデルがこのT1500とT2000のシリーズです。戦前から終戦直後までのモデルは、バイクの後ろに荷台を付け足したようなものでしたが、やがて屋根が付き扉が付き、昭和32年にはバーハンドルから丸ハンドルへとステップアップ。オート三輪のデザインに著名な工業デザイナーを招聘し話題をさらったのもこの頃でした。最終的にほぼ完全なスチールキャビン(屋根はキャンバストップ!)を得たTシリーズは低床/高床、ロング、ショート、ダンプ、バキューム、消防車、清掃車と様々なバリエーションを誇りました。(カタログはT1500低床3方開き) 私が小学生の頃はまだ街を走るオート三輪の姿を目にすることができ、そのほとんどが昭和40年代後半まで国内向け生産が続けられたダイハツとマツダでした。 そこで私がなぜダイハツ(CO/CM)でなくてマツダのTシリーズに惹かれたのでしょうか。それには、あのなんとも愛嬌のある顔立ちと、丸くてかわいいリアのブレーキランプが決め手となりました。まあ、子供の感性ってそんなものです。 でも、この顔をジッと見てると、何かを語りかけてくれるようで思わずゾクゾクしてしまいます。一見同じように見えるデザインも、年代によってサイドマーカーのカタチやミラーのカタチ、エンブレムデザインなどに幾つかの種類があります。また機会があったらじっくりとお教えいたしましょう。 <主要諸元> '67 T-2000トラック 高床ロング (TVA32S) 寸法:6080×1840×1920mm ホイールベース:不明 車両重量:1780kg エンジン:VB 4気筒 1980cc (最高出力)81hp (最大トルク)不明 懸架装置:不詳 ブレーキ:ドラム(前/後) タイヤ:不明 |