第6位 FAMILIA GT−R
日本初のフルタイム4駆として幾度ものWRC制覇を成し遂げた先代ファミリアのあとを受けたBG系ファミリア4WD。そのエボリューションモデルとして、満を持して92年に登場したのがこのGT−R/GT−Aeでした。残念ながらこの年にマツダはモータースポーツ活動の休止を宣言。ワークスマシンが再びWRCの頂点に立つ姿を見ることはできませんでした。しかし、ヨーロッパの国内選手権ではプライベーター勢が活躍し、チャンピオンを獲得したのはせめてもの慰めでしょうか。 エンジンはレギュラーの4WD車と同じ1800ccのBPエンジンながら、ターボ・インタークーラーの大型化やチタン製コンロッドの採用などで、サバンナRX−7(FC3S)に匹敵する210psを絞り出す超ハイパワーモデルでした。大型フォグやパワーバルジで武装したフロントの威圧感は当時けっこう際立っていましたね。さすがに、最近のえげつないほど迫力のある4WDマシンを前にすると大人しく見えてしまいますが。 私はエチュードでサーキットを激走中に先代のターボ(BFMR)に圧倒的な直線スピードでぶち抜かれて以来、ファミリアのTOPグレードであるターボモデルには常に一目置いていましたが、その究極の姿がこのGT−Rでした。しかし同時に、このクルマはファミリア史上で最後のホットモデルとなっています。あれだけスポーティさを全面に出して売ってきたファミリアに、現在「走り」の香りのするモデルがないのは寂しい限りです。正直、このGT−Rにこれ以上の歴史的価値を負わせ続けてほしくないと思います。 でも一度はこのクルマでサーキットを走ってみたいですね。 <主要諸元> '92 ファミリア 1800 GT-R 寸法:4075×1690×1390mm ホイールベース:2450mm 車両重量:1210kg (5MT) エンジン:BP 直列4気筒DOHCターボ 1839cc (最高出力)210ps/6000rpm (最大トルク)25.5kgm/4500rpm 懸架装置:ストラット(前/後) ブレーキ:Vディスク(前)/ディスク(後) タイヤ:195/50R15 |