〜コンパクトで高出力なロータリーエンジンの特徴を最大限に生かして、マツダにしか作ることのできない優れたスポーツカーを作ろう〜 好評を博したFC3Sの後を受けて、3代目ロータリースポーツはさらに速く、さらに美しくなって、ル・マン制覇に湧く1991年の暮れに颯爽と登場しました。
このクルマの誕生にはマーケティングリサーチというものがほとんど介在せず、ただひたすらエンジニア達が本当に作りたいものを、持てる技術を結集させて作り上げたと聞いています。だから、大衆に媚びた快適装備を廃してでも、究極のリアルスポーツカーとしての走行性能をとことん追求している、そうした一切の妥協のない潔さがきわめて強い「主張」となり、このクルマの存在を独自のものとしています。
登場から8年、基本設計は新しいとは言えないこのクルマが、細かいモディファイを受けながら、スポーツカー受難の時代の中でもコンスタントに売れ続けているのは、ユーザーがそのメッセージをしっかりと感じ取ってくれているからでしょう。
私がこのクルマを購入した直接の動機は、存続が危ぶまれていたRE車の新車登録を一台分でもいいから増やして、「RE車はまだまだ売れる」という経営判断をマツダ(フォード?)にしてもらいたかったから。たったの一台でどうこうなるわけではありませんが、個人的にできることは最大限やっておきたかったんです。その意味では別に「RX−7」でなくても良かったんですが、当時のラインナップ上、このクルマしか新車のRE車がなかったわけです。しかし、そのクルマはロータリーの心臓部を持つことにとどまらず、他のどのクルマにも似ていない独自の素晴らしいスタイルと、ドライバーを遥かに高い次元のスポーツドライビングへといざなう、とびきりの走行性能まで持ち合わせていたのはとても嬉しい誤算(?)でした。
この孤高のロータリースポーツとの付き合いは、けっこう長くなりそうです。
<主要諸元> '92 アンフィニRX-7 TypeR
寸法:4280×1760×1230mm ホイールベース:2425mm
車両重量:1260kg
エンジン:13B-REW 2ローター 654×2cc
(最高出力)255ps/6500rpm (最大トルク)30.0kgm/5000rpm
懸架装置:ダブルウィッシュボーン(前/後)
ブレーキ:Vディスク(前)/Vディスク(後)
タイヤ:225/50R16 (8JJ-16)
|