スーパー耐久シリーズ2000 開幕戦

CP MINE 500km RACE


2000年3月19日(日) MINEサーキット(山口県)



WW2 Debut!

 全8戦で争われる2000年のスーパー耐久シリーズ。その開幕戦が、3月18日〜19日、山口県のMINEサーキットで開催されました。

 オフシーズンにはクラス1を中心にシリーズ参加台数が激減するというウワサも流れとびましたが、いざフタを開けてみれば30台を越えるマシン達が集結し、S耐ファンは思わずホッと胸を撫で下ろしました。
 私達WW2が応援するSSロイヤル・RX−7の属するクラス3(1601cc〜2500cc)には、なんと
5台ものRX−7が参戦し、プレリュードと合わせて計6台という、昨年よりも賑やかなエントリー台数となりました。



 
ドライで行なわれた土曜の予選では、竹内浩典選手の5ZIGEN☆ファルケンGTRが総合のポールポジションを獲得(1’32”647)。次いでダイシン・アドバンGTR、エンドレス・アドバン・GTRと続きました。
 クラス3では、ディフェンディングチャンピオンのBPビスコガンマRX−7が総合10位(1’37”830)でクラスTOPを奪い、総合18位(クラス4位)のアルゴラボ・プレリュードには2秒もの大差をつけています。

 

正式予選結果

1位(C1-1) 5ZIGEN☆ファルケンGTR 1'32"647R
2位(C1-2) ダイシン・アドバンGTR 1'32"742R
5位(C2-1) 三菱プーマランサーエボY TM 1'35"496R
10位(C3-1) BPビスコガンマRX−7 1'37"830R
11位(C5-1) エスペリア・ジアラ アルテッツァ 1'37"842R
13位(C3-2) シーウェストアドバンRX−7 1'38"076R
17位(C3-3) RX−7 1'38"253R
18位(C3-4) アルゴラボプレリュード 1'39"107
21位(C4-1) アルゴラボシビック 1'39"495R
30位(C5-8) グリフィンアドバンアルテッツァ 1'44"222
−−−−−−以上予選通過−−−−−−
   (C3-*) オゥルージュBPμDL RX−7 1'39"988
   (C3-*) SS.ROYAL RX−7 1'40"849
(R…クラスレコードタイム)

 

 さて、WW2期待の「SSロイヤル・RX−7」18号車には、緒戦から細々としたトラブルが待ち受けていました。

 
まず、初日の練習走行中にコースアウトを喫し、ボーダー製のフロントカウルを破損。チームは急遽マツダスピードのGT−Cカウルを某所から取り寄せ、予選開始までに超スピード作業で塗装し交換するという、突貫工事をいきなり強いられることとなりました。
 昨年から見慣れたボーダー・フルエアロ仕様とマシンの外観イメージが異なるのはそのためです。(^_^;)


 
さらにトラブルは続き、なんと土曜の予選のアタック中、やや不調だったエンジンが最後のコントロールライン手前で息絶え、とても不本意なタイム計測となってしまいました。
 このエンジントラブルの影響で、第3ドライバーの新田選手が予選走行する機会を失いクオリファイされなかったため(=基準タイム不通過)、チームは公式予選結果から除外されてしまったのです。第2ドライバーが不通過となったチームオゥルージュも同様の結果でした。


 
幸い、2台のRX−7はともに決勝への出走は認められましたが、18号車は無念の32番手スタートとなってしまいました。
 長丁場の耐久レースですから、グリッドポジションはそれほど重要ではありませんが、チームは日曜の決勝へ向け、エンジンの載せ替えを余儀なくされたのです…。


 日曜日は朝から雨模様。午後からゆっくりと回復に向かうという予報でしたが、155周の決勝レースは、FR勢には辛過ぎるフルウェット状態の中、500km先のゴールを目指して12時10分にスタートしました。


 隊列の最後尾からの追走となったSSロイヤルRX−7。じっくりと様子を見ながら周回を重ね始めたかに見えたスタート直後、水煙に煙るコントロールタワーでオレンジボールが出されました。ゼッケンは…「18」!
 慌ててピットインする新宅選手。スタッフが下回りをチェックしてコース復帰するも、再度オレンジボールの掲示。悔しそうにピットへ帰った18号車は、そのまま頭からガレージの奥へと入っていきました。

 「えっ、リタイヤ…?」
 正直、我々の胸中にはそんな思いが駆け巡りました。

 時折18号車のピットへ視線を送りながらも、始まったばかりのレース展開を眺める私達…。その間、時間にして20分前後だったでしょうか。再び18号車はスタッフによってピットレーンへと押し戻され、勇躍戦列に復帰していったのです。我々は一様にホッと胸を撫で下ろしました。
 結局、現象としてはオイルパンからのオイル漏れが発生しており、前日のエンジン載せ替え作業が原因だとわかりました。


 レース中盤から路面は急速に乾き始め、ほどなく完全ドライ状態となり、RX−7が異次元の速さを発揮するステージは整いました。が、時既に遅し。序盤の雨の中、アルゴプレリュードがFFのメリットを生かして築き上げたマージンは余りに大きく、ただでさえ給油回数が一回多いRX−7勢には、もはやクラス優勝の可能性は残されていませんでした。
 そんな中、昨年の覇者・BPビスコガンマRX−7を脅かす速さを見せたのが、NシーウェストアドバンRX−7でした。実際のところ、選択したレインタイヤのマッチングが明暗を分けたらしいですが、我々観衆の目にこの日最速のRX−7として映ったのはこのクルマでした。
 一方、残ったRX−7勢である3号車や71号車はさすがにこの2台にはついて行けず、それぞれマイペースで淡々と周回を重ねていました。


 
長いピットインで数10LAPを失った18号車に残された使命は、チェッカーを目指して残りのレースディスタンスをしっかりと走り切ることです。これからの走りが、今シーズンの戦力を占う大切な指標となるわけです。
 幸い、レース復帰後の18号車はトラブルフリーの安定した走りを我々に見せてくれました。レース中盤から終盤にかけては一時3クラスの上位勢とも遜色無いペースで周回を重ね、下位クラスのマシンを豪快にオーバーテイクし始めました。
 このカッコイイ姿には、スタンドで見守る我達の手にも思わず力が入りました…。


 MINEサーキットのレースシーズン到来を告げたスーパー耐久開幕戦、CP MINE 500km Raceは、2台のスカイラインGT−Rによって最終LAPまでテールtoノーズで優勝争いが行なわれるという激しいレース展開で、最後まで異様な盛り上がりを見せました。
 そして16時40分過ぎ、大波乱のレースを制したのは、大逆転劇を演じたダイシンGTR。ついに長い戦いのチェッカーは振り下ろされました。ラスト5周で3回もTOPが入れ替わるという見応えのあるレースに、スタンドの観衆は惜しみない拍手を送り続けました。


 メインスタンドから声援を送り続けた我々の期待に応えるようにして、ついにSS.ROYAL・RX−7も見事に久しぶりのチェッカーを受けました。
 栄えある最終スティントを担当した新田選手は、クールダウンLAPを終えメインストレートにマシンを停めると、隣りに停まったBPビスコガンマの三好正巳選手とガッチリ握手を交わして健闘を称え合いました。
 まさに、「完走したマシン全部勝利者」という、耐久レースならではの感動のゴールシーンでした。

 
残念ながら、18号車は序盤のタイムロスが大きく、規定周回数不足で完走扱いとはなりませんでした。
 しかし、レース中盤から終盤にかけての新宅選手/伊藤選手の炎の激走、その頼もしい速さを見て、たとえ激戦のクラス3であっても、今後表彰台を狙えるチャンスは十分にあり、と私達は確信したのです。


 
SSロイヤルチームの次のレースは6月のTI戦です。
 今からとても楽しみになってきました!

 

Rd.1決勝結果(完走:24台)

1位(C1-1) ダイシン・アドバンGTR 155LAPS
4位(C2-1) 三菱プーマランサーエボY TM -1LAP
8位(C5-1) RS★R アルテッツァ -6LAPS
9位(C3-1) アルゴラボ プレリュード -7LAPS
10位(C4-1) アルゴラボ シビック -7LAPS
15位(C3-2) BPビスコガンマRX−7 -8LAPS
24位(C3-3) オゥルージュBPμDL RX−7 -24LAPS
−−−−−−−以上完走−−−−−−−
   (C3-*) SS.ROYAL RX−7 -54LAPS
  R(C3-*) シーウェストアドバンRX−7 -50LAPS
  R(C3-*) RX−7 -106LAPS