23.WW2、4度目のS耐TI戦をサポート!(前編) 





 
2004年は記録的な猛暑の到来に代表されるように、台風の連続上陸に水害、地震と、天変地異が続けざまに起こっています。スーパー耐久シリーズもシーズン開幕早々からその影響を受け、月のもてぎ戦、4月の仙台ハイランド戦と、2戦連続で季節外れの降雪に見舞われるなど、コース内外ともに、例年とは一味も二味も違った波乱の様相を見せています。

 諸事情により、月の第戦・MINEへの参戦を見送ったチームテスタスポーツの#78・WW2ダンロップRX−7。地元戦ともいえるMINEラウンドの欠場決定という事態もまた、私達にとっては十分に波乱の展開でした。とくに、昨年のシーズンオフからの徹底的なマシンメンテナンスの成果や、テストランでの好タイムを伝え聞いていただけに、欠場は返す返すも残念、というのがチーム関係者の正直な気持ちだったに違いありません。
 レース週末のサポート活動が中心となる私達も、突然の欠場の知らせに思わず気合いが空回りしたわけですが、チームテスタスポーツは、スーパー耐久シリーズに参戦する大多数のチームと違って、完全なプライベータ体制で臨む稀少なチーム。その厳しいチーム運営の側面をしばしば垣間見ている私達は、誰よりもレースを愛しているオーナーさんの苦渋の決断を、黙って受け入れるしかありませんでした。




 ◆参戦の決定◆

 そして8月、チームは熟考の末にTIサーキット英田で開催される第6戦への参戦を決意。MINE戦のスキップによって約1年間ぶりとなる実戦に、満を持して臨むことになりました。TIサーキットといえば78号車がデビューを飾った思い出の地ですが、これで2001年から4年連続の参加が実現したわけです。

 しかし正直なところ、チームが今シーズンのS耐戦に参戦するにあたり、私達WW2は大きな不安をひとつ持っていました。
 それは、グリッド台数制限によって生じる
予選落ちの懸念でした。


 スーパー耐久シリーズでは過去にも、多くのチームの本拠地が集結する首都圏近郊の富士やもてぎのレースで、参加台数の膨らむクラス2やクラス4を中心に、複数台の予選落ちが恒常的に発生していました。しかし、ことクラス3において、一発の速さが身上のRX−7がその対象となる可能性は極めて低いものでした。(とはいえ、2001年の富士遠征ではかなりヒヤヒヤしたのも事実ですが…)

 しかし2004年、新興勢力のZ33の大量増殖によって、クラス3には参加台数の増加と勢力分布の一変がもたらされ、信じられないことに、我らがRX−7が予選落ちの憂き目に遭うケースが続出していました。開幕戦・もてぎ、第3戦・鈴鹿では各1台、第2戦の仙台ハイランドでは2台ものRX−7が、決勝レースへの進出を許されなかったのです。この由々しき事態は、スポット参戦組のチームテスタスポーツにとって大きな脅威であり、たとえその舞台がもっとも勝手知ったるTIサーキット英田であったとしても、過去3年間のような「トラブルなく走りさえすれば…」から、「トラブルなく走ったとしても…」へ、取り巻く状況が急変していることを示していました。

 そんな環境の変化をまざまざと見せ付けられたのが、今年の第4戦・MINEでした。
 チームの不参加の決定を受けて、WW2ツアーを組んで久々にスタンド側から観戦したこのレースでは、RX−7勢の相対的な戦力低下が浮き彫りとなっていました。従来から、クラス3のライバルに対してPITストップの必要回数でハンデを持っているRX−7が、序盤の雨の影響もあってコース上でのマージンを全く稼ぎ出すことができず、速さと燃費の双方で、ライバルのZ33やNSXに対して劣勢に立たされたという、まさに「完敗」に等しいレースでした。




◆スーパー耐久第4戦・MINEでのスナップ◆

先行逃げ切りを図るも・・・
#14 エンドレスアドバンRX-7
(決勝:クラス5位)
クルマ単体も撮りたかったんだけど・・・(笑)
#15 レーシングスパルコディクセルRX-7
(決勝:リタイヤ)
Kojiさん・ぬまさん・しんぺーさん・Yasuさん
メインスタンドで観戦中の
WW2メンバー
地元の意地でRX−7勢TOP!
#7 MAKES hart RX-7
(決勝:クラス4位)
初登場ながら速さを見せるも、惜しくもR
#113 MAZERマジョーラRX-7
(決勝:リタイヤ)
観戦準備か帰り仕度かは想像にお任せします(笑)
快適サロンバス・
しんぺー号



 
こうして予選段階から厳しい戦いが予想される中で、約一週間前に発表されたTI戦の暫定エントリーリストには、先のMINE戦にスポット参戦していたRX−7チームの姿はなかったものの、案の定、11台もの参加車両がクラス3に名を連ねていました。内訳はZ33が4台、NSXが2台、BMWが1台、そしてRX−7が4台となっています。
 しかし今回は、全クラスの総参加台数が
45台であるのに対し、フルグリッド台数54台を誇るTIサーキットの設備条件も味方し、幸いなことに足切りの必要はないことが判明したのでした。\(^O^)/ いろいろと気を揉んでいた私達もホッと胸を撫で下ろし、サポートの準備に集中することができました。


 ◆PITストップボードの製作◆

 私達WW2は昨年のTI戦の時に、カッコいいPIT看板を製作してチームに寄贈したわけですが、時間不足のために準備できなかったアイテムが幾つか残っていました。ピットロードに進入してきた78号車をPIT位置へ誘導するためのストップボードもそのひとつで、今回は私がKojiさんと相談し、重要性と緊急度を考慮して早々に製作を決めました。

 F1中継等では、長いステーの先に小さい指示ボードが付いたものをPITクルーが持ち、マシンの誘導〜ブレーキON・ギア選択指示〜GOサイン出しとフル活用しているのを見かけますが、今回は私の独自案で、用途をマシンの誘導と停止指示だけに絞り、

  @ドライバーから視認しやすいデザインであること
  APITクルーが持ちやすい軽さと形状であること
  BPITレーンでのラフな扱いにも耐え得ること、

の3点に重点を置いて製作を検討しました。
 当初は、ピットウォーク時の展示ボードや、裏面にメモ書きスペースを設けた作戦ボードまで兼ねた超・多機能ボードをイメージしていたのですが、欲張り過ぎずに機能性を重視するようにとのカリスマメカニック氏の有難いアドバイスがあり、なんとか踏み止まった次第です()
 
デザイン・製作にあたっては、今回もメンバーのmuneさんに多大な協力をお願いすることになりました。


PITストップボードのデザイン案


 
どうです!!… PIT看板と共通イメージの基本デザインの上に、「78」の数字がとても目立つようにレイアウトされています。外郭サイズは重量増加を避けるため必要最低限のコンパクトなもので、取っ手部のくり抜きやコーナー部のR掛け等、昨年のPIT看板よりずっと手の込んだ素晴らしい作品となっています。TI戦を週末に控えた月曜日、私は二つ返事でmuneさんのデザイン案を了承、早速製作に取り掛かってもらいました。

 下の写真は、今回の完成品を従来のボードと並べてみたものです。過去の6戦で使用していたものは、じつはダンボールの切れ端で作った簡易的なものでした。78号車の旧カラーリングを連想させる蛍光オレンジのカッティングシートが鮮やかで、サイズの大きさもあって抜群の視認性を持っているのですが、持ち易さをはじめとして、強度や対候性、そして体裁という点においても(笑)、新しいストップボードの方が遥かに優れていることは明らかです。

大きいけど風が吹くと飛んでいきます(写真左)
新・旧ストップボード比較


 
muneさんはプライベートで超ご多忙な中、私達がTIへ向かう出発前夜の遅くまで、ボード製作のために奔走してくれました。この場を借りて御礼を申し上げたいと思いますm(__)m




●9月10日(金)
 S耐練習走行日

 練習走行日の金曜は、朝から生憎の雨模様でスタート。午後のセッションは相次いで赤旗中断となる波乱の幕開けとなりました。徐々に天候は回復していったものの、ドライに近い路面状況で走行ができたのは、午後の2回目のフリー走行以降のことでした。

スーパー耐久 専有走行 総合リザルト
【クラス3車両のみ抜粋;順位は総合順位】
◆9月10日(金) 天候:雨→曇り◆
 8.#245 モバイルキャスト アドバンZ 1'40.406 ― 
10.#23 C−WEST ORCアドバンZ 1'41.030 +0.624
13.#83 BP ADVAN NSX 1'41.561 +1.155
15.#27 FINA BMW M3 1'41.772 +1.366
18.#88 ingsアドバンコムセント Z 1'42.073 +1.667
20.#79 TAITEC ADVAN NSX 1'42.365 +1.959
22.#15 レーシングスパルコディクセルRX−7 1'42.515 +2.109
31.#7  MAKERS hart RX−7 1'44.018 +3.612
32.#19 TC−KOBE・MAX・Z33 1'44.319 +3.913
40.#78 WW2 ダンロップ RX−7 1'46.060 +5.654
46.#14 エンドレス UEMATSU RX−7 1'48.275 +7.869


 この日の78号車のベストタイムは、3回目のフリー走行で記録した1分46秒060(クラス10位)となりました。2回目のフリー走行でクラッシュし、以降の走行をキャンセルした#14・エンドレス UEMATSU RX−7を除くと、クラス3での最下位に相当しますが、今回の結果は偶然にも、ベストタイム、全46台中40位の総合順位ともに、昨年のTI戦の金曜日とほぼ同等となっており、1年ぶりの実戦レースとして考えれば、まずまずの滑り出しを見せたといえるでしょう。

◆    ◆    ◆    ◆    ◆

 この日WW2からは、まず克ちゃんが先発隊としてチームにサポート参加しました。克ちゃんは昨年のTI戦は欠場したため2年ぶりの参加でしたが、私達サポート隊の中では一番若くてフットワークの良い彼の復帰は本当に心強い限りです。ただし、ここ1年間の体型の変動により、給油時に装着するレーシングスーツがかなりキツくなってしまったとか・・・()

 そして、ヤル気満々の克ちゃんを当日朝TIサーキットまで送ってくれたのが、
こーぢさんでした。思い返せば、海外赴任が決定したために急遽参加を断念したのが2003年のMINE戦の直前。彼がチームスタッフの前に登場するのはじつにそれ以来のことであり、PITで久々の再会を喜んでいました。さらに彼にとっては、今回がDIREZZAカラーに変身した78号車との初対面にもなりました。
 こーぢさんは一時帰国中の忙しいスケジュールの合間をぬって、水曜夜の機材詰め込みと金曜の練習走行に応援に駆け付けてくれたわけです。ここは感謝の意味を込めて(?)、この日のこーぢさんの撮影画像をドーンと掲載してみました(^.^)。

ヘアピン通過中の有木選手
金曜のフリー走行枠を走る78号車
(画像提供:こーぢさん)




●9月11日(土)
 予選日早朝


 土曜日からの参加となった私は、
muneさんの力作・PITストップボードをはじめ、レーシングスーツ、差入れの飲み物、クーラーBOXなどをクルマに詰め込み、朝3時半にKojiさんと合流。その後、広島市内でチーム関係者をピックアップし、薄明るい山陽自動車道を東に向け爆走。朝7時頃にTIサーキットへ到着しました。

 
ここ最近の参戦では、とかくPITレーンの端っこの方に陣取って、地味にレースウィークを過ごすことが多かったチームテスタスポーツですが、今回与えられたPIT位置は今までとは一転、メインスタンド中央部からやや1コーナー寄りの「15―C」でした。ふと左を向けばクラス1のポルシェ911GT3(GOOSENECK SPORT)、右を向けばクラス2のランサーエボリューション(MACモータースポーツ)、そしてその隣はまたもポルシェ(ADVAN KONDO RACING)と、S耐ピットレーンの中でもかなりの「目抜き通り」に拠点を構えることになりました。

 メインスタンドほぼ正面にあたるこのPIT位置のメリットは、何といっても、最終コーナーから一定の距離があるため、マシンの識別やサインボードの提示に余裕を持って対処できることです。昨年のように最も最終コーナー寄りのPIT位置だった場合、メインストレート入口からサインガードまでの距離が極端に短くなるため、サインマンは最終コーナー通過中のマシンのルーフとハチマキ色を瞬時に見極め、急いで行動を起こす必要がありました。当然ながら、ルーチンのPITストップの際にも同様に慌しい動きを強いられ、全く気の抜けない展開だったわけですが、今回に限ってはその心配はありません。

会長さん いつもお疲れさまです(^.^)
サインガードからの視界

 他にも、S耐事務局に比較的近くて都合が良いこと、コントロールラインに近いため視覚的にレース全体の動きが俯瞰し易いことなどのメリットがあります。一方で、車検場やガソリンスタンド、さらにスターティンググリッド位置(たぶん;笑)から遠ざかってしまうデメリットもあるのですが、決勝レース重視で考えれば、総じてメリットの方が多いといえるでしょう。


車検場まで遠かったので私はパス(笑)
公式車検に臨む #78・WW2 ダンロップ RX−7
(画像提供:Kojiさん)


 
私達がチームテスタスポーツのPITに到着した時は、すでに公式車検の開始時間を過ぎており、78号車はチームスタッフと共にPITを後にしていました。78号車はS耐通算で7度目、ここTIではじつに4度目となる公式車検を問題なくパスし、土曜日の公式セッションに駒を進めることになりました。

 


 

●9月11日(土)
    AM9:50〜10:20
 ドライバーズ予選

 無事に通算7枚目の車検合格シールを貼られた78号車は、土曜日最初の公式セッションとなるドライバーズ予選へと進みます。ここは決勝グリッド位置を争うものではなく、A/B両ドライバーの基準タイム通過のみが目的です。

 注目の基準タイムは、総合順位TOP3のベストタイム平均の130%と、所属クラスTOP3のベストタイム平均の110%との速い方のタイムで決定されますが、クラス3では
1分50秒前後のタイムになる見込みで、完全なドライ路面下で行なわれる限り、新宅選手/伊藤選手ともに不通過の懸念はありません。よって、マシンのセットアップに主眼が置かれることになります。

 今回のTI戦に先立ち、大きなクラックが入っていたフロントウィンドゥを新品に交換した78号車には、この時点ではまだハチマキステッカーが装着されていませんでした。そこで、予選出走の直前、私と克ちゃんで慌しく貼付作業を行なうことにしました。コクピット周りの準備作業を邪魔しないように気を配りながら、大胆かつ繊細に(?)カッター片手に作業を進めていきます。

 昨年マシンカラーリングを一新して以来、78号車のハチマキ色はずっと赤だったのですが、今回は
2004年仕様として変化を付けるため、同じダンロップカラーの中から黄色をチョイスしてみました。後でよく眺めてみると、色彩バランス的にはやはり赤が一番良い感じですが、黒のルーフを間に挟んで、黄色のリアウィングとハチマキが共に大きなアクセントになっており、アピール度が増したので結果オーライとしましょう。

 なお、金曜日のハチマキ無しの78号車の写真が、S耐非公式ページのレポートに掲載されているので紹介します。年1〜2回程度のスポット参戦にもかかわらず、私達のチームのことをしっかりと覚えていてもらえるのは本当に有難いことです。サイトの管理人さんに心から感謝致します。


 
→ 「練習走行レポート
 (The Super−Taikyu Race より)


空気抜き中の克ちゃん
ただいま仕上げ作業中

左半分はフリーハンド、右半分は定規でカット(爆)
DIREZZAステッカーと
クラス識別マークを貼り完成
 
 
すっかり出走準備の整った78号車は、オフィシャルによって青マーキングが施されたスリックタイヤを装着し、ほぼ定刻通りのAM8:51にAドライバーの新宅選手がコースイン。途中でBドライバーの伊藤選手に交代するいつも通りのパターンです。

じつはこの状態で無理矢理マーキングしてもらった(笑) いざ出陣!!(PIT看板裏にも何か欲しいなぁ・・・)
P1レーシング&ドライ用スリック PITレーンで待機中


 新宅選手は、本格的な計測に入ってすぐに1’46.343のタイムをマーク、AM10:02には早々にPITインしてドライバー交代を行います。代わった伊藤選手は最初のアタックLAPでいきなり44秒台に入れ、その翌周にはタイムを1’44.416まで伸ばしました。
 この頃、クラス3のTOP争いは、1分40秒台のタイムを叩き出したZ33勢で争われていました。これにBMWが41秒台、NSXが42秒台で続き、RX−7勢は43秒台が精一杯という展開でした。
 伊藤選手はAM10:10過ぎに一度PITインし、エンジニアと言葉を交わした後で再度コースイン。タイムを再び44秒台に乗せますが、ベストタイムの更新にはあと一歩届きませんでした。


新宅選手から伊藤選手へ交代 タイヤのフィーリングを伝える伊藤選手


 結局、78号車はクラスTOPの約4秒落ちのタイムで、クラス10位となりました。RX−7勢のTOPからは1.2秒遅れで、総合順位は45台中32位となっています。金曜の練習走行に比べて、クラス上位とのGapを大きく縮めたのはとても良い傾向であり、午後のグリッド予選には期待が持てそうです。


スーパー耐久 ドライバー予選 リザルト
【クラス3車両のみ抜粋】
◆9月11日(土) 天候:晴れ◆
 8.#23 C−WEST ORCアドバンZ 1'40.466 ― 
 9.#245 モバイルキャスト アドバンZ 1'40.809 +0.343
11.#27 FINA BMW M3 1'41.501 +1.035
17.#88 ingsアドバンコムセント Z 1'41.987 +1.521
19.#79 TAITEC ADVAN NSX 1'42.438 +1.972
20.#83 BP ADVAN NSX 1'42.773 +2.307
22.#15 レーシングスパルコディクセルRX−7 1'43.225 +2.759
26.#7  MAKERS hart RX−7 1'43.510 +3.044
27.#19 TC−KOBE・MAX・Z33 1'43.900 +3.434
32.#78 WW2 ダンロップ RX−7 1'44.416 +3.950
DNQ.#14 エンドレス UEMATSU RX−7 (1'43.203) (+2.737)



 クラス3に起こった波乱は、金曜日のクラッシュから復活したばかりの#14・エンドレス UEMATSU RX−7にミッショントラブルが発生し、Bドライバーの入口選手が基準タイムをクリアできなかったために、不本意な予選不通過を喫してしまったことでしょう。当然ながら、午後のグリッド予選への参加権は消失します。勿論、嘆願書による決勝参加の道は残されていますが、チームは緊急の修復作業を強いられるとともに、大きな戦略変更も余儀なくされます。

 幸い、78号車は過去のレースでは小破こそありましたが、大規模なクラッシュの経験はありません。レースウィーク中に予定外の修復作業が発生すると、チームのスケジュールに大きな狂いが生じ、焦燥感に支配されることは想像に難くありません。3台体制で臨む岡部自動車にとってはタフな展開となりそうですが、今やすっかり脇役に甘んじてしまった感のあるRX−7勢の一員として、決勝レースでは共に元気なREサウンドを轟かせることを祈りたいと思います。




 ◆マシンの進化◆

 ここで78号車の今回一押しの新兵器を紹介。

 それは携帯電話を利用した簡易通信システムで、ステアリングに設けられた通話ボタンを操作することで、インパネに固定されている携帯端末を介し、コクピット内のドライバーとPIT首脳との双方向通話が可能になっています。もちろんマイクはドライバーシート横の最適な位置に配置されています。

 製作を担当したながつ氏によれば、工数不足のためノイズを拾ってしまう問題点が残っているとのことですが、こうした通信手段があるのとないのとでは雲泥の差であり、昨年のここTI戦で失った数LAPもの悔しいロスのことを思い出すまでもなく、有効な武器となることはまず間違いのないところです。

ちょっと(かなり?)ピンボケ・・・
78号車のコクピット


 
当初から本格的な通信システムを駆使しているレギュラー組のチームから見れば、何を今さら?と笑われるかもしれませんが、完全なるプライベーターチームが実戦での試行錯誤を重ねた結果、参戦7戦目にしてここまで辿り着けたことは大きな進歩であり、着実な成長の跡が窺えるというものです。


 




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