昨年からレース距離が500kmに延長され、総周回数が135周となった岡山戦。
私達チームテスタスポーツの今回の想定周回数は、総合トップから9周遅れの126周で、昨年を1周上回る数字です。
チーム過去最速の予選タイムを引っ提げて臨む今回の決勝レースでは、走破周回数でも同様にチーム記録の更新を狙います。
13時27分、ポールシッターの#10・Cenote
ADVAN Zを先頭に、いよいよレースはスタート。日曜午後の長丁場の戦いの火蓋が切って落とされました。
昨年はオープニングラップでST−3クラスのZ33が5台も犠牲になる大アクシデントが発生しましたが、今年は比較的クリーンなスタートが切られたようです。
そんな中、予選が不本意な結果に終わったマシンやドライバーにとってここは絶好の名誉挽回のチャンス。スタート直後の超接近戦の中で虎視眈々とポジションアップを狙っていきます。
◆ST‐3クラス順位◆
経過時間:
0H 02M (周回: 1/135 LAPS)
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総合11位 |
#39
TRACY SPORTS eeiA NSX |
1LAPS |
総合12位 |
#78
WW2 RX-7 |
1LAPS |
総合15位 |
#333 エクセディ
H.I.S. イングス Z |
1LAPS |
総合16位 |
#777 屏風浦工業
ニューテック Z |
1LAPS |
総合17位 |
#14
岡部自動車 ディクセル RX-7 |
1LAPS |
総合19位 |
#27
FINA GSX ADVAN M3 |
1LAPS |
総合20位 |
#15
岡部自動車 ディクセル Z |
1LAPS |
総合21位 |
#38
MSF&ケーズパワー NSX |
1LAPS |
総合22位 |
#113
UNIT Racing ☆ ings Z |
1LAPS |
総合24位 |
#19
高見沢整骨院☆真東☆TC神戸 Z33 |
1LAPS |
総合25位 |
#
7 ドリームエンジェル アドバン RX-7 |
1LAPS |
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
私達の#78・WW2 RX−7もアクシデントに巻き込まれることなくスタートを切りましたが、2周目ですぐ背後につけていたZ33勢2台に相次いでパスされ、ST−3クラスの2位から4位まで後退します。
さらに、後続のクラス5位・#14・岡部自動車
ディクセル
RX−7以下の集団も僅差で連なっている状況で、はたして78号車はこのままズルズルと中位集団に飲み込まれてしまうのか・・・私は序盤の戦いの趨勢を占うべく、タイミングモニターを固唾を呑んで見守っていました。
しかし、3周目以降、レースがひとまず落ち着きを見せ始めた頃から、状況は次第に変わっていきます。
まず、一時は0.3秒差まで縮まった#14とのギャップを、スタートドライバーの檜井選手がラップタイムを1分44秒台に入れ、ひとまず0.6秒差まで押し戻します。
これをきっかけにして形勢は逆転。
すかさず#14も43秒台までペースを上げて追従の構えを見せるものの、檜井選手の駆る78号車はそれを上回る勢いでペースアップ。5周目には早くも42秒台をマークし、両車の差はあっという間に2秒まで拡大しました。
ここまでの状況を見る限り、スタート直後のポジションダウンは、タイヤが十分なグリップ力を発揮するまでやや時間を要したことによるものかもしれません。
私は、今レースウィークを通じて好調な檜井選手と78号車のコンビネーションをもってすれば、決勝レースでも43秒台での安定した周回が可能なのでは?と大きな期待を寄せていました。
果たして檜井選手は、フルタンク状態の序盤から早々に43秒台に突入しただけでなく、一昨年の78号車の予選タイムに匹敵する42秒台までマークするなど予想以上の速さを披露。これはST−3クラス勢の中でも際立つハイペースで、この後の一大パフォーマンスを予感させるに十分なものでした。
土曜の公式予選で過去最高のクラス2位を獲得した78号車の勢いは、この決勝レース中も途切れることなく続いていたのです!
◆ST‐3クラス順位◆
経過時間:
0H 12M
(周回: 5/135 LAPS)
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総合13位 |
#39
TRACY SPORTS eeiA NSX |
5LAPS |
総合14位 |
#333 エクセディ
H.I.S. イングス Z |
5LAPS |
総合15位 |
#777 屏風浦工業
ニューテック Z |
5LAPS |
総合16位 |
#78
WW2 RX-7 |
5LAPS |
総合17位 |
#14
岡部自動車 ディクセル RX-7 |
5LAPS |
総合19位 |
#27
FINA GSX ADVAN M3 |
5LAPS |
総合20位 |
#15
岡部自動車 ディクセル Z |
5LAPS |
総合21位 |
#113
UNIT Racing ☆ ings Z |
5LAPS |
総合23位 |
#
7 ドリームエンジェル アドバン RX-7 |
5LAPS |
総合24位 |
#38
MSF&ケーズパワー
NSX |
5LAPS |
総合25位 |
#19
高見沢整骨院☆真東☆TC神戸 Z33 |
5LAPS |
■オ-バーテイクショー、始まる■
檜井選手は10周目に78号車の今レース中のベストタイムとなる1’42.949をマーク。
すでにこの頃、後続の#14・岡部自動車
ディクセル RX−7とのギャップは5秒以上も築かれ、逆に、一度は先行されたクラス3位の福山選手の#777・屏風浦工業ニューテックZを0.3秒差まで追い詰めるという気迫の走りを見せていました。
すわ再逆転か?とチーム全員が早くも色めき立ちますが、ここで後方から追い上げるST−2クラスのマシンが両車の間に割って入り、バトルは一旦水入りとなりました。
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クラス3位を走行する
#777・屏風浦工業ニューテックZ |
クラス5位を走行する
#14・岡部自動車ディクセルRX-7 |
その後、再び#777・屏風浦工業ニューテックZと#78・WW2 RX−7のバトルが再開しますが、実はこれ、クラス2位の座を巡る争いに局面が変わっていました。
なぜならこの時すでに、クラスポールからスタートし2位に陥落していた#39・TRACY SPORTS
eeiA NSXを、#777と#78は相次いでパスしてきていたのです。
予選ではあと一歩届かなかった#39をコース上のバトルで堂々とオーバーテイクしたことは、ピットで78号車の走りを見守る私達自身にとっては大きなサプライズでした。「NSXはタイヤがキツいので抜けるはず」とレース前に語った檜井選手の見事なまでの有言実行。私達はこれに大いに感動すると同時に、大きな自信と勇気をもらった気がしました。
途中でST−4クラスの周回遅れの処理が入ったため、一時的に両車の差は開きますが、すぐにその間隔が詰まってしまうところを見ると、明らかに#78の方が余力がありそうな雰囲気です。
そんな檜井選手の快進撃の様子はタイミングモニター上でも手にとるように判りましたが、私達が何よりも驚いたのが、この頃には場内放送のライブ中継画面に78号車の姿が大映しになっていたこと!!
正直、78号車の戦う様子をサインガードやタイミングモニター以外の情報源から得ることができるなんて、私達にとって俄かに信じられない出来事であり、メンバーの誰もが興奮を禁じ得ません(笑)。
その証拠に、例年であればこの時間帯、チームメンバーはスタート前後の緊張から解放され、ピットやテント内で思い思いに休憩をとっているはずなのに、皆がピット内の小さなTVモニター前に集結し、固まったようにその映像に釘付けとなっていました。
そこで、私がここぞとばかり、タイミングモニター用として準備してもらった大きな液晶モニターを同じチャンネルに切り替えて78号車の雄姿を大映しにすると、PIT内は歓声と笑顔に包まれました。
そして私達の興奮のボルテージは、23周目に最高潮に達します。
クラス2位の#777と0.4秒差でコントロールラインを通過した78号車は、アットウッド入口で#777の真後ろまで迫り、続くバックストレートでは早々に大柄なZ33のスリップに入ります!
これを嫌ってマシンをジワッと右に振った福山選手に対し、檜井選手は左側にマシンを振り、2台並んだままストレートエンドのヘアピンへ。アウト側のレコードラインをキープする78号車に対し、イン側の#777が僅かに鼻先を出した状態でコーナリングを開始しますが、ここで檜井選手はイン側の福山選手に対して一気にすっとマシンを寄せ、TVモニターを注視していた私達もすわ接触か!と思わず息を飲みます・・・。
しかし檜井選手は、そのフェイントアクションに続けて、レコードライン上のグリップの有利さを生かし、福山選手のすぐアウト側にピタッと追従したまま右ヘアピンを併走。続く左のマイクナイトコーナーに、イン側を確保したままアプローチ!
「おおっ!」と我々が声を上げる中、78号車はこの下りの左コーナーを見事に制し、#777を後ろに従えたまま続くウィリアムズコーナーを立ち上がっていったのです。
TVモニターに映し出された#78のバトル、そしてオーバーテイクシーンに、私達は全員で大声を上げてガッツポーズ!!
コース上での熾烈なバトルを制し、クラス2位の予選ポジションを見事に奪還。
ピットで見守っていた私達は大興奮の最中にいましたが、それに加えて、檜井選手と福山選手が終始フェアでクリーンなバトルを展開してくれたことが何よりも爽快であり、誇らしく思えました。
ここでST−1/ST−2クラスのマシンにルーチンのピットストップの動きが出始めたため、モニターの中継画像から#78の姿は消えてしまいますが、なおも快調な檜井選手は追撃の手綱を全く緩めず、クラストップを単独走行する#333・エクセディH.I.S.イングスZとの差を果敢に削り取っていきました。
第1スティントの猛追劇もいよいよ大詰めを迎えます。
◆ST‐3クラス順位◆
経過時間:
0H 42M
(周回: 25/135 LAPS)
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総合13位 |
#333 エクセディ
H.I.S. イングス Z |
25LAPS |
総合15位 |
#78
WW2 RX-7 |
25LAPS |
総合16位 |
#777 屏風浦工業
ニューテック Z |
25LAPS |
総合17位 |
#39
TRACY SPORTS eeiA NSX |
25LAPS |
総合18位 |
#113
UNIT Racing ☆ ings Z |
25LAPS |
総合19位 |
#14
岡部自動車 ディクセル RX-7 |
25LAPS |
総合20位 |
#27
FINA GSX ADVAN M3 |
25LAPS |
総合21位 |
#15
岡部自動車 ディクセル Z |
25LAPS |
総合23位 |
#38
MSF&ケーズパワー NSX |
24LAPS |
総合24位 |
#19
高見沢整骨院☆真東☆TC神戸 Z33 |
24LAPS |
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総合33位 |
#
7 ドリームエンジェル アドバン RX-7 |
21LAPS |
今回、私は檜井選手の第1スティントの周回数を47周に設定していました。
3日間の走行セッションからはじき出した燃費データに加え、過去の78号車の実績も考慮して導き出した「堅めの」数字でしたが、時折り42秒台に突入するほどの劇速ペースでの周回となると78号車には全く実績がないため、万一のガス欠発生も考慮に入れながら、チームは早目に1回目のピットストップの準備を開始します。
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