〜The WILL for
WIN (勝利への意志)〜
「WW2」の名前の由来でもあり、私達WW2メンバーはもとより、マツダのモータースポーツ活動を応援していたファンの間にもしっかりと記憶されているであろうこの有名なフレーズ、その発祥の地となったのが、かつてマツダが発行していた冊子「POLE POSITION」であることはすでに何度も紹介してきた通りです。
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1960年に乗用車市場への進出を果たしたマツダ(東洋工業)は、その僅か数年後にファクトリーチームを編成して本格的なモータースポーツ活動を開始。その活動は日本国内に留まらず、アジアを手始めとしてモータースポーツの本場・ヨーロッパ、そしてアメリカと、世界各地の名だたるステージを舞台にして積極的な活動を展開していきました。
’80年代を迎える頃、そのワールドワイドなモータースポーツ活動の最前線から、リアリティ溢れる生々しいレポートを発信してくれる冊子が登場します。ひときわサイズの大きいこの冊子には、「POLE
POSITION」というタイトルが掲げられていました。
その内容の中心は、読む者を思わず圧倒する大迫力の写真と、リアリティ溢れるインサイドレポートでした。時にはやや誇らしげに、時には大いに悔しげに、マツダワークスのチャレンジ活動のリアルな息遣いを、私達ファンの元へと届けてくれたのです。読み手の一人一人は即座に、その過酷な戦いの世界へと引き込まれていったものでした。
そして、国内自動車メーカーのパイオニアとして、頂点を目指して「飽くなき挑戦」を続けるル・マン24時間レースへの挑戦の過程で、「勝利への意志」という意味の力強いフレーズが誕生するのです。
やがて、夢にまで見たル・マン総合優勝をまさに「公約通りに」果たし、1991年9月発行の「Vol.25」にてその模様をリアルに伝えながら、それまでのチャレンジ活動を総括、さらなる挑戦の継続を宣言したのでした。
しかしその翌年、マツダのモータースポーツ活動休止宣言により、POLE POSITION誌は突如その役目を失うこととなり、10年以上にわたる歴史に幕を下ろしました。
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1992年、MX−R01によるSWCチャレンジを伝える「Express版・Vol.2」を最後の発行としたPOLE
POSITION誌。
あれから実に12年もの歳月が流れた2004年某月、私達は突然、Web上でこの冊子との再会を果たす機会に恵まれたのでした。
それは、種々の広告の企画制作を手掛けている、D.Station(ディーステーション)さんのWebサイトにありました。
◆TOPページ
: http://www.d-station.org/
◆「緊急公開!ポールポジション・プレビュー」
: http://www.d-station.org/poleposition/poleposition.html
聞けばD.Stationさんは当時からPOLE
POSITION誌の発行に深く関わっていたとのことで、〜The
WILL for WIN〜
のフレーズに関しては「生みの親」といっても良い存在であり、今回のページ公開は、いわば「本家本元からのプレゼント」ともいうべきものなのです。
現時点で公開されている頁はごく一部ですが、それでも十分に当時の模様を垣間見ることができます。当時を知る人にとってはとても懐かしく、初めて見る人にとっては新鮮に、マツダのチャレンジスピリットが静かに(そしてアツく)伝わってきます。
ファンにとっては、もはやその存在を語り継ぐしかなかった幻の冊子・POLE
POSITION誌。こうして現代に蘇らせてくれたD.Stationさんには心から感謝の意を表したいと思います。この公開を契機に、復刊の話が一気に実現するようなことになれば、マツダの直向きな取り組みの様子をより多くの人に知ってもらうことができるという意味で、大変喜ばしいことだと思っています。
→(参考)復刊ドットコム
と同時に、あらためて当時を振り返ってみると、こうした生き生きとしたライブレポートが輝いていたのも、当然ながらその一方に、世界中の熱心なファンが注目し続ける、リアルタイムのモータースポーツ活動があったからこそです。
私達WW2は、近い将来、マツダがモータースポーツ活動を再開することによって、21世紀版の「POLE
POSITION誌」が再び登場してくれることを心から願っています。そして私達は、その実現の可能性は決して低くないと信じています。なぜなら、モータースポーツ活動が遠い過去のものとなってしまった今のマツダには、新しくチャレンジを開始するフィールドは無数に存在しているわけですから。
TVや観戦スタンドでMAZDAのマシンの勇姿を見届けた後で、POLE
POSITION誌のインサイドレポートでさらに深くその裏側の世界に迫る・・・こんな至極の楽しみ方を、かつての「POLE
POSITION世代」だけのものにしておくのは、あまりにも勿体無いですからね!
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