MAZDA 767B
(1989−1990)


1989 Le Mans




1990 Le Mans

 初の4ローターマシンとして登場した767に徹底的なモディファイを加えて戦闘力を高めたモデルがマツダ767Bである。
 まず、量産車と同じ可変吸気システムを採用した13J改(・改)エンジンは、80psもの出力向上と中低速域のトルクアップを達成。次に、エアインテークやスクープを簡素化し、カーボンやチタン素材を随所に採用することでトータル50kgの軽量化に成功。最低車重の軽いIMSA-GTPクラスのメリットを最大限に生かしている。さらに、緻密な風洞実験を繰り返すことで、有効なダウンフォースを失わずにCd値の15%低減を実現した。こうして導き出されたのが、767Bル・マン仕様のスタイルを特徴付けるショートノーズ&リアエンド処理、そして超ローマウントのリアウィングである。エアインテークや冷却用ダクトもボディ表面から突出しないように配慮された。

 89年のル・マンでは期待通りの快走を見せ、ほぼノ―トラブルで約4980kmを走破し7位入賞を果たした。

 
細かい所では、フロントカウルの形状やチンスポイラーの調整機構にも89年のシーズン途中に改良が加えられている。

 なお90年のJSPC緒戦およびル・マンでは13JLエンジンを搭載。これは、後継モデルの787のR26Bエンジンに採用されたリニア可変吸気システムに向けた技術的トライを織り込んだものである。
 
   
  '89 spec 767B 767
Category IMSA-GTP
Engine 13J-Mod. 4Rotors (654cc x 4)
Max Power 630PS / 9000rpm 550PS / 8500rpm
Max Torque 52kg-m / 8000rpm 50kg-m / 8000rpm
Chassis Twin tube Alminum &
Carbon Composit Monocoque
Suspension
(Fr) Pull Rod Inboard Springs
(Rr) Locker Arm
Wishbone Inboard Springs
Transmission Mazda & Porsche 5 speeds
Dimensions
Length 4683 mm 4625 mm
Width 1990 mm
Height 1013 mm 1025 mm
Tread (Fr) 1584 mm
(Rr) 1504 mm
Wheelbase 2637 mm 2600 mm
Weight 800 kg 850 kg
Tires DUNLOP
Size(Fr) 275-620-17 325-630-415
(Rr) 330-700-17 350-700-415
Wheels RAYS
Size(Fr) 12 x 17 inch
(Rr) 14.75 x 17 inch
Others
Damper Bilstein
Spark Plugs NGK
Brake Rotor Brembo
Brake Bad Brembo
Clutch Borg & Beck Triple Plate