PORSCHE 962C

 87年以降、ワークス活動を休止した「耐久の王者」ポルシェは、その後セミワークスと呼ばれる有力なプライベータへのサポートを存続していた。国内耐久にもその流れをくむマシンが数多く上陸している。レイトンハウスは独クレマーと、トラスト、アルファキュービックは英国RLR(リチャードロイドレーシング)とジョイントしたほか、チームシュパンはポルシェワークスが使用したマシンそのものを購入している。ところがその一方で、日本にもセミワークス級の待遇を受けるチームがあった。その実績から「東洋のポルシェワークス」という異名を持つノバエンジニアリングである。彼らのメンテナンスするフロムエーやアドバンのマシンには常に最新パーツが供給され、その上でさらにノバ独自のモディファイが加えられた。したがって、ポルシェ本社仕込みのカーボンモノコック(従来はアルミフレーム)や、待望の3.2リッターエンジン(同3リッター)が最初に奢られたのもこのチームのマシンだった。
 JSPCでのプライベートポルシェ勢のハイレベルな戦いは、アルファレーシングチームが90年のルマンでポルシェ勢最上位の3位表彰台をゲットしたことでも十分証明されている。

 こうして耐久レースを支え続けてきたポルシェも、国産ワークス勢の開発競争には追いつけず、92年にはついにその姿を消すこととなり、同時に耐久選手権自体も一気に衰退してしまう結果となった。ワークスとプライベータの共存なくしてカテゴリーの隆盛はないという、現在世界のレース界が抱える問題をはからずも露呈する結果となったわけである。


<FROM A Racing Team>     <ADVAN alpha NOVA>
 

<LEYTONHOUSE Racing Team>


<TRUST Racing Team>


<Team SCHUPPAN>
 

<ALPHA CUBIC with RLR>


<alpha Racing>           <The Alpha Racing Team>
 

 

 

【お断り】
本ページの掲載画像は、下記より引用させて頂きました
◆JSPC大会パンフレット◆