JAGUAR XJR-11

 91年シーズンの途中からWSPC(世界スポーツプロトタイプカー選手権)の雄であるジャガーを持ち込んで話題をさらったのがサンテック・レーシング・チームである。ジャガーのワークスチームであるトム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)とのジョイントで生まれたのがこのチームで、ドライバーはM.マルティニとJ.クロスノフという若いコンビに、ベテランのJ.ニールセンがTWRから送り込まれた。チーム監督には俳優の神田正輝を起用するという異色のチームでもある。

 このXJR−11はもともと90年にTWRがWSPCのシリーズ戦を闘うために投入したマシンである。3500ccのV6ターボを搭載して約750馬力を発生する。残念ながらJSPCではデータ不足のために目立った戦績を残すことはできなかったが、世界戦の主役の登場だけに十分な存在感はあった。
 ジャガーワークスは信頼性・耐久性の重要視されるル・マン24時間レースに関しては7.4リッター自然吸気のXJR−12を用意してのぞんだが、このサンテックチームも同様に91年のル・マンをXJR-12で闘っている。

<TWR SUNTEC JAGUAR>
  


SPICE / BRITISH BARN

 スパイス・エンジニアリングとは英国のシャシーコンストラクターで、このシャシーにフォードやコスワース、ジャッドなどの3.5リッターNAエンジンを搭載したプライベーター達が、世界選手権のNAマシンのカテゴリーを賑わせていた。皮肉な話ではあるが、92年にWSPCがSWC規定に完全移行したことで、エンジンが3.5リッターレシプロNAに統一されて一躍本流となったこのクラスにメーカー系のワークスマシンが大挙登場してくる直前までの間に限って、長年にわたりNAマシン用シャシーコンストラクターとしてその名を馳せていたことになる。
 ターボ車全盛のグループC時代の中でも、NAゆえのマシンの軽量さを武器にしてのコーナリングスピードの速さは見応えがあったといえる。が、いかんせんJSPCでは少数派であり、継続的に参戦するチームがなかったのは残念である。

 スパイスをJSPCに投入したのは、ル・マンにも参戦したチームFEDCO(写真)、AOレーシング、チームSWCなどがある。いずれもエンジンは3.5リッターのコスワースDFZを搭載していた。
 米山二郎選手率いるブリティッシュバーンレーシングは、オリジナルシャシー(BB90R)にマーダーチューンのコスワースDFZという組み合わせのマシンで戦った。NAならではの乾いた大音量のエキゾーストノートがやたら印象に残っている。

<FEDCO SPICE SE91C>
  

<ALPHA CUBIC 90R> 
 


MAZDA FORD

 赤池卓氏率いるTeam・TAKUが91年シーズンに投入したのが、89年のシーズンを戦ったマツダ767Bのシャシーに、3.5リッターNAのフォードDFRエンジンを搭載した異色のマシン。92年から3.5リッターのNAにエンジンが統一されるSWC規定をにらんだマシンとウワサされた。
 ドライバーは赤池 卓/飯田 薫のコンビ。

<Autorama FORD 767B>
  

<ALEXEL 767B FORD>
 


 

 

【お断り】
本ページの掲載画像は、下記より引用させて頂きました
◆JSPC大会パンフレット◆