私のマツダ試乗記@2001

MILLENIA
25M Sports_Package
V62500cc)



Car Introduction

 2000年7月にビッグマイナーチェンジをして登場したミレーニアのキャッチコピーは「
躍動する高級車」。センティアのモデル廃止によりマツダのフラッグシップという新たな役割を担うことになり、それに相応しい高級車として大きく生まれ変わりました。
 全車FFの4ドア3BOXセダンで、2.5LのV6を搭載するモデルが25M、2.0LのV6搭載モデルが20Mというグレード名称。25Mには、本皮シートを採用し快適装備を充実したラグジュアリーパッケージと、ハードサスペンションを組み込み17インチ仕様としたスポーツパッケージの2種類のパッケージ車が用意されています。25M、および25Mラグジュアリーパッケージには電子制御4WS車の設定もあります。
 なお、ユーノス800時代からのミラーサイクルエンジン搭載車は、今回のカタログからドロップされています。

 旧ミレーニアとの外観上の最も大きな変更点はフロントマスクで、最新のマツダのアイデンティティである五角形グリルを強調した精悍なデザインに変身しました。ウィンカー・ポジション一体型の大型プロジェクターヘッドランプが個性的です。リアのコンビネーションランプも点灯部の形状が楕円形に変更されています。
 内装も明るいグレー(25Mラグジュアリーパッケージはベージュ)に統一されてイメージを一新しています。上質感を醸し出すクローム仕上げのインナードアハンドルやスイッチ類は前モデルから受け継いでいます。

 今回のマイナーでは安全性能が一段と強化され、
頭部保護機能付SRSサイドエアバックを設定したほか、EBD(電子制御制動力配分システム)+ブレーキアシストの採用で乗車人数に応じた効率的なブレーキングを可能としています。フロントのブレーキローターは大径16インチ型化され、ブレーキ性能そのものも強化されました。
 さらに、リアバルクヘッドへのメンバー追加や、センターピラーへの発泡樹脂材充填により、ボディ剛性の向上も図られています。
 
 快適装備では、視認性の良いハイコントラストブラックアウトメーターや、マツダが最近積極的に展開しているモジュールタイプのオーディオシステムなどが新採用となっています。






Major Equipments
 <’00年式 ミレーニア 25Mスポーツパッケージ>

 ○運転席&助手席SRSエアバッグ
 △頭部保護機能付SRSサイドエアバック
 ○4W−ABS(4輪アンチロックブレーキ)
 ○EBD(電子制御制動力配分システム)
 ○ブレーキアシスト
 △トラクションコントロール
 ○オートライトシステム

 ○テンションリデューサ&ロードリミッター機構付ELR3点式シートベルト(フロント)
 ○ALR機構付ELR3点式シートベルト(リア左右)

 ○本革巻ステアリングホイール(ツートーン)
 ●本革巻シフトノブ&パーキングブレーキレバー
 ●モケットシート(グレー)
 ○パワーウィンドー(運転席ワンタッチ機構&スイッチ照明付)
 ○トランクオープナー機構付キーレスエントリー
 ○イルミネーテッドエントリーシステム
 ○運転席8ウェイパワーシート
 ○カップホルダー付リアセンターアームレスト

 ●AM/FM電子チューナー&CDデッキ
 ●プレミアム10スピーカーシステム
 △マツダテレマティックス対応DVDナビゲーション
 ○UVカットガラス
 ○フルオートエアコン&アルデヒド除去機能付エアフィルター
 ○ワンタッチ電動格納リモコンカラードドアミラー(キーオフ後可倒機構付)

 ●スポーツチューンドサスペンション

  (○…全車共通標準装備 △…メーカーオプション装備 ●…当該グレード装備)

 

My Impression (Test Drive at Yamaguchi-Mazda in August.2000 )

 私は家族が96年式のユーノス800を所有しているので、新型ミレーニアは興味深々の試乗となりました。

 まず走り出す前に気付くのが、新しく採用された
ハイコントラストブラックアウトメーター。イグニッションキーを捻ると、赤い指針と白い文字盤が順次浮かび上がるもので、マツダでは昔ユーノスコスモに採用されていました。これからの楽しいドライブを予感させ、思わずワクワクさせてくれるアイテムといえます。また、忘れてはならないのがドアやトランクの開閉音。旧モデルと比べ著しく重厚なものに生まれ変わっており、ようやく高級車としての風格が備わった感じです。その他にも、センターコンソール内のカップホルダーや灰皿、グローブボックスの開閉にもダンパーの効いた上質なタッチが感じられるようになりました。

エアコンスイッチの文字も大きくなってます(^^)
グレー調になった内装(展示車)


 走り出してすぐ感じるのは
ボディのしっかり感の向上です。旧型ミレーニア/ユーノス800では、よく言えばソフトな味わい、悪く言えば幾重ものゴムブッシュの介在を意識させるようなダルな乗り味でしたが、この新型25Mスポーツパッケージではステアリング操作に対するロールや、ブレーキペダルを踏んだときのピッチングの発生が、素早くかつ収束の早い気持ち良いものとなり、アクセルオンに対するエンジンの吹け上がりもクイックになっていることから、全ての操作にわたってレスポンスが良く、ドライバーがクルマとの対話を意識して楽しめるようになっています。やはりこの辺りは、ボディおよびサスペンションパーツの剛性アップ対策がもっとも効いていると思われます。ともかく、旧型オーナーなら泣いて悔しがる程の進化の跡が見られます。

 V6エンジンは依然高回転では心地良いサウンドを響かせてくれますが、アクセルレスポンスが改善されたことでより一層スポーティに感じられるようになっています。いまや搭載車種の少なくなったマツダオリジナルのV6エンジン・Kシリーズですが、さすがに静粛さや振動の少なさは抜群です。実用燃費としては8km/L前後でしょうか。
 ステアリングも握り易い太さで、インパネのスイッチ類の配置も適切でとても操作しやすいと思います。それと、シフトレバーの操作タッチも確実に改善されていましたが、これは直前モデルからの改良点かもしれません。

 あえてリクエストを挙げるとすると、ミレーニアは3BOXセダンとしてはリアウィンドーがかなり傾斜しているスタイルなので、降雨時の後方視界確保のためにはリアワイパーがぜひとも欲しいですね。それから、リアセンターアームレストにはカップホルダーが装備されるなど工夫されているのですが、運転席周りにもう1〜2ヵ所の小物収納スペースがあったらと思います。でも個人的にこのインパネデザインは秀逸だと思うので、カタチを崩さないまま収納スペースを追加するのは難しいでしょうね。
 あと、オートクルーズコントロールや助手席パワーシートが25Mラグジュアリーパッケージ専用装備となったことは至極残念で、せめてメーカーオプションで選択肢を残してくれたら良かったと思います。本来「便利さ」と「豪華さ」とは意味が違うはずですが…。


 結論的には、今回のミレーニアはとくに
ダイナミック性能面でマイナーチェンジレベルを超える大きな進化を遂げたと言えるでしょう。私は直接の比較対象となり得る旧型モデルが身近にあるので、とにかく乗り込んでから走り終える瞬間まで感心することしきりでした。
 ざっと室内を見渡しても、上質感の向上や使い勝手の改善にきめ細かい配慮がなされていて嬉しかったですね。いいクルマになったと思います。


◆Nukupeeの総合評価◆
(ミレーニア・25Mスポーツパッケージ)
私のお気に入り度 ★★★★★★★☆☆☆
(10点中7点)
私だったらこうする ・25Mスポーツパッケージにオートクルーズコントロールと助手席パワーシートをメーカーオプションで設定、もしくは25Mラグジュアリーパッケージにスポーツチューンドサスペンションを選択可能にする
・リアウィンドーワイパーを全車標準装備で新設する


Major Spec
 <’00年式 ミレーニア 25Mスポーツパッケージ>
全 長 4870mm
全 幅 1770mm
全 高 1395mm
ホイールベース 2745mm
車両重量 1480kg
最小回転半径 5.7m
10・15モード燃費 9.7km/L
   
エンジン形式 KL−ZE型
エンジン種類 水冷V型6気筒DOHC24バルブ
内径×行程 84.5×74.2mm
排気量 2496cc
圧縮比 10.0
最大出力 147kW(200ps)/6500rpm
最大トルク 224kN(22.8kg‐m)/4800rpm
燃料およびタンク容量 無鉛プレミアム・68L
   
懸架方式 マルチリンク式(前・後)
スタビライザー トーションバー式(前・後)
主ブレーキ形式 ベンチレーテッドディスク(前)・ディスク(後)
タイヤ 215/50R17 91V
ホイール 17×7JJ
   
車両本体価格
277万5千円〜