<旧車シリーズ 709>


TOYOTA HILUX Std (RN10)


 
トヨタから1968年に登場した小型トラック専用車がハイラックスである。最大積載量1トンのボンネット型トラックで、スタウトから派生させていたライトスタウトや、提携先の日野から吸収して販売していたブリスカに代わる本格的なブランニューモデルとなった。
 当時、同クラスの小型トラックにはダットサン1300という強力なライバルが存在していたが、ハイラックスはコロナやトヨエースで定評のある2R型・水冷直列4気筒1490ccOHVエンジンを搭載し、最高出力77ps/最大トルク11.7kgmのパワフルさで対抗した。トランスミッションは4速のオールシンクロで、最高速度は125km/hに達した。
 デラックス車はホワイトリボンタイヤを装着したほか、内装が豪家仕様となり、通気性発泡ビニールレザーシート/熱線吸収ガラス/内外気切換え式ヒーター/シガライター等が標準装備となる。翌年に荷台長を400mm延長したロングボデー車を追加、1970年のマイナーチェンジでは安全対策と同時にフロントマスクを小変更した。


 
スタウト似の丸目4灯のフロントマスクが印象的なこの初代ハイラックス、まだこの頃は現在のハイラックスのようなRVの面影は全くなく、質実剛健な商用車というイメージが漂っています。おでこに突き出しているようなダクト&ウィンカーの配置はとても斬新で、どことなくMS60/70系のクジラクラウンを連想させるデザインですね。
 初代ハイラックスは私の地元では殆んど見る機会のないマイナーな存在でしたが、初代後期型の郵便車がミニカーでモデル化されていたので、個人的には十分に親しみを感じるクルマでした。


推定年式:1968
撮影時期:1982年12月
撮影時期:山口県徳山市千代田町にて