<旧車シリーズ 610>


TOYOTA TOYOACE 1500 (PK41)


 
トヨエースの前身は1954年に登場したトヨペット・ライトトラックで、サイドバルブのS型・995ccエンジンを搭載する1トン積みトラックだった。戦略的な価格引き下げを繰り返すことで、低価格が身上のオート3輪勢を駆逐し、「トラックの国民車」として定着した。
 1959年のモデルチェンジではセミボンネットスタイルを踏襲しつつ、キャビン内へのエンジン侵入を解消し、ハンドルチェンジを採用することで、乗車定員を3名とした。パワーユニットは、その後997ccOHVのP型エンジンを経て、1961年からは1198ccの2P型エンジンとなり、1トン/1.25トン積みの1200シリーズに進化した。最高出力は55psとなり、初代の30psから大きくスペックを向上させている。
 このトヨエースに新たに1500シリーズが加わったのは1963年のこと。1453ccのR型エンジンを搭載する1.5トン積み車(PK40型)の誕生である。さらに、1965年には最高出力70psの2R型・1490ccエンジンに換装され、最高速度もついに100km/hとなった。


 1963年当時、他社の2トン積みトラックが70万円前後のプライスタグを付けていた中、RK40型は1.5トン積みながら49万円という抜群の低価格であり、そのインパクトの強さは想像に難くありません。なにせこれは同クラスのオート3輪さえも下回る価格だったのですから。
 写真は近所の整備工場に偶然入庫していたRK41型を撮影したものですが、珍しい2灯式のトヨエースを発見できて興奮したのを覚えています。今こうして冷静に見てみると、フロントグリルがなぜか上下逆さまに装着されていますね。


推定年式:1965
撮影時期:1982年10月
撮影場所:山口県新南陽市福川にて