2 デジタル装備用必須アイテム
2-1 変圧器(トランス)
フランスの電圧は220Vですから、パソコン、デジタルカメラ内蔵バッテリーなどの充電には、精密機器用変圧器が必要になります。マッキントッシュのパソコン内蔵バッテリーは、220Vに接続しても大丈夫です。ウィンドウズ系は、対応しているものといないものとがあり、要チェックです。ただし、電源への差し込みの形態が日本と異なりますので、アダプターが必要です。これは、絶対に忘れないように。
2-2 AC充電器(付属品)+デジタルカメラ内蔵バッテリ一
デジタルカメラ内蔵バッテリーの場合、撮影角度などを決めたり、パソコンに画像を転送している間に、たちまち電池が消耗してしまいます。できれば、複数のバッテリーを用意し、撮影と並行して充電しておけば、つぎつぎに取り替えることができます。文書館や、図書館の閉館時間を気にしながら、40分もバッテリーの充電をしていると、つい焦ってしまいます。ただし、メーカーによっては、精密機器用変圧器と接続して充電する場合の動作確認がされていない、ということもあります。火を噴く危険性がある、とも言われました。今のところは、何ともありませんが、いささか心配ではあります。
3 ノート型パソコン
女性や高齢者でなくても、パソコンを長時間もって回るためには、2kg程度が限度でしょう。できたら、最近流行のVaioのノートパソコン並に1kg以下で、バッテリー持続時間が6時間以上、スペックがフル装備に近いもの。となると、いまのところ、条件にかなうノート型パソコンはありません。Win系ではVaio、Macintoshでは、PB2400でしょう。私は、Macユーザーなので、以前は、PB230を使用していましたが、Macがビールを呑んで(じゃなくって〜、ビールがキーボードにかかって)死んでしまいました。次に購入したPB1400は、シャルルドゴール空港で美女に見とれているうちに、スーツケースごと消失してしまいました。鮮やかなプロの手口!などと感心している場合ではないって。結局、悪銭身につかず、とあきらめ、目下、PB2400-240を使用しています。これは、マックのノートパソコンとしては例外的に軽い(とはいえ、バッテリー装備で、1.8kg、FDドライバーもCDドライバーも全て外付け)。そのためか、どうか、その後、このシリーズは、後追いなし。おいおい、ジョブズ、しっかりしてくれ、Winごときに負けるな、などと切歯扼腕しても、もはや遅い。アメリカ人男性のマッチョみたいなビジネスマンしか念頭に置いていないノート型パソコンに対して、「金も力もなかりけり」の色男、色女が断固として「差別反対」と抗議すべきでありましょう。
閑話休題。ノート型パソコンを買う際、メモリーを奢ること。100MB以上に増設しましょう。今は、メモリーは大した値段ではないし、画像を処理する際、非力なコンピュータほど悲しいものはありません。メモリーを惜しんでいると、その他の性能がいくら高速でも、フリーズしたり、様々な不具合の原因となります。「安物買いの銭失い」にならないよう。内蔵ハードディスクも、できるだけ容量の大きいものに。最近は、内蔵・外付けハードディスクともGB単位となり、これも値段が下がりました。昔、NEC純正の40MBの外付けハードディスクを買い、なにに使っていいのか、呆然としたことがあります。「去年の雪今いずこ」。本体はそこそこでも、内蔵メモリーと、内蔵ハードディスク、この二つは、お大尽なみにおごりましょう。よっ!紀伊国屋!
4 デジタルカメラ
最近、急激に画素数を増し、普通の銀塩フィルムカメラを追い上げています。300万画素のデジタルカメラが、10万円以下で買えるようになりました。画素数だけではなく、CCDの大きさも画質に影響します。小生は、リコーのRDC-7というデジタルカメラを愛用しています。どんなデジタル装備でも同じことが言えますが、実際に手にとって、自分にあったものかどうか、確かめること。特に、重さは重要な要素です。実際に、手に持って、しばらく操作してみてください。また、歴史史料を連続的に撮っていく上で、ファインダー、液晶画面などが見やすいものがよい。
5 スキャナー
最近、マックの周辺機器も大きく様変わりし、廉価・軽量なUSB接続のスキャナーが次々と発売されています。Win系では、当たり前の構図でしょう。スキャナーは、先程から述べてきたコピーと同じような役割、つまり、史料を画像として取り込むことができます。その上で、レタッチソフトを使って、適正な画像情報を得ることができます。
それと同時に、スキャナーから活字史料を取り込み、OCRソフトと呼ばれる画像→テキスト情報変換ソフトで、テキストに変換することができます。こうすれば、大量の活字史料をキーボードから入力する時間と手間を省けます。(PS:というのは、理論上のこと。これまで、様々なOCRソフトを使用して、どれほどの時間をかけて、文字化け退治に血道を上げてきたことか。なによりも、スキャナー自体の解像度、つぎに史料の濃度、傾き、などの条件で、世にも不思議な文字列が出現することになります。さらに、フランス語の場合、もっと悲惨で、アクサンの類がまともに読んでもらえない。ちょっとフォントが違うと考えられないような文字に変換されてしまいます。たとえば
eアクサンテギュは、99%、数字の6に化けてしまいます。もしこれがクリアされれば、日々たまりゆくルモンドを文字情報に変換して、データベースソフトに落とし込み、たちまち、切り抜きの苦行から解放されるのに!)
6 ストレージ
パソコン本体にデータを蓄えるのは、一時的なものと心得よ。なぜなら、パソコン本体がクラッシュしたり、盗まれたり、落下しておシャカになったり、・・・・・・ありとあらゆる不幸な事態が予想されるからです。そんなことを考えたことがない人は、よほど楽観的な人か、強運の連続の人生だったかでしょう。私の場合、虫の知らせか、ビール事件の直前に、ほとんどのデータをCD-Rに焼いておいたのです。新しいパソコンを入手して、早速、このCDを起動し、次々にデータをドラッグ&コピーして、ほとんど回復することができました。このとき、無神論者の瓜生氏もその場で跪いて神に感謝し、イェルサレムへの巡礼を誓った、というのは嘘です。それくらいの感謝感激でした。
さて、ストレージと呼ばれるデータを格納するための周辺機器、特にリムーバブルストレージと呼ばれるデータ格納機器にもいろいろな種類があって、選択に悩みます。リムーバブルストレージというのは、メディアと呼ばれるストレージ用のブツ(なんと日本語で呼んだらいいのやら。CD-Rの場合でしたら、データを焼き付けたCDです)が、取り外し可能で、一つのメディアに格納情報がいっぱいになると、そのメディアと新しいメディアを交換できるものを言います。たとえば、CD-R,
MO, Zip, JAZZなどのことです。私は、もっぱら、CD-Rを使っています。
もちろん、最近のように、ギガ単位の外付けハードディスクも大変廉価になっているので候補としてあげられます。ただ、他人とデータの受け渡しするとなると、リムーバブルストレージが断然有利です。ストレージを選択する際、メディアの値段も選択基準の一つになります。いまや、CD-Rのメディアは、1枚100円を切っています。CD-Rは、一回きりしか情報を焼き付けることができませんが、CD-RWは、何度も焼き付け可能です。
日本では、MO(光磁気ディスク)がダントツです。しかし、奇妙なことに、フランスでは、Zip(あるいは、同系統のJAZZ)が圧倒的に人気があります。おそらく、Zipのメディアが安いからでしょう。CDとMOは650MB、Zipは100MB(フロッピー1枚が約1MBですから、CDとMOは、フロッピー65O枚、Zipが100枚となる勘定です)が標準です。この情報格納量も基準になります。しかし、考えてみると、色つき画像、ビデオ編集や音楽のような音声の場合はいざ知らず、歴史研究者の場合、圧倒的に文字情報ですから、フロッピーにこまめにバックアップしていれば、十分と思われます。あまり、大容量だと、50KB程度のファイルのバックアップを取るために、一々機器を立ち上げるのも面倒になってしまいます。さらに、他人とデータのやりとりをするとき、ウィルスに汚染されていないかどうか確認した方が、安全です。
フロッピーは、手軽なメディアとして根強い人気があります。しかし、マックの場合、iMacやiBookなどの新機種では、さっさとフロッピードライバーそのものをなくしてしまいました。PB2400も外付けで、内蔵型ではありません。フロッピーを消していいのか。 フロッピー(に限らず、ストレージ全体で言えることですが)で、データを格納する時のコツ。どのファイルが最新のファイルか、ちゃんと明示しておくこと。そうでないと、過去の同じようなファイルが次々にたまり、新しく編集したファイルを入れようとして、「同じ名前の古いファイル(あるいは同じファイル)があります。入れ替えますか」と聞かれて、どぎまぎしてしまいます。できればファイル名に日時、内容を簡潔に記入しておく方がよいでしょう。あるいは、versionをそのたびにファイル名に書き込むこと。
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