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フランス映画「太陽は傷だらけ」より
■A 太陽は傷だらけ(サゥンド・トラック盤)
■B イタリア映画「女王蜂」主題曲
ロベール・モノー楽団
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私たちの見ている映画から映画音楽の存在をぬきにしたら、いったいどんな淋しいことになるでしょう。ちかごろ、とみに映画音楽の存在が大きくクローズアップしてきた感がありますが、ここにご紹介する新作フランス映画の主題曲は、その意味からも見のがせない映画音楽の一つといえましよつ。この映画は、フランス映画界の鬼才とまでいわれる「危険な関係」「戦士の休息」「悪徳の栄え」のロジェ・ヴァディムの総監督のもとに、「大運河」「17才よさようなら」などの異色の男優クリスチャン.・マルカンがはじめてメガホンをとり、主演には「戦士の休息」「悪徳の栄え」などヴァディムの作品で主役を演じたロべ一ル・オッセン、「奥様ご用心」「甘い生活」いらい久しぶりにスクリーンに登場する美貌アヌーク・工一メ、それにイタリアから「若者のすべて」の性格非優レナート・サルヴァトーリをむかえての異色スタッフによる最も新しいスタイルのアクション・ドラマです。南仏プロバンスに果てしなくひろがる荒野。朝の太陽を背に一台のジープが、ハイウェーを突走る巻頭のシーンから、美しいトランペットが響きわたりそれに続くギターの音が、思わずこの色彩豊かなドラマに見るものを誘いこみます。ポーカー賭博をしながら放浪の生活に生きがいを見出すサミュエル(R・オッセン)とジープの運搬をしているフフンシス(R・サルヴァトーリ)との間に芽生えたふしぎな友情。ひょんなめぐりあいから生れたフランシスと未亡人アンナ(A・工一メ)のゆきずりの、しかし純粋で激しい愛情。.いかさまがぱれて、サミュェルは、賭博仲間に両手をびどく痛めつけられてしまいます。得意のギターも弾けず、力一ドは勿論のこと、ナイフも投げられない。気が狂った彼はついに人殺しをおかしてしまいます。殺人者逮捕のための大がかりな山狩り。追いつめられたサミュエルは友人フランシスの一発に静かに倒れたのです。美しくカメラにとらえられたプロヴァンス風景。そしてオッセンのしびれるような演技。しかし何より特筆されるのは、最後までドラマをもりあげていくミシェール・マーニュの音楽です。「戦士の休息」「悪徳の栄え」「地下室のメロディー」と最近めきめき売り出してきた彼の、これはまたなかなかの傑作といえましょう。きっと映画の数々のシーンとともに忘れがたいものとなるにちがいありません。B面におさめられているのも、これまた映画音楽です。これは、1963年のカンヌ映画祭で主演女優賞を獲得したマリナ・ヴラディが主演するイタリア映画「女王蜂」の主題曲です。監督は「豊かなる成熟」の一挿活「姦通」でわが国にデビューした今年34才の新鋭マルコ・フェレーリ。主演はマリナ・ヴラディと「狂ったバカンス」のイタリア映画界きっての性格俳優ウーゴ・トニャッツィです。妻という女王蜂に仕える夫という名の雄蜂の悲劇をむごいまでに描ききった、世の夫族にとってはまことに恐るべき異色の映画です。テナー・サックスが奏でる情熱的なタンゴの調べをお聞き下さい。「ヒマラヤK2征服」で音楽を担当したテオ・ウズエリが、このたびはぐっと趣きのかわった、しかしまさにこの映画にふさわしい映画音楽を作曲しております。
発売元 キシグレコード株式会社
\330 H1T-212
KlNG' RECORD CO..,LTD.., Japan
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