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SHOEI Film Presents Theme from The Film ''JEUX INTERDITS"
JEUX INTERDITS
1st part
2nd part
NARCISO YEPES
LED一260 \330 1963
昭映フィルム提供フランス映画
「禁じられた遊び」主題曲
禁じられた遊び
第一部----(3:.13)
第二部----(3:00)
ナルシソ・イエペス(ギター)
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○フランス映画「禁じられた遊び」の音楽
「風と共に去りぬ」でまき起った外国映画のリヴァイヴァル・プームにのって、「禁じられた'遊び」が帰ってきました。この前公開されたのは昭和28年9月でしたから、もう9年になるのですね。悪魔のような敵機が去ったあとにたった一人残された幼い少女ポーレット。この5才のパリジェンヌがのびやかな農村に寄せる嫌悪と好奇心、何とかして彼女の機嫌をとりむすぼうとする10才の農家の少年ミシェルの”春のめざめ”。十字架を集めてのいじらしいお墓ごっこ、無智で一徹な農家の人々が隣家とまき起す他人目にはユーモラスな争いなどがたくみに織りまぜられての”救い”と”笑い”の末に、ポーレットが戦争孤児として赤十字に引取られ、雑踏の中に亡きママに似た人を見つけてその姿を追うラスト・シーンは印象的でした。戦争反対の正面きった怒号の代りに、童心を通じてしみじみと胸にせまる名作でした。監督は「太陽がいっぱい」のルネ・クレマン、幼い二人をブリジット・フォセーとジョルジュ・プージュリーが演じていました。そして「禁じられた遊び」の感動を一段と高め、名声をいやが上にも高めたのが、ナルシソ・イエペスが演奏するこのギター曲でした。その後ギター音楽ブームも一「禁じられた遊び」によって始まったといっても過言ではないでしょう。
イェペスは1927年11月スペインの東南部ロルカという町の近くで生れました。4才の時、イエベスが杖をかかえてギターをひくまねをしているのを見た父親が「ナルシソよ、お前はギターが好きなのかい?」とやさしくたずねると、「うん、とっても好きなんだ」とはっきり答えたのでした。20才の時、ロドリゴのギター協奏曲をアルヘンタの指揮するスペイン国立交響楽団の伴奏(同じメンバーのレコードがロンドンから発売SLC-1128/LE-38)でデビュー、一躍世界中に名を知られるようになりました。「禁じられた遊び」の音楽構成と演奏をひき受けたのは25才の時でした。1960年秋には来日、各地で演奏会を開いて多大の感銘を与え、「禁じられた遊び」の音楽の始めに入っている「ロマンス」という曲を含むレコードを一枚録音(SLC-1027/LC-57)して帰国しました。その時のステレオ録音もたいへんすぐれたものですが、このジングル・レコードは、今回のリヴァイヴァルを記念して、とくにフランスから取寄せたオリジナル・サウンドトラック盤です。生々しい映画の感動をこのシングル盤で再現してください。映画「禁じられた遊び」の音楽は、ほとんどイエペスのギター一本だけですばらしい効果をあげています。ときには物静かに訴えるように、ときには激しく、たくみに映画の主題を強調しています。ちょうど「第三の男」におけるアントン・カ.ラスのツィターみたいに、いずれも古いスペインの民謡に基いたものといわれていましたが、名ギタリスト、アンドレス・セゴヴィアの研究により、R・デ・ヴィゼー(R.de Visee,1686-1721)というギタリストの作であることがわかりました。セゴヴィアの編曲したヴィゼーの組曲のなかに含まれるサラバンドとクラーントが、イエペスの編曲でこのレコードの第一部に収められており、これがあまりにも有名な「ロマンス」です。第二部の二曲もやはりヴィゼーの組曲に含まれており、第一部の二曲と対比して使われている副テーマになっています。(日野康一)
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