|
|
DP-1223
☆コ一ヒー・ルンバ
☆らんの花
ウーゴ・プランコとそのアルパ・ヴィアヘラ
|
日本ほど海外の流行が早く伝わる国はないだろうとよく云われますが、それは日本が周囲を海でかこまれているためではないかと思います。アメリカで今ヒットしている曲が、すぐ海を越えて日本のヒット・テユーンに登場しますし、フランスの最新のモードが、いつの問にか銀座の街角で見られるというごとは、海にかこまれた国は外来の影響を受けやすいということを端的に表現しているようなものでしょう。ところで皆さん、なぜここで海の話などをするのか不思議に思われることでしょうが、これには少々理由があります。というのは、これから日本とは逆に全然海のない国のお話をしようと思うからなのです。では南米の地図をひろげてみることにいたしましょう。広大なブラジルとアルゼンチンにはさまれた国パラグァイ、この国には海かありません。したがってこの国の音楽は海外からの影響を全くうけていないのです。チリのクェカ、ボリヴィアのトナード、ブラジルのサンバなどと共に、この国の音楽と云われているものにポルカがあります。しかしこのポルカはヨーロッパのポルカとは型を異にするものです。素朴な山や野の歌とも云われる音楽が、このパラグァイの音楽と云ってよいでしよう。さて、このパラグァイの民俗楽器として、古くからこの土地に住んでいるインディアンたちに演奏されている楽器に小型のハープ、アルパがあります。この楽器はインデイアン・ハープとも呼ばれるもので、普通4オクターブにまたがる36本の弦をもっております。形は普通のハープよりもずっと小型で、枠も木製で軽くペダルもありません。ですから野や山を歩くには持ち運びが便利です。パラグァイにはこのアルパの名手が多く、フェリス・カルドーソなどはその代表的な人です。ここに登場するウーゴ・ブランコはヴェネズェラのアルパの一種”アルパ・ヴイアヘラ”(Arpa Viajera)の名手で、まだ日木のファンにはなじみの薄い人ですが、作曲家としてもヴェネズェラでよく知られております。彼はカりプソなどでおなじみのカリブ海に面したヴェネズェラ生まれ。このレコードはポリドールがヴユネズェラのレコード会社と特別契約を結んでレコーディングしたものです。アルペジオをまじえたウーゴ・ブランコのアルパ・ソロを、允分におたのしみ下さい。
A コーヒー・ルンパ
マンツォの作曲したもので、日本のファンの方には次の「らんの花」と共に初めての曲です、曲はべ一スのピチカートに始まり、タンバリンとクラベスがひびいて来ます。やがてアルパの妙音が聞えてまいります。テンポの早い曲ですが、メロディーが親しみやすいので、必ずヒット・テユーンの上位にランクされることは確実でしよう。(2:50)
B らんの花
この曲は演奏者のウーゴ・ブランコ自身が作曲したもので、美しいアルパのメロディーが、ひとときを夢の世界にさそうようです、ことにアルパ独特のアルペジオの素晴らしさには脱帽せざるをえません。(2:25)〔織田真紀〕
|
|